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リアクション
――この辺の街並み、僕の実家の辺りに似てます〜。
そんな無邪気な話をしていたのは、どれくらい前だったろうか。朝早くから呼び出され、手伝いの内容は確認した。指定された衣装も着た。しかしティエリーティアは、今にも泣き出しそうな顔でドレッサーの前に座っている。
「……結婚式だなんて、聞いてないです〜」
最近はワンピースなども着るようにはなっているけれど、まさかウェディングドレスを着ることになるなんて。口を挟めぬスピードでの流れの説明、花嫁は時間がかかるからとあれよあれよと仕立て上げられて、気付けばドレッサーの前に憂い顔の少女が1人。あまりに唐突過ぎる展開に、鏡の向こう側にいるのが自分だとはしばらく気付けなかった。
大地も今頃準備をしているのだろうが、どうしてこんなことになってしまったのかと溜め息を吐く。
「えーとえーと……模擬結婚式、ですよね? 要するにごっこなわけで」
自分に言い聞かせるように呟いた大きな独り言。きっと困っているのは大地も、そしてスタッフさんたちも一緒だと自分を納得させる理由を思いついた。
「だから……スタッフさんたちの為だし、やるしかないのかな。……うん、仕方ないです……よね?」
よし、と気合いを入れて立ち上がると、庭園へ繋がる通路へと急ぐのだった。
そうして、影では風祭 優斗(かざまつり・ゆうと)とテレサ・ツリーベル(てれさ・つりーべる)がこの模擬結婚式が成功するようにと協力していた。優斗は主に物資を運んだり、テレサは飾り付けや式の賛美歌へ参加するのでほんの少し着飾っている。
準備の整った庭園に、仲良く新郎新婦が入場してきた。胸元が開かない清楚な白いドレスに身を包んだティエリーティアは、上半身が体ぴったりになることを懸念してケープとスカートを同じシルクシフォンを使い、布端に白リボンラインなどをあしらってふわふわのボリュームを出して誤魔化した。そんな彼を見てニコニコと幸せな顔をする大地を見れば、誰もが似合いのカップルだと祝福するだろう。まさか、こんなに可愛らしい彼が男の子だと気付かないのは大地だけではないはずだ。
「大丈夫ですか? 足元に気をつけてくださいね。」
祭壇前にあるちょっとした階段。公衆の面前に晒されるモニターということが恥ずかしくて常に顔を真っ赤にして俯いているけれど、どこか足下のおぼつかないティエリーティアを支えるように大地は気遣って登り切った。
(こんなに顔を赤くして……やはり、俺たちには少し早かったですよね。今度は人目を気にしない式にしましょう)
今度というのは本番のことなのか、幸せな夢を見ながら司祭様のありがたいお話を聞いて、思いを馳せる大地は、この式場独特の空気、場の流れなどの力を借りて告白しようと決心し、ティエリーティアはとにかく時間が過ぎるのを待った。
待って待って、大地の言葉を反復するように誓いの言葉を言い、真似するように指輪を交換し。あとは何をしただろうかと考えていると、大地の手がヴェールに伸びてきた。
「……すごくきれいです、ティエルさん。」
少しずつ近づいてくる距離に、そう言えば結婚式にはこんな物もあったっけ……と他人事のように考えている自分がいる。
(あれ? 大地さん僕とキスしちゃっていいの? そう見せるだけだったかな……)
きょとんとした顔で見つめ返すティエリーティアの純粋な眼差しが痛くて、大地は確認する。
「俺はティエルさんが好きです。でも、ティエルさんが嫌と言うなら、ここから先はやりません」
大丈夫ですか、と聞きながら近づいてくる唇は、拒絶しなければ重なってしまうのだろうか。そんなことを考えていると、軽く触れるだけのキスをされ、ティエリーティアはますます混乱してきて顔を赤くする。
(今の、僕ファーストキス……えー? えー? 大地さんもしかして僕のコト好きなんですか!?)
驚いて自分を見るティエリーティアに大地は改めて告白する。
「友達としてではなく、恋人として傍に居たい。俺と付き合ってもらえませんか?」
「え、あ……はい」
よくわからないけれど、そのまま勢いで返事をしてしまったティエリーティアを強く抱きしめて、大地は幸せそうに笑う。
本当は恋愛感情にピンときているわけではないけれど、誰かに取られたくはないともやもやした気持ちを抱えるならばこれもいいのかな……と思いながら、2人にとって衝撃的な結婚式は幕を閉じる。
しかし、幸せ気分の大地には、このあとさらなる試練が待ち構えていることなど、知るよしもなかった。
日が高くなり、祭りの参加者が増えてきた頃合いを見計らって始められる挙式。少しずつ時間をずらして2、3エリアの様子は見られるようにしてあるのだが、それらを気にせず自分たちのデートを楽しむ者もいれば、1つでも多く見ようと意気込む者もいる。それは結婚を控えたカップルだけではなく、カメラを愛する羽入 勇(はにゅう・いさみ)は準備の進む会場を眺めてワクワクとしている。
折角ラルフ・アンガー(らるふ・あんがー)が用意した薄いピンクで統一されたミニスカートのドレスを着ていると言うのに、彼女は薄い青の服を着ている自分のことなど目もくれず作り込まれたエリアの風景や体験で衣装に着替えた参加者らを撮影するのに夢中で、デートらしさはまるでなかった。
「勇もいつか取材ではなく、自分達の結婚式の為に来たいと思いますか?」
次のモデルへ声をかけようとする彼女を止めて、振り返ってもらう。きょとんとした顔が次第に笑顔に変わり、ずっと一緒にいたはずなのに自分にむけられた笑顔は今日初めてみた気がした。
「えー、ボクが? 来るようなことあるかなぁ」
冷やかしか何かだと思われたのか苦笑混じりに建物を眺め歩くから、ラルフは人にぶつかりそうになる彼女を守るように抱き寄せ、真剣な顔でもう1度問う。
「……私は、あなたの花嫁姿を見たいと思っています。けれど、勇には興味ありませんか?」
できれば、それは自分の隣で。そう思っていても、彼女が自分のことをどう思っているのかわからなければ、押しつけがましいだけになるこの想いは口に出来ない。せめて少しでも意識してもらえているなら……と少しの希望を抱いて言った言葉は、彼女にも伝わったようだ。いつになく真剣な様子に、立ち止まってカメラに目を落とし真面目に答えるために勇はラルフを向き合った。
「そりゃあ、興味はあるよ。でもね、ボクはまだまだカメラマンとして自分が凄く未熟なのわかってるの」
冷静に行動しなきゃいけない場面でも、感情が先走ってる今じゃ報道カメラマンだなんて夢のまた夢。写真の仕上がりもそうだけれど、色んな面で成長が出来ていないことを反省するように勇は強くカメラを握りしめる。
「それに、正直恋とカメラとを天秤にかけたら今はまだカメラが大事。でも、もしもっと余裕をもって写真が撮れるようになったら素敵な恋をして、そしていつかは素敵な結婚式をあげたいと思うよ。だって花嫁さんが女の子の憧れだもんね!」
彼女の夢は知っていたつもりだった。その熱意もわかっていた気でいて、支えていこうと思っていた。けれど、自分が思っていたよりももっとしっかりとした未来を描く彼女に横やりをいれるこっとは出来なくて、ラルフは告白の言葉を飲み込む。
「今は、恋をする余裕がないということですね。する気がない、というのではなく」
「もちろんだよ! 可愛い花嫁さんって言ってもらえるうちに頑張らないと。おばあちゃんになっちゃったら恥ずかしいよね」
一体彼女はいつまで自分を待たす気だろう。冗談半分なのだろうが、いくつまでなら可愛い花嫁さんだろうかと、指折り数えて何年以内に一人前にならなければいけないのかと考え始めてしまった。
「出来るだけ早いにこしたことはないでしょう。沢山のデザインから選べそうですし」
「やっぱりそうだよね! よーし、もっともっとカメラの腕を上げて――」
よし、と気合いを入れようと思った瞬間、頬に温かな感触。それがラルフからのキスだと気付いたのは、さらさらと青い髪が離れて行くのが見えたときだった。
「勇が思っているほど、私は忍耐力はありません。早く一人前になってくださいね?」
「あ……うん」
応援してくれるのは嬉しい。けれど、どうしてキスをされたのかわからない。言葉だけ聞くと、ずっと見習いでいると見放しますよと言われたようにも感じるのに、それがキスに繋がる理由がわからない。
(そうじゃない、とすれば……ボクが恋する余裕が出来るのを待ってる? そんなまさか、だってラルフは……)
ずっと傍にいてくれた、どんなときも優しく見守ってくれて、信頼出来る大切なパートナーで。だけど、でも、もしかしたら。そんな風に考えると、さっきのキスが外国での挨拶のような物をは思えなくて、頬が少し熱くなってしまう。
「これからも、あなたに悪い虫がつくのを黙って見ている気はありませんからね」
そう微笑んで大聖堂へ向かおうと手を引いてくれるラルフは、顔を赤くした勇を見て幸せそうだけれど、勇にとっては全く予想していなかったところからのアプローチに、どんな返事をすればいいのかわからない。
それ以降何も言わないラルフを気にしつつも、早く一人前になるために撮影への意欲を増す勇だった。
パートナーのアルフ・グラディオス(あるふ・ぐらでぃおす)と一緒に来たはずの飛鳥 桜(あすか・さくら)は、1人で式場内を歩いていた。確かに、何を尋ねても気のない返事しか返してはくれなかったが、別段喧嘩をしたわけじゃない。
(ちょっと模擬結婚式を見てた隙に、アルフってば何処に行ったんだよ……)
天気の良い今日はガーデン挙式を希望するカップルが多く、どこのエリアを歩いても目に入る結婚式。まるで男の子のような口調で喋る桜も見た目や中身はれっきとした女の子。綺麗な花嫁や幸せそうによりそう2人にはちょっとした憧れがあったのか、つい黙って足を止めてしまっていたのだ。
見ていこうよと声をかけようとしたときには時既に遅く、大勢の参加者の中からアルフを探すことが出来ないでいた。それだけなら良かったのだが……。
「ま、迷った……ここ、広すぎるんだぞ……」
1つのエリアだけでも相当広いのに、それが10種類もあれば歩くだけでも一苦労。疲れてしまった桜は人の流れを邪魔しない場所で立ち止まり道行く人を眺めはじめた。
どこを見ても、楽しそうに笑う恋人やお祭りを楽しみに来た親友などで溢れていて、1人でいる人などスタッフくらいじゃないだろうか。いつも側に居たアルフが居ない事が、こんなにも胸に空虚感をつれてくるなんて思いもしなかった。
(今頃、アルフも探してくれているのかな。……なんか僕、迷惑かけてばっかりだ。もしはぐれなかったら――)
独りになったとき助けてくれた彼の存在はやっぱり大きくて、誰かといたいと言うよりもアルフを探してしまう。自分の情けなさに涙がこみあげてくるけれど、泣いていてもはじまらない。彼を見付けなくてはとぐっと涙を堪えて歩き始める。
「桜ッ!」
聞き覚えのある声に振り返ろうとすれば、それよりも早く抱きしめられてしまう。一気に暗くなった視界に何事かと思うけれど、間髪入れずに飛んできた言葉は乱暴なはずなのに、どこか安心してしまった。
「このバカ! 勝手に歩き回るな、俺がどれだけ探したと思ってんだ!」
肩を揺するように説教をされているのに、開けた視界には心配そうなアルフの顔が見えて、見付けてくれた嬉しさにまた目元が潤んでしまう。
「あり、がとう……」
「べ、別に礼を言われるようなことじゃねぇよ。一人にさせないって……言っただろうが」
何故だか顔を真っ赤にさせて離れて行くアルフに笑いっが込み上げてくる。最初の出逢いも、薔薇学の薔薇園へ行ったときも。自分は彼に心配ばかりかけてしまうけれど、いつだってこうして見付け出してくれる。口は悪いけど矛盾したような必死な表情で、安心感を与えてくれるんだ。きっとこれは、他の誰にも出来ない、彼だけが使える魔法。
「もう離れるんじゃねーぞ」
ペシッと軽く叩かれた額は全然痛くないんだけれど、その行動に彼なりの愛情が籠もっているようで、思わず額に手を当ててしまう。
「僕……君に出会えてよかった」
「な、なんだよ今さら……改まって」
そんなに強く殴ってないだろうと、叩いてしまったことで桜がおかしくなったんじゃなかろうかと狼狽えるアルフに、涙を拭いて微笑んだ。
「君は僕にとって、最高のパートナーだよ!」
「は……あ、当たり前だ! 俺を誰だと思ってんだよ」
再び顔を赤くしたアルフが、ぶっきらぼうに何かを投げつけてくる。一体なんだと思いながら掴めば、手のひらの中にはニーベルングリング。一体何故、と戸惑っていると背中を向けたアルフがポツリと呟く。
「つまり……お前が俺の最高のパートナーだってことだ」
勇気を出して言ったのに返事を返さない桜が心配になって振り返れば、凄く幸せそうな顔でニーベルリングを見つめていて、その顔につい鼓動を跳ねさせてしまう。けれど、その表情が少し困惑した物になってこちらを見たとき、見つめていたのを誤魔化すように咳払いをする。
「……あの、僕には大きいけど?」
くるんと中指でもまわってしまうニーベルリング。間違えて自分サイズにしてしまったのは確かだが、そんなことを言えるはずもない。
「そ、それはー……その……わ、わざとだ!」
「間違えたんじゃないのかい?」
「煩い、バカ! だいたいなんで中指なんだよ」
「バカってなんだよ、大きいから中指にしたんじゃないか! じゃあどこにつけろって言うんだよ!」
「ほ、他にもあんだろ、親指とかっ!!」
式場には似つかわしくない口喧嘩だけれど、これが2人の日常。アルフからの相棒の意味が変化していることには、桜はまだ気付くことはなかった。
そして、様々な式場を見て回りご満悦の九条院 京(くじょういん・みやこ)は文月 唯(ふみづき・ゆい)と仲良く手を繋いでお祭りを楽しんでいた。堅苦しい形式ばかりだったらどうしようかと思っていた挙式も、披露宴と一緒になったようなガーデン挙式が多く、思う存分フラワーシャワーを撒いて盛り上げることが出来たので、唯も彼女が楽しんでいる様子に笑みを零す。
「それにしても……さすが式場だね。カップルばかりだ」
オープン記念とあってどこも綺麗な式場は、これから式を挙げたいカップルには魅力ある物だろう。けれど、まだ恋人にすら踏み出していない自分たちには現実味のなさ過ぎる話で、唯は他人事のように辺りを見ていた。
それは京も同じことだけれど、今日はバレンタインデーなのだから女の子としてはチョコレートの1つでもプレゼントしておきたいところ。周りがカップルばかりなら、自分が唯にプレゼントを渡しても特に注目されることも無いだろうと思い、あえてカップルで賑わう庭園でさりげなく包みを差し出した。
突然出てきた可愛らしい袋を困惑したように見つめている唯を急かすように、京はさっさと受け取るように急かす。
「義理よ! 義理なんだからね! わかったらさっさとしまいなさいよっ!」
「え? うん……」
誕生日もとっくに過ぎているし、今日はクリスマスか何かのようにプレゼントを交換する日なのだろうか。なんとなく中身が気になってラッピングの袋を開ければ、そこにはハート型の箱。料理が得意でない京にとって、せめてもの気持ちを込めて市販品の中でもハート型の物を選んだが、そうまじまじと見られると恥ずかしくなってしまう。
「その……まあお世話になってるし、深い意味は……ないんだけど、えっと……」
誤魔化したいような、そうでないような。とにかく照れくさい気持ちだけは払拭したくて言い訳がましく呟いてみる京の耳には予想外な一言が飛び込んだ。
「そういや、ここへ来る途中にもこう言うの売ってたよね。日本ではそういう風習でもあるの?」
「え……?」
空京を開発したのが日本のため、確かに道中にも可愛らしいチョコレートを売っている店はあった。なので、少しずつパラミタにも浸透していると思われた日本式バレンタインだが、唯は全く知らないようでこのプレゼントも何とも思っていないようだ。
(み、京がどんな気持ちで渡したかも知らないで……! 唯なんて、やっぱり義理で十分なのだわっ!!)
キッと睨む京に、やはり日本ではそういう習慣があるのだと思い、お返しを用意してなかったことを怒っているのだと思った唯は慌てて辺りを見回す。
「この中にも売ってないかな? 何か、俺もお返しをしないとだよね」
「さ、3倍にして返すのよ! 来月のお返し、忘れたら承知しないのだわ!」
「……来月?」
ならどうして、彼女はこんなにも不機嫌なのなのだろう。今お返しを用意していなかったことを怒ってるんじゃないとすれば、他に理由が思い当たらない。けれど、もうこれ以上ヒントはくれてやるものかとそっぽを向いてしまった彼女から聞き出すことは出来ないだろう。
「京……ごめん。なんか俺、気に触ることをしちゃったんだよね?」
それでもチラリと視線を向けるだけで、ご機嫌はナナメのようだ。どうしたものかと手にしている物を見て、都合のいい解釈でもしてしまおうかとハートの箱をコツンと京の胸へと当てる。
「ちゃんとした意味はわからないけど、ハート型ってことは京の気持ちがたくさん詰まってるんだよね? ありがとう」
「べ、別に作ったんじゃなくて買ったものだし……」
「作ろうとしてくれたの?」
「ちが……っ! どうして京が唯なんかに!」
ぐいぐいと箱を押し返す京の顔はわかりやすいくらいに真っ赤になっていて、そんな気持ちが詰まったこの贈り物の価値を3倍にすることなんて出来るだろうかと苦笑する。
「わかったよ、それならお返しのマナーとか教えて貰える?」
「3倍以上よ! それ以外は認めないからっ!」
睨み上げた京の隙を突いて、額に口づける。不意打ちのそれに固まってしまった京へ、唯はにっこりと微笑み返した。
「ハートのお返しはハートってことで、ちょっとだけ前払い」
こんなことなら、ハート型なんて選ぶんじゃなかったと思いつつ、今のが3倍に届かないのなら残り分は何をされるのだろうと唯から思いっきり顔を逸らした。
「こ、これはおまじないだから、前払いにはならないのだわ!」
そうきたか、と思いつつ少し恥ずかしくなってきた自分の顔を見られないように唯は京をそのまま後ろから抱きしめる。
「――じゃあ、楽しみにしてて?」
背の低い彼女へ聞こえるよう、耳元で囁いた言葉。まずは今日のことを調べないとお返しのしようがないのだけれど、今度は彼女を喜ばせる何かを用意しよう。そう思い日本のバレンタインについて調べようとする唯と阻止しようとする京の攻防戦が暫く続くことになるのだった。
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