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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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【第二話】激闘! ツァンダ上空

リアクション

 一方、アルクラント・ジェニアス(あるくらんと・じぇにあす)ワールド・ファイン・ラインをともに操縦するシルフィア・レーン(しるふぃあ・れーん)と言葉を交わしていた。
「まずは少しでも奴らについての情報が欲しい。教導団の……ルカに連絡をとってみた。以前の話からして、十分な権限は持っているはずだからな。そのおかげで、前回の交戦時に得られたデータを提供してもらえたよ」
 工場の残骸を遮蔽物として身を守りながら、前回の戦闘データを閲覧していたアルクラントは青ざめた様子で告げた。
「遮蔽よりも距離を取ることを優先しよう、シルフィア。どうやら、前回の戦闘でも遮蔽を取ったようだが、あのプラズマライフルに遮蔽物ごと蒸発させられかけたそうだからね」
 アルクラントがそう告げると、操縦を担当しているシルフィアが素早く機体を歩かせ、遮蔽物の前から更に後方へと歩いていく。
 十分に距離を取れたと思える所まで後退すると、シルフィアは改めて機体に射撃体勢を取らせ、自分に言い聞かせるようにゆっくりと口を開く。
「さて、基本に忠実に、援護主体で、動くとしますか。普段は接近戦ばっかりだから感覚が違うけど……照準とかはアル君がやってくれるって言うし、操縦することに専念しないと」
 自分に言い聞かせるようにシルフィアが言い終えると、アルクラントが彼女に声をかける。
「戦力差は大きい。救援が来るまでで持ちこたえることを第一に……」
 落ち着き払った様子の二人はしばし無言になる。ややあって先に口を開いたのはシルフィアだ。
「確かに戦力差は大きい。だから援護主体って言っても……目の前にやられそうな人や建物があるなら。それを護るために何をすればいいのか――
護ることって、大変だよね」
 静かに呟かれたその一言からしばらく置いた後。アルクラントも静かに呟く。
「いや、そうだな、シルフィア。私たちが一番やらなければならないことは、何か。君は君のするべき事をすればいい。きっと、私の考えていることも同じだよ。後は、私達の素敵な友人たちに望みを託すことにしよう……」
 決意を込めて二人がそう口にした直後、彼等の愛機――ワールド・ファイン・ラインは手にしたビームアサルトライフルを斜め頭上に向けて連射する。
 たとえ時間稼ぎに過ぎないとしても、それでも、その稼いだ時間によって一人でも多く、一つでも多く護ることができるなら――。
 アルクラントとシルフィアの二人はただ、それを信じてフリューゲルと戦い続ける。