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【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』

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坂下 鹿次郎(さかのした・しかじろう)の一日】

「ふむ、やはり朝は巫女さんに限るでござるな」
 余裕を持って家を出た鹿次郎はある場所へ足を運んでいた。
 それがここ、神社である。彼の目線は神社に仕える巫女さんに注がれている。
「……! 丈が、昨日よりも一ミリ短くなっているでござる!」
 その目はへんた、職人が如く輝いていた。

 昼になると彼はエメネア・ゴアドー(えめねあ・ごあどー)と共に、護衛の任務に付いていた。
 朝の行動とはかけ離れた、真面目な表情。
 今の彼が何を考えているかはわからない。
(やはり、エメネア殿には巫女さんのバイトをどうにかして斡旋を……)
 今の彼が何を考えているかはわからない。 
「! そこでござるか!」
 突然鹿次郎が動いた。彼が刃の切っ先を向けた先には、怪しい人物が潜んでいた。
 やはり護衛人物を狙ってきているのだろうか?
「ぐ、ぐう! となりの巫女さんみたいな彼女に目をとられすぎたか」
「わ、私ですか!?」
 お仲間だった。
「エメネア殿に邪な視線を向けるなど、言語道断でござる! はあ!」
「ぐは! やられた!」
 鹿次郎は見事な太刀捌きで怪しい人物を断罪した。その剣筋は、美しい。
 だが忘れないで欲しい。護衛対象は、エメネアではないことを。

 日も暮れて護衛任務も無事完了。
「エメネア殿、今日はお付き合いくださりありがとうござった。
 せめてもの礼として、拙者が晩飯をご馳走するでござる」
「わあ、ほんとですかぁ〜! 久々にまともな食事ができますねー!」
 主な収入源であったゲルバッキーが財産を失い、パートナーの御人良雄が皇帝でなくなり、パラ実校長にもなれなかったというのにバーゲンで散財し続けていたエメネアは貧困していた。
「場合によっては我が家に泊まって行くのもよいでござるよ!」
「うううーん、さすがにそこまでは申し訳ないですよぉ……帰りのタクシー代だけくだされば、大丈夫ですから!」
 約束通り、二人は食事をして談笑した後、それぞれの家に帰って行った。
「……やはり巫女さんは正義でござるな」
 そう呟いた彼の顔は、一日を通して一番いい顔だった。

 これが坂下 鹿次郎の一日――