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リアクション
【ハイコド・ジーバルス(はいこど・じーばるす)の一日】
里の家で起床したのはハイコド。彼は雑貨『いさり火』を営む人物。
顔に傷があり、完全に死んだ目をしているが、優しいオーラが漂っている。
共に住んでいるソラン・ジーバルス(そらん・じーばるす)とニーナ・ジーバルス(にーな・じーばるす)も同時に目覚めると、三人は並んで朝食を作り始めた。
「あ、それ取ってくれ」
「はい。どーぞ」
「これもね」
「サンキュー」
三人は何事もないかのようにお互いの思考を読み取りあう。
その後、ニーナは先に家を出て、それに続いてハイコドも家を出る。
ソランからのキッスで見送られて。……爆発しないものだろうか。
『いさり火』につくハイコドを白銀 風花(しろがね・ふうか)が向かえる。
この店でやることは二つ。
ひとつは、並べられている雑貨を販売すること。
こちらは冒険者用のアイテムを多く立ち並んでいる。意外にも豊富なラインナップである。
もうひとつは、アイテムの採集や魔物の討伐等、依頼を受けての仕事がある。
前者は風花が担当し、後者はハイコドの担当である。
どうやら今日も依頼が舞い込んできているらしい。内容を見せてもらう。
〜断崖絶壁にある薬草の採取依頼〜
―いやいや無理ですよね?
「いや、普通に受けるが?」
そう言って彼は店を風花に任せて、目的地へと向かった。
ツァンダの南にある山、そこに薬草はあるという。内容通り、絶壁に。
ハイコドはそれを、空を飛ぶことでいとも簡単に薬草ゲットした。
我々が唖然、彼は涼しい顔をしていた。
「おおう、兄ちゃん。いいカメラだな、よこせよ」
道に迷っていたモヒカンたちが我々のカメラを奪おうとしてくる。心の中では「このままでは放送できなくなる……!」と考えていた我々のプロ根性も見せ所だ。
「全く、タイミングいいのか悪いのか……。
このカメラマンは依頼主なのでね、何もしないでくれれば食事でもおごるけど?」
ハイコドの顔つきに、怖さがちらつく。だがモヒカンたちはそれに気づくことはない。
「いいからよこせよ!」
我々がモヒカンの身を案じ、やめろと制止するよりも早く、モヒカンは次々と床へ倒れ付した。
彼が、何をしたのかわからない、だが何かをしたのだろう。
「……さて、行こうか」
そう言うハイゴドの陰が、蠢いている気がした。
夜になり、ハイコドは風花に店を任せて帰宅する。
家族との時間を過ごしつつ、就寝前に新しい依頼のチェック。
やがて床に就いた。
次の日、撮影が終わった後、最後に一つだけお願いがあるということで我々は彼に会いに行った。
すると『いさり火』の前に店員一同が集まっていて、こう締めくくった。
「雑貨『いさり火』をよろしくお願いしまーす!」
これがハイコド・ジーバルスの一日――
☆お知らせ☆
雑貨「いさり火」
・営業時間
平日 10:30〜13:00 14:00〜21:30
土・日・祝 13:00〜21:30
定休日 毎週木曜日
※依頼につきましてはメールで常時受け付けております
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