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パラミタ・ビューティー・コンテスト2

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小鳥遊美羽

 
 
『エントリーナンバー7番は、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)さんです』
みんな、見ててね
 シャレード・ムーンに呼ばれて、西ロイヤルガード制服姿の小鳥遊美羽が光の精霊たちを連れて現れた。特注蒼空学園新制服の上に、赤い縁取りの西ロイヤルガートのコートを羽織っている。衣装としてはベアトリーチェ・アイブリンガーやコハク・ソーロッドたちと色違いのお揃いだが、スカートはベアトリーチェ・アイブリンガーよりもかなり短い。緑の長髪は、黄色いリボンでツインテールにしている。
元気だして行こー
 元気よく、小鳥遊美羽がスキップしながら花道を進んで行った。その周りを、光精の指輪から呼び出した光の精霊たちがふわふわと飛び回って小鳥遊美羽の姿を明るく照らす。
 翻るロイヤルガードコートの裾から、均整のとれた美脚を覗かせながら小鳥遊美羽が花道を走り抜けていった。
「ああ、いつにも増して綺麗な脚ですね。はっ、コハクさん」
 小鳥遊美羽の美脚に見とれていたベアトリーチェ・アイブリンガーが、あわててコハク・ソーロッドの方を振りむいた。また血の海になっているのではないのだろうか。
「だ、大丈夫。美羽のガードは完璧だから」
 軽く鼻頭を押さえつつも、コハク・ソーロッドが答えた。
 花道の端に達した小鳥遊美羽が、軽くジャンプしつつクルリと回転する。遠心力で、ツインテールとコートとスカートが、大きく広がって弧を描いた。だが、飛び交う光の精霊によって、スカートの部分に突如走った謎の光によって、スカートの中身は衆目から鉄壁にブロックされている。
「これは、謎すぎるであります」
 花道を戻る小鳥遊美羽をじっと見つめながら、チラリもないそのミニスカート姿に大洞剛太郎が少し困惑する。これは、大洞剛太郎がコーディリア・ブラウンに伝授した究極のチラリと似て非なる物だ。
「うまい光の使い方だな。何かに応用できないだろうか」
 訓練のたまものではないかと、源鉄心が光の聖霊たちの方に興味を持ってその動きを見守った。
「みんなー、ありがとー」
 ステージに戻った小鳥遊美羽が、光の精霊たちと踊りながら歌を披露し始めた。
「これは楽しい」
 ちょっとしたショーとなったステージを見て、コア・ハーティオンが楽しそうに言った。
「精霊さんたちが可愛いですわ」
「しかし、なんともちょっと微妙というか、不思議な感じがするのはなんででしょうか」
 ニコニコと精霊たちの踊りを見ているユーリカ・アスゲージに非不未予異無亡病近遠が言った。健康的なお色気といえばいいのかもしれないが、いろいろとギリギリ寸止めされているような気がする。
「まあ、ギリギリ下品ではない、今風のアイドルといったところでしょうか」
「そうでございますね」
 ちょっと判断しかねるように、イグナ・スプリントとアルティア・シールアムも言う。どうも、男子と女子の感覚には、微妙なずれがあるらしい。
「あの自信、いったいどこからきているのじゃろうか」
「そんなことはいいから、光の精霊が邪魔……いてっ」
 不穏当な発言をするアキラ・セイルーンが、ポカリとルシェイメア・フローズンに叩かれた。
『小鳥遊美羽さんでした。では、審査員の方々、今のパフォーマンス他はいかがだったでしょうか』
『きらびやかで、まぶしかったですわ』
『まあ、そんなところかなあ〜』
 シャレード・ムーンに聞かれて、エリシア・ボックと不動煙が答えた。