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リアクション
牛頭を制圧せよ
榊 朝斗(さかき・あさと)は買出しに来ていたところ、アテナから連絡を受けちび あさにゃん(ちび・あさにゃん)とともに現場に急行した。美緒が、金色の瞳と、二本の角を戴き、邪悪な笑みを浮かべて暴れている。
「うわぁ、本当に鬼になってる……ま、好き勝手にはやらせないよ……」
すぐ横で、ちびあさがトミーガン最終調整をしはじめた。
「って、ちびあさ? 何準備してるの?」
「にゃ〜〜〜」
「……えっ、豆を撃つので足止めしてくれ? 昨夜から何してるのかと思ったらそれを改造してたのか。 ってちょっとまって、それで豆まきをする気だったのか?! ……今は美緒さんをそれで撃つのか」
ちびあさがこくこくと頷く。
冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)はたまたま、崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)と一緒に遺跡近くまで来おり、事情を知って駆けつけたのだった。
「……面倒な事になってるようですね、御姉様」
亜璃珠は牛娘と化した美緒を見やっていった。
「ここは……やっぱりやるべきはマタドールかしら。ベルフラマントをカポーテ代わりにして牛頭鬼を挑発して、こちらへ突っ込ませたらどうかしら」
「かっとなりやすそうですしね」
小夜子も頷く。
「……おねーさん、ちょっといい?」
その会話を聞きつけた朝斗が、声をかける。
「闘牛みたいにするときに、ちびあさがね、いたずらを仕掛けてみたら、牛頭がカッカするだろうから効果的なんじゃないかって」
朝斗の横で、ちびあさがにんまりする。
「まあ、それはよいかもしれませんね」
亜璃珠が艶然と微笑む。
美緒がピンチと聞いて駆けつけたものの、ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)は困惑した表情を浮かべていた。
「お豆さんをぶつける日本のお話はよくわからないです。牛さんってきいたから赤いタオルを振ったらいいのかな?」
小夜子が言う。
「じゃあ、私と一緒に、ね?」
「ボクは白百合団として百合園の子はみんなまもりたいのです! がんばるです!」
亜璃珠と小夜子が微笑んだ。セシリアが、
「ヴァーナーちゃんが危ないといけないから、僕見てるね。ヴァーナーちゃん、元気良く掛け声をかけて、ちゃんと捕まらないよう逃げるんだよ」
「うん!!」
メイベルが声をかける。
「では私もはやし立てることにしますぅ。散開してやるのが良いですよねぇ」
「そうですね。目的が絞れないほうが、隙もできようというものですわ」
小夜子が応えた。
「私は行動予測で、牛頭鬼の動きに合わせてフラワシを操って、粘体のフラワシで牛頭鬼を絡み取れば、豆をぶつけるのに都合がよろしいかと」
宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)が言った。
「じゃあ、私は光学迷彩で姿を消して『鬼は外!福は内!』の掛け声をかけてかく乱するわ。見えないっていうのはパニックを誘発する。んで、動きが鈍ったら豆をぶつけるね」
「にゃん」
ちびあさが、自分も同じく拘束後は豆を掃射しまくるつもりだと、トミーガンを振り上げて応じた。
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