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リアクション
準備は整った。ゴール付近には観客を装い、豆まき担当と、拘束担当のメンバーが集っている。
「馬なら馬らしく走って白黒付けまショウ。競馬場と同じ3000m……は流石に無理なので500m走で勝負デス」
マガダに憑依されたローザマリアが声高に叫ぶ。その姿を目にした馬頭が叫ぶ。
『貴様は!!! カレー魔神じゃねえか!』
「カレー魔神……随分な言われようデスね。まぁ、本当の姿を見た者がいないので仕方ないのでしょうガ。地上へ何しにいらっしゃいましたカ」
『貴様こそ何でこんなところにいる!』
「余計なお世話、デース」
マガダが可愛らしく肩を竦める。
「……うゅ、スタートッ」
どこかしまらないエリシュカのスタートの掛け声が響く。ローザマリア/マガダは、スタートと同時にバーストダッシュを使用し大きくリードした。馬頭がむきになってその後を追う。
ひとたび走り出したミルディアの頭からは、牛頭のことは吹っ飛んだ。とにかくゴールを目指して走る。勝負する以上はスピードでは誰にも負けたくない!
「全速全開!勝負する以上は誰にだって負けたくないんだよ!」
マガダがむきになるミルディアに、併走しつつそっと囁く。
「ゴールは、馬頭がトップじゃないとまずいデス」
「あ、そっか……」
あわてて歩調をやや落としたのだった。
トップを走っていたローザマリア/マガダだったが、馬頭を罠にはめるべく、ゴール前でわざとその場に転んだ。その横を馬頭鬼が得意げに通り過ぎる。
『わはははは!! 俺様が1位だ!! ヒヒヒーーーーン!!!』
ゴールテープを切り、歩を緩めた馬頭を見て取り、ローザマリアが叫ぶ。
「今デス!」
掛け声を受け、唯斗がゴールした馬頭にすかさずアルティマ・トゥーレを放った。凍らせて動きを鈍らせられないか、というのだ。ルーツがそれにあわせ、サイコキネシスで動きを封じる手伝いしつつ、豆をぶつけるかどうか迷っていた。
「……確か『鬼は外、福は内』だよな?」
動きの鈍った馬頭を見て取ると、ローザマリア/マガダは華麗に一回転して、立ち上がりざまに豆を一掴み取り、。馬頭に向かって投げつけた。
「その身体も着てみたいので出て行きなサイ」
陽太は弾幕援護を活かし、豆まき担当のメンバーが狙いをつけやすいようにと、援護射撃的な行動に出ている。
近くに居る豆まき担当メンバーに、玲が丁寧に豆を手渡している。
「どうぞ、用意は整っております」
レオポルディナが遠慮がちに豆を投げつける。
「えーと…鬼は外ー! 福は内ー! ……痛いかな、だいじょぶかなぁ」
エリシアが皆が作り出した、敵の隙を好機として、ランスバレストを応用し、渾身の投擲を繰り出した。
「鬼は外、福は内ですわ!」
ゴール地点に菊やアテナと共に待機していたエリシュカも、ゴールして来た馬頭鬼に福豆を投げつけた。
「うゅ……鬼は〜〜〜〜外〜〜〜!」
菊もまた、意気揚々と走り込んで来た馬頭に思い切り福豆を投げつけた。
「おのれ物怪! 早々に瑛菜様の身体から去ね!」
ノーンは能天気な表情を浮かべ、幸せの歌」を歌いながら、豆を投げている。
「鬼は外〜! 福は内〜!! ラララ〜」
「ノーン……なんかそれ、ちょっと違う……けど、まあいいか」
陽太が苦笑いを浮かべた。
御弾とシュクシャインは楽しげに、力いっぱい落花生を投げつけていた。
「おりゃー瑛菜!!……じゃなくて馬頭鬼〜! 鬼は外!! 福は内ィ!!」
「鬼は外〜! 福は〜〜内」
リリィとマリィは、カチカチになった丸餅を投げつけていた。
「これ以上痛い目を見たく無かったら、いますぐ彼女たちの身体から退きなさい! 鬼は外ー! 鬼は外ですわ!」
「リリィ! もっとパワーブレスを! あんたはめでたさ要員なんだから。たまには僧侶らしく働きな」
「はい〜」
花琳は元気良く
「鬼は外ー! 福は内ー!」
と叫びながら豆を馬頭に向かって投げつけている。
鴉はすかさず馬頭の背後にまわり、チェインスマイトを応用して続けざまに豆を投げつけていた。
良い場所に陣取ったアスカは、瑛菜をデッサンしつつ、積んである豆をぽりぽりと頬張っている。
「皆頑張れ〜!! あ、そうだぁ、デッサンできたら元に戻った二人に見せてあげようっと。どんな反応するかしらねぇ?」
豆をぶつけられ、よろよろしだした馬頭に、流星のアンクレットで素早さを上げた鬼崎が、光学迷彩を作動させたまま馬頭鬼の後ろに回り込み、逮捕術で取り抑える。すかさずエリシアが馬頭を20メートルのロープで拘束した。
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