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【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』

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風森 巽(かぜもり・たつみ)の一日】

 巽の一日は早朝ランニングから始まる。
 走り終えた後は発声練習する。その声は聞くものをハッとさせる、良き声。
 ひとしきり自分のことを終えると、パートナーたちの朝御飯の支度をして家を出る。

 空京学園内の食堂に向かった巽。
 そこで彼は昼食をつつきながらヒーローショーの台本を読んでいる。
 真剣そのものの眼差しだ。
 ヒーローが持つであろう眼差しを、彼もまた持っていた。
 なのだが、
「あち、あちちっ」
 熱い料理に踊らされたりと間が抜けている部分も。
 しかし、それもまた彼の魅力なのかもしれない。

―あなたがヒーローとして大切にしていることは?

 我々がそう尋ねると、彼は少しだけ考えた後、
 「少し違うかもしれませんが」と言って言葉を続ける。
「子供達の夢と希望を護るのは、ヒーローだからじゃなくて、大人の義務と責任だと思ってやってます」
 ヒーローとして、大人として……
 自身の明確な考え方を言ってくれた彼は、
 食べ終えて真っ白になった皿という舞台の上で、ショーの段取りを確認し始めていた。

 夜、巽は別の番組の出演があるという。
 残念ながら我々は同行できなかった。
 後日彼は丁寧に謝罪しにきてくれた。
 ……本当に、ヒーローとして大人として、
 今の人々に見習ってもらいたいものが、彼には多く内包されていた。

 これが風森 巽の一日――