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リアクション
「潜入成功――!」
ミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)はラヴダンボールから飛び出し、早々に20階のセキュリティーゲートへと到着した。流石ダンボール装着時の速度アップはタイムアタックの必須スキル。
「これが上階に行くためのゲートね。センサーチェックが厳しいってことだけど」
「この先にアリサさんが?」
同じダンボールの後方担当だった榊 朝斗(さかき・あさと)がそう訊くと、アサトが「恐らくな」と囁く。
アリサ:高い場所にある部屋です。それ以上はよくわかりません
「とにかく屍を上へってことね」
「キルゼムオールで」
ルシェン・グライシス(るしぇん・ぐらいしす)、アイビス・エメラルド(あいびす・えめらるど)の発言が物騒です。
「まあまあ、ちょっと待ってね」
ミルディアはセキュリティーパネルの側面を外し、基盤に有線で【ヴァジュラ電気のノートパソコン】を繋ぐ。
「生体感知とかID認証とか基盤を直接壊してしまえばどうにでもなるよね!」
ポチッと、ハッキングコード起動。システマティックに認証条件を書き換える。しかし、
ビ――――――! ビ――――――! ビ――――――!
耳を劈く警報音をゲートが発する。
「*おっと、アラート!*」
「そんなウィズ的なこと言って誤魔化さないでくださいミルディアさん!」
朝斗が突っ込むやいなや、警備サイボーグに囲まれる。
「侵入者を発見、これより排除する。博士の指示に従い殺せ」
生け捕りとかそういうことはないらしく、近接武器を構える。緑色の刀身が迫る。
「どうする? どうする!?」
「朝斗、慌てないでください」
アイビスがふためく彼を宥める。
「そうそうこういう時は、冷静に……」
《歴戦の武術》、ルシェンがレーザー刀を躱しサイボーグの頭を殴り飛ばす。
アイビスも【レゾナント・アームズ】でサイボーグを捕獲、壁に埋め込む。
「見敵必殺」
「サーチアンドデストロイ」
ここに物騒な女性がいます。
「おかしいよね!? 見つかったの僕らの方だし、どう見てもピンチだよ!?」
後ろは閉まっているゲートで袋小路。前方にはなんか色々環境にに悪い粒子を発する武器を持ったサイボーグ。たしかにそうとも言えなくもない。ルシェンとアイビスが容赦なくサイボーグの体を凍らせたりバラしたりしているからどっちが悪者なのか。
焦る朝斗は置いておいて、ミルディアは壁に埋まったサイボーグを「よいしょ」と抜き取り、ゲートの感知エリアへと投げた。
ピ――――、と甲高い音の後カシャリとゲートが開いた。
「アラートを態と鳴らして警備を呼ぶ。警備ならもしものためにある程度のセキュリティークリアランスくらいあるでしょ。そいつを使ってロック解除。なんて完璧なあたしの《情報撹乱》!」
「絶対嘘ですよね! 偶然ですよね! コジツケですよね!?」
「よくやったわ。ミルディアちゃん。あとで猫耳メイドあさにゃんの特別ご奉仕券あげる」
「ルシェン勝手に変な約束しないで!」
「先を急ぎましょう。この先もまだ敵はいるでしょう。か弱い女性を拉致して実験しようとする輩はMINAGOROSHIです」
アイビスはアリサが拉致られたことに相当ご立腹のようです。
アサト:おんなこぇ……
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