蒼空学園へ

イルミンスール魔法学校

校長室

シャンバラ教導団へ

ゴチメイ隊が行く3 オートマチック・オールドマジック

リアクション公開中!

ゴチメイ隊が行く3 オートマチック・オールドマジック

リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「データは確保したか?」
 いつの間に呼び寄せたのか、周囲に多数の魔導球を浮かべながらオプシディアンが言った。
「はい、確かにここに」
 ちょこちょこと近づいてきたメカ小ババ様の口から、小さなデータカードを取り出したアクアマリンが答えた。
「やっぱり、お前だったのか」
 その様子を見た緋桜ケイたちとソア・ウェンボリスたち、ナナ・ノルデンたちがオプシディアンたちを取り囲んだ。
「これはこれは。また懐かしい面子が三人とも揃いましたようで。お久しぶりでございます」
 オプシディアンが、油断なく周囲に魔導球を回転させながら、仰々しく大きく振った手を胸の前に持ってきて深々とお辞儀をした。姿形こそあのときとは違えど、分かる人間にはまざまざとジェスターの姿が甦る。
「知り合いかな?」
 ジェイドが戻ってきて、オプシディアンに訊ねた。
「さあ、どうでしようか。尽きる話もあるでしょうが、此度はもう幕引きの時間。またの出会いを楽しみにさせていただきます」
「では、さよならー」
 オプシディアンたちに目配せされたアクアマリンが、ぽちっと腕のコントローラーのパネルを押した。
 そのとたん、一斉にメカ小ババ様たちが爆発した。激しい爆風がテントをすべて空中に巻きあげ、もうもうと煙幕で周囲を満たす。
「しまった。ま、待て!」
 一同があわてて彼らを捕まえようとするところへ、舞いあがったテントの天幕が落ちてきて、一帯をすっぽりと覆い隠してしまった。あっと言う間に視界をふさがれて、身動きがとれなくなる。
 なんとかテントの下から這い出たときには、オプシディアンたちの姿も、シニストラ・ラウルスたちの姿も、もうどこにもなかった。
「みんな、大丈夫か!?」
 校内に散らばっていたために遅れて校舎から飛び出してきたレン・オズワルドたちが、テントの下敷きになった生徒たちの救出を始めた。
 
 
古き魔法
 
 
「応急処置だ。無理するな。ひとまず、みんな軽傷だ。不幸中の幸いというところか」(V)
 臨時の救護センターを作って負傷者の手当をしていたラルク・クローディスが、やっと緊張の糸を解いて言った。
 周囲では、こんなときこそメイドの出番と、メイド勝負に参加していたメイドたちがナーシングで負傷者たちの手当を続けている。
「なんだか、第四の勝負は『医』で、治療対決になってしまったようだの」
 シス・ブラッドフィールドを包帯でグルグル巻きにしながら、現在メイド修行中の悠久ノカナタがつぶやいた。
「対決? さすがに、人の手当は対決にはならないだろう」
 そうだろうと、ココ・カンパーニュがアルディミアク・ミトゥナに同意を求めた。
「ええ。古より、メイドのは誰かの心を癒やす存在です。それ自体が、古き魔法のようなものですから」
 そうアルディミアク・ミトゥナが言うと、近くにいたメイドたちは、一様にうなずいたのだった。
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 各学校の隙間を縫って進むゴチメイキャンペーンその3です。相変わらず位置づけが不可能です。
 基本的に、ゴチメイのキャンペーンは一話完結であると共に、裏では細かく大筋が動いています。
 現在は、「双拳の誓い」や「学生たちの休日」でチラチラと出てきていた伏線が、ようやく表に出てきつつあるという感じです。
 
 で、今回は予定通り蒼空学園が舞台だったのですが、御存じのようにリアクション書いている間にグランドシナリオで激変がありまして、さてどうしたものかと。原則、時系列はリアクション公開時ということにしているので、今回もグランドシナリオ後という設定にしました。その分、山葉涼司が非常にいじりにくくなってしまったわけですが、今回はさすがにしょうがないかなと。メガネじゃなくなっちゃってますし。
 
 なお、章が変わると時系列が戻ったりしています。少し入り組んでいますので。だいたい、時系列的には、対策本部、大会開始、着せ替え競技、小ババ様発見、お料理競技、小ババ様たち出現、お掃除競技という感じです。
 
 今回、扉絵をTOH.さんにリニューアルしていただいてます。アルディミアク・ミトゥナがかわいくなりましたねえ。

 次回は、「ひょっこり・ぷっかり」というお話になり、いよいよ、現在の話のラストである「ストライカー・ブレーカー」へと繋がっていく予定です。
 それにしても、毎回タイトルの韻踏むのが大変です。