First Previous |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
Next Last
リアクション
ユノ・フェティダ(ゆの・ふぇてぃだ) レン・オズワルド(れん・おずわるど)
廊下を全力で走っていたら、自分が走っている理由も忘れかけてたんだ。
「三つ編みおさげの御嬢ちゃん、そんなに急いでどこへ行くの」
ふいに腕をつかまれて、あたしは急停止。
「お姉ちゃんは誰」
「わたしたちは、コリィベルの医療チームsolntseです。
あなた、外来さんね。
まずは、深呼吸してちょうだい。落ち着いて、リラックスして」
「リリちゃんたちが悪いやつらに」
「いいから。いいから。お話はきいてあげるから、わたしの質問にこたえて。ね」
大きなおめめのお姉ちゃんは、白衣を着ててお医者ちゃんみたいなの。
側にいるお仲間ちゃんたちも白衣で、みんな、武器をいっぱい持ってるんだ。
「脈拍が安定してきたわ。
一問めのクエスションよ。
げーむはお好き? お友達とのおしゃべりやお買い物と、○SやP○、スマートフォンなんかのげーむで遊んでいるのとどっちが好きかしら」
「あたしは、あたしの家、没落した貴族の黄薔薇家の再興を目指しているの。げーむをしてるヒマはないのよ」
「没落貴族の黄薔薇家は、あなたが想像したお話かな。本当にあるのかな」
「本当だよっ。黄薔薇家は、あたしの生まれ育った家よ」
「なるほど。あなたは没落貴族のお姫様なわけね。
姫様。身分証明書はお持ちでしょうか」
身分証明書。
あたし、いま、しなくちゃいけないことがあるのに。
「お姉ちゃん、あたしは、パートナーのリリちゃんとララちゃんを助けないといけないの。
フリッカちゃんとルイ姉ちゃんも。
セレマ団に捕まってどこかへ連れてかれちゃったんだよ。
アリーちゃんにダマされたんだ。
あたし、四人を探してるの。
早くみつけないと殺されちゃうかも」
「セレマ団というと、アリー・ベヨベヨ・セレマ・ウィッチクラフトの仲間たちね。
あの子たちは、だいぶ病気をこじらせてしまっているとは、かねがね思っていたけれど、他者にあきらかに危害を加えるようになっては、ごっこじゃすまされないわ」
白衣のお姉ちゃんの周囲の人たちも頷いてる。
「リリちゃんとは、リリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)だろ。
おまえは、オカルト探偵リリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)のパートナーだな。
俺は、冒険屋ギルドのレン・オズワルド(れん・おずわるど)。治療チームに同行させてもらって、コリィベル内の調査をしているところだ。
リリたちとは、マジェやノーマンがらみの事件で面識がある。
おまえの身元は、俺が保障しよう」
solntseの人たちと一緒にいたサングラスに赤いコートのレンちゃんは、口元にかすかに歪め、ほほ笑みかけてきたの。シブイお兄ちゃんだなー。
「俺は、ユノとリリたちを探す。
行こうか」
「うん。でも、どこに行けばいいのかわかんなくて」
レンちゃんは優しいけど、あたし、どうすればいいのかわかんないんだよね。
さっきは、とりあえず走ってみただけで。状況は変わってないし。
「solntseもセレマ団に会いに行きます。
本人たちが嫌がったとしても、強制的にでも治療が必要なようね。
世界を変革したい病は、完治のためには別の人になってもらわないといけない重病よ。
彼女たちの居場所は、だいたい見当がつくわ。
こっちよ」
あたしはレンちゃん、solntseちゃんたちとリリちゃんを助けにむかったんだ。
First Previous |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
Next Last