校長室
【2022クリスマス】聖なる時に
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第11章 告白 「綺麗ですね」 「うん、綺麗ね。こんなに寒いのに皆楽しそうだし」 クリスマスコンサートの後で、シャーロット・モリアーティ(しゃーろっと・もりあーてぃ)は、セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)と共に、空京の街を歩いていた。 「楽しんでいる人々の姿は、セイニィ達がシャンバラの平和を守っている一つの結果です」 「……ありがと」 セイニィは小さな声でそう言って、輝いているイルミネーションと、人々の姿を眺めていた。 (セイニィを心配させてしまったこともあるけれど……セイニィや、セイニィの大切な人達がこうして過ごせるように、セイニィの隣でこれからも一緒に歩んでいけるように頑張ろう) 「何?」 じっとセイニィを見ていたシャーロットに、不思議そうにセイニィが問いかけた。 「いえ……」 クリスマスツリーではない、大きな木の側でシャーロットは立ち止まって。 ちらちら、雪が舞い落ちる中、セイニィに微笑みを見せた。 「どうしたの?」 釣られるかのように、セイニィも淡い笑みを見せて尋ねた。 「私のことを気にかけてくれて、ありがとうございます」 「?」 「セイニィは……私にとって、一番大切な人」 「え……う、うん」 シャーロットの言葉に、セイニィの顔が赤くなっていく。 「セイニィに巡り合えたことが、私の幸せ、なんです」 「な、何よ……そ、そんなこと言われたって、どーすればいいか」 セイニィは困ったような顔で慌てている。 「ただ、気持ちが変わっていないことを伝えたい、だけですから……最後まで、聞いて、くれますか?」 「……聞くだけならいいわよっ」 赤くなったまま、照れ隠しのようにセイニィは腕を組んでシャーロットの言葉を待つ。 「ありがとうございます」 シャーロットは、傘を開いてセイニィを引き寄せた。 「私の、セイニィへの気持ちは、永遠に変わりません」 そして、小さな声で――。 セイニィに囁いた。 あなたの腕の中にいたいの。 私を強く抱きしめてほしい。 二度と、離さないでほしい。 あなたを、心配させてしまったことが、もう二度と起こらないように。 どんな時でも、どこにいても。 私は、あなたが一番大切。 一番、愛している。 Thank you so much for thinking of me. You’re the most important person to me. I had good fortune to meet you. My love to you will never change forever. I want to be in your arms,where you hold me tight and never let me go. 「あ、りがとう」 セイニィは、シャーロットの言葉に、礼の言葉だけ言った。 「その言葉だけで、今は十分です。ありがとう、セイニィ」 シャーロットが微笑むと、セイニィもぎこちなく笑い返してきた。 それから2人は逸れないように身を寄せ合って、賑わう街の中を歩いていく。