リアクション
準々決勝対戦表 『さあ、長かった武闘大会も、ついに準々決勝、ベストセブンとなりました。さらなる激闘を期待いたしましょう』 大神御嶽 …………………… 鳴神裁 欠場 ………………………… 立川るる アリアス・ジェイリル …… 樹月刀真 緋桜ケイ …………………… フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』 準々決勝第一試合 『準々決勝、第一試合は、鳴神 裁(なるかみ・さい)選手(&ドール・ゴールド(どーる・ごーるど)&物部 九十九(もののべ・つくも))対、大神 御嶽(おおがみ・うたき)選手です。 さあ、試合開始です。 鳴神裁選手、慎重に様子をうかがいつつ武舞台の上を風のように走り回ります。 大神御嶽選手、呪符を取り出すと、真言で武舞台の上を凍らせた。これでは走り回ることはできません』 「風は、走る場所を選ばない!」 『鳴神裁選手、言葉どおり宙を駆けて大神御嶽選手に迫ります。 大神御嶽選手、呪符を炎に変化させて薙ぎ払いますが、鳴神裁選手怯みません。 鳴神裁選手のキックがヒット! いや、大神御嶽選手、避けつつわざとキックを受けて、武舞台の上を滑って逃げました。ですが、このままでは落ちてしまいます。おおっと、ぎりぎりでヴァジュラを床に突き立てて滑りを止めた。 鳴神裁選手、そのまま大神御嶽選手を落とそうと迫る。 大神御嶽選手、苦し紛れか、ヴァジュラを鳴神裁選手に投げつけました』 「どこを狙ってるんだもん」 『鳴神裁選手、あっさりとヴァジュラを避け……おおっと、ヴァジュラが背後から戻ってくる。式神だ! ふいをつかれた鳴神裁選手、後ろから斬りつけられる形となってバランスを崩した。 それを狙いすましていた大神御嶽選手、火球で鳴神裁選手の胸の薔薇を焼き払った。 勝負ありました、大神御嶽選手の勝ちです』 第二試合 『立川るる選手の不戦勝です』 第三試合 『お待たせしました、樹月 刀真(きづき・とうま)選手対、アリアス・ジェイリル(ありあす・じぇいりる)選手の戦いです。 試合開始のゴングが鳴りましたが、両選手微動だにしません。 樹月刀真選手は黒の剣、アリアス・ジェイリル選手はバスタードソードを正眼に構えたままです。 互いに相手の呼吸すら推し量って、打ち込みの機会をうかがっています。 会場が、シーンと静まりかえりました。 重い。この空気は、重い。私も、ちょっと実況がはばかれる重さです。 いつまで、この静寂が……』 「はくちゅん」 『今、誰か、くしゃみをしまし……動いた! 一瞬にして二人が交差しました。 その剣はどう動いたのか、目では分かりません。 あっ、アリアス・ジェイリル選手、がっくりと膝をついた。 このパターンは……。 いえ、アリアス・ジェイリル選手の頭の上の風船が割れています。 競り勝ったのは、樹月刀真選手だ!』 「その攻撃では、俺には届かない」 ブラックコートを軽く翻して樹月刀真が言った。そのコートには、大きく裂け目が入っている。樹月刀真選手は大きく身体を避けつつ、大きくアリアス・ジェイリルに斬りつけたのだ。必要以上傷つけないようにと、最小限の動きしかしなかったアリアス・ジェイリルとはそこが違った。紙風船だけを斬って、肉体を傷つけないことができる光条兵器だからこそできた戦法だった。 『勝者、樹月刀真選手』 第四試合 『さあ、準々決勝、最終組、緋桜 ケイ(ひおう・けい)選手対、フォン・ユンツト著 『無銘祭祀書』(ゆんつとちょ・むめいさいししょ)選手の戦いです。 今、ゴングが鳴りました。 緋桜ケイ選手、ティアマトの鱗とミラージュを使って、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手を取り囲みます。 おや、その足許へ、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手の使い魔の猫たちがちょこちょこと歩み寄っていく。 そのままでは踏まれ……、踏まれません。フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手の周囲を回っていたのは、全て幻影です』 「そこだ!」 『フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、ディテクトエビルで本物の緋桜ケイ選手選手の位置を見つけだした。必殺の闇術が飛びます。 ですが、緋桜ケイ選手、フォースフィールドでつつみ込もうとする闇を振り払った。すかさず、冷気を纏ったティアマトの鱗を投げて反撃です。 フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、炎の聖霊で防御します。炎の聖霊と冷気がぶつかり合い、爆発的に発生した水蒸気が、あらぬ方向へとティアマトの鱗を弾き飛ばしました。 急いで、緋桜ケイ選手選手がサイコキネシスでティアマトの鱗を回収します』 「そんな暇はないぞ!」 『フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、今まで多くの敵を倒してきた必殺のサンダーブラストを放ちました。 緋桜ケイ選手選手、フォースフィールドを張るが防ぎきれない。フィールドを抜けてきた放電で、頭の上の風船が破裂します。 勝者、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手です』 |
||