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節分に鬼っ娘退治!?

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節分に鬼っ娘退治!?

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 秋葉 つかさ(あきば・つかさ)はアテナから連絡を受け、ツァンダの街で急ぎ福豆を購入し、地獄の門を開放しつつ魔銃に豆を装填し、空飛ぶ魔法で文字通りすっ飛んで遺跡に到着した。その目に映ったものは傷だらけのシズルがミーナの治療を受けている姿だった。

「あああああ!!!! シズル様!!!!! こんな傷だらけになって!!」

つかさは一気に逆上した。

「……ダレデスカコンナメニアワセタノハ」

牛頭にのっとられた美緒を見やる。

「……オマエカ……ケシカランムネハホロンデシマエー」

 作動した黒檀の砂時計で、スローモーションの世界となった場を、銃舞で華麗に周囲の小鬼や牛頭の剣戟を避けつつ一気に接近、シャープシューターで美緒の心臓に狙いをつける。魔弾の射手を今こそ使うときだ。

「フフフ……シンデクダサイマセ」

次の瞬間。

「待ちなさい、そのスイカはワタシのものよ」

レイナがすっと牛頭とつかさの間にサイズを差し入れた。

 すぐにエッツェルがレイスを召還する。独特の冷やりとした感覚がつかさを襲った。輝夜がその隙を突いてつかさにフラワシで攻撃を仕掛けた。つかさは素早く避ける。輝夜がにやりと笑った。

「やるわね」

「ちょっとやめてええええ! 誰か止めてええっ!!!」

 美緒の魔鎧、ラナ・リゼット(らな・りぜっと)が叫ぶ。シズルを治療していたミーナがエッツェルが何をしようとしているか気づき、エッツェルに向かって回復魔法を放った。

「あ、あ、なにしてるんですか〜! やめてくださいっ!」

丁度エンドレス・ナイトメアを放とうとしていたエッツェルはあわててそれを避けたが、はずみで狙いがそれた闇の雲が、レイナ、つかさ、輝夜を覆う。

「わああああああ!!!! 頭が痛いっ!!!!!」

割れるような頭痛が襲いかかり、3人は地面に倒れてのたうち回った。

「あ……悪い」

たたらを踏んだエッツェルはミーナが次に放った回復魔法を食らって昏倒したのだった。

 たまたま遺跡に訓練にやってきた鈴木 周(すずき・しゅう)は、入り口でアテナから美緒、瑛菜の危機を知らされた。

「女の子がピンチ?! すぐ行くぜっ!」

現場に急行した周が見たのは、グラマーな美少女が純白のビキニアーマーをまとい、色っぽい鬼っ娘と化した姿であった。その美少女が、モーモーとわめきながら、剣を振り回している。

「……おい、牛頭鬼」

地の底から響くような、力強い声で、周が牛頭に声をかけた。

「てめぇ……一体何をしてやがんだよ!!! そんな巨乳美少女の体を手に入れておきながら、口調の1つも作れてねぇとかありえねぇだろうがよ?!」
『な、何を言い出すんだモォ〜〜〜〜ン!』
「しかもだ!そんな素晴らしいデザインの鎧というコスプレ姿のサービス付だぜ?! もっとなりきれよ! ポーズとって、グラビア撮影とかよおおおお?!!!!」

 猛烈な勢いで力説する。一瞬固まった牛頭の手から、忍が剣を弾き飛ばした。我にかえった牛頭が、拳を握り締めその場に立っている周にパンチを見舞った。

『一昨日来やがれってんだ、モォ〜ン!』

景気良く吹っ飛びつつ、周は思った。

「あれ? ……俺、何しに来たんだっけ?」

 秋月 葵(あきづき・あおい)は、ツァンダの街にイングリット・ローゼンベルグ(いんぐりっと・ろーぜんべるぐ)と買い物に来ていた際にアテナから連絡を受けたのだった。

「美緒ちゃんに憑依した理由は……あの胸だからか……セクハラだ!?」

即時に福豆を購入してイングリットとともに現場に向かった。ほぼ同時に到着したメイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)が言う。

「豆まきでナラカ人を体から追い出すみたいですけどぉ、そう易々と当てさせてもらえるほど、楽な事ではないですよねぇ」

セシリア・ライト(せしりあ・らいと)が応えて言う。

「それもありますし……美緒さんのスタイルの良さに気をとられて攻撃が疎かになる人がいなければ良いけれど」
「美緒さん、憑依されているなら、普段出し切れていない実力も十二分に発揮できる状態でしょうしねぇ」

うんうん、とメイベルが頷く。
フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が、高らかに言い放った。

「どんなに不利であっても騎士として、女性を守るために戦う事こそ私の立脚点なのです」
「正義の魔法少女としてはセクハラ鬼は退治しなきゃ!!」

フィリッパの言葉に、葵が力をこめて同調する。

「そうです。女性に破廉恥な真似をするものは許せないのです!」
「あたしたち、同志ねっ!!」
「協力してやってまいりましょう!」

二人は意気投合した。