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過去から未来に繋ぐために

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10章 吹雪


『――これより我は、ジェネレーターに突っ込む!』
 巽のメッセージを起点として、各イコンが一斉に動き始めた。
「そろそろ他の連中も仕掛けるようだ」
 【ストーク強行偵察型】のサブパイロットを務める鋼鉄 二十二号(くろがね・にじゅうにごう)が各機イコンを巡る状況を告げる。
 時が来たようだ。【ストーク強行偵察型】に乗る葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)は、肩に担いだリニアカタパルトをサイクラノーシュの右肩に向けた。
「これを使う時が来たようであります!」
「周囲からブラックナイトが迫っている。早く決めろ」
 レーダー上に反応。四方八方から熱源反応が迫って来ている。
「急かすなであります! ファイヤー!」
 森林地帯の腐葉土を確と踏みしめ、ストーク強行偵察型はリニアカタパルトから【ビッグバンブラスト】を発射した。
 グッと身体が後方に押し出される感触が走った。発射の反動でストーク強行偵察型が遥か後方に吹っ飛び、虹色の泡に触れた。


■再現された過去■

 
 吹雪の中で、馬場正子にカンチョーした過去が蘇った。
 ある日、吹雪は段ボール箱に入って馬場正子に接近し、カンチョーした。刺さる事に刺さったが、馬場正子は尻の筋肉に力を込め、吹雪の指をへし折ったのだ。
「ひ、酷いであります! 指を折るなんて……!」
「いいや、慈悲深いぞ。指を切断しなかっただけな」
 馬場正子の筋力を以てすれば、カンチョーした指を尻の筋肉で切り落とすなど容易い。
「……グッドであります……どんな相手であろうと、決して舐めてかかってはいけないという教訓として反省するであります。この指は、その罰として受け入れるであります」
 吹雪は苦痛の余り脂汗を流しながら、妙な方向に折れ曲がった人差し指を再び組み直す。
「自分は、非リア充エターナル解放同盟公認テロリストとして戦いにきたのではないでありますッ! 生まれついてのカンチョラーだからッ! 戦いに来たのでありますッ!」


■現在■


 吹雪の意識が現在に戻った。
 あの日、吹雪は敗北を味わった。余りにも圧倒的な馬場正子の尻の力の前に敗北した吹雪は日々己を研鑽し、今に至る。
 非リア充エターナル解放同盟公認テロリストとして、いつか再び、馬場正子に戦いを挑むために。吹雪は今を戦い抜くと心に誓った。
「――行けであります!」
 戦略・戦術ミサイル【ビッグバンブラスト】が暗く濁る空を飛翔する。主を守るためブラックナイト数体が身を呈すが、ビッグバンブラストはそれを意に介さず、ブラックナイトの群れごとサイクラノーシュの右肩に突き刺さった。
 雲状の爆発を引き起こし、サイクラノーシュの右肩の付け根に存在するジェネレーターが破壊された。