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「水中での戦い!人魚と魚人の協奏歌」(第2回/全2回)

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「水中での戦い!人魚と魚人の協奏歌」(第2回/全2回)

リアクション

 青かった双岩が今は真っ赤に染まっている。チーム「真実の探索者」は青刀の双岩にて、ようやくにメンバーが一同に会した訳であるが、黄水龍を再封印する方法を調べる事を目的としていたが、青刀の双岩を守ることが教諭からの依頼となった今、メンバー全員で青刀の双岩を守っているのだ。
 そう、メンバー全員で黄水龍から青刀の双岩を守っているのだ。
「何よ何よ!! 誰とも戦わないつもりだったのに!!」
「えぇ、よりにもよって相手が……、 ねぇ」
 蒼空学園のセイバー、五十嵐 理沙(いがらし・りさ)が苛立ちを見せた声をあげれば、パートナーのセレスティア・エンジュ(せれすてぃあ・えんじゅ)は黄水龍っを見上げながらに笑って言っていた。
 黄水龍と戦闘中であった葉月 ショウ(はづき・しょう)の元へ雪ノ下 悪食丸(ゆきのした・あくじきまる)クルード・フォルスマイヤー(くるーど・ふぉるすまいやー)が小型飛空艇に乗りて合流した直後のすぐに、黄水龍は翼を羽ばたかせて青刀の双岩へ飛び始め、あっと言う間に青刀の双岩の上空に現れたのである。
 雄たけびと共に、黄水龍が双岩へ向けて氷矢の雨を放った。
「セレスティア」
「了解ですわ」
 理沙とセレスティアは共にカルスノウトを構えると、迫りくる氷矢に向かい爆炎波を放った。
 2人と同時に氷矢の迎撃に火術を放ったのは、イルミンスール魔法学校のウィザード、ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)のパートナーで同じくウィザードのクマラ カールッティケーヤ(くまら・かーるってぃけーや)である。2人の火術が、双岩へ向かった残りの氷矢の全て迎撃した。
「ふぅ。クマラさん、SPの残りは足りていますか?」
「あぁ〜、自分が危ないからオレに言って来たんだろぅ」
「何と、バレましたか」
「バレバレだよ」
 4人の迎撃は、今の攻めに対する双岩の守護を成功させたのだが、双岩を襲う事を目的としたのは黄水龍ではなく、あくまでフラッドボルグである。
 彼が黄水龍に追撃を命じるよりも先に、シャンバラ教導団のナイト、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が飛び出して先手を取ろうと、黄水龍に轟雷閃を放ったのだが、刹那に再びに黄水龍が氷矢の雨を放った為、轟雷閃は幾つかの氷矢を破壊するに留まり、その勢いにルカルカの体は飛ばされてしまっていた。
「エンプレス!!」
 ルカルカの事を女帝と呼ぶは、薔薇の学舎のバトラー、エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)である、エースは飛ばされたルカルカを空中で受け止めた。
「ありがとう、エース、助かったわ」
「気にするな。良い太刀だったぞ」
「当たらなければ意味ないけどね」
 小さな笑みを浮かべて、ルカルカは後方を見つめ見た。彼女のパートナーでウィザードのダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)は静しい顔をしてサンダーブラストを。ドラゴニュートのカルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)はドラゴンアーツでより強化した拳で撃ち砕き、英霊の夏侯 淵(かこう・えん)は複数の矢を同時に衝突させる事で威力を増加させて氷の矢を砕いていた。
「エース、ルカを助けてくれた事には感謝する、しかし。早く離れろ」
「あぁ、すまんダリル、そんなつもりじゃなかったんだ、本当だぜ」
 エースは慌ててルカルカの肩から手を離した。離して振り向いて黄水龍を見上げ見た瞬間、大きく目を見開かされた。
 黄水龍が突進してくるのだ見えたのである。その巨体で突かれたなら、ひとたまりもない。避けるしかない、それしかないのである。
「おぉ、迫りくる龍も猛々しい」
「言ってる場合か! 逃げろ!!」
 龍に見惚れていた淵をカルキノスが呼び、共に避けた。
 20メートルを超える黄水龍の巨体が双岩の一つを襲った。
 直撃を受けた双岩の片岩は、岩肉を破って外に飛び出してしまった。故にその片岩は上昇中の火ラメに直撃してしまったようであった。


 衝撃を感じて、教諭は大きくため息をついた。
「やられたねぇ。さすがだよ」
 向けられたのはフラッドボルグへ。ノーム教諭は火ラメに包まれた状態でありながら、外の状況が分かっているようだった。
 再封印を狙っていた。その対象となる青刀の双岩が破壊されては、再封印をしようにもそれは叶わなくなってしまったのだ。