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リアクション
第7章 ああ、どうやら(100%は)駄目だったようだよ(ネタバレ)
「……僅かに減りました。減りましたがまだ許容範囲です! いいですね! これ以上! これ以上はお願いしますよ!」
最早視聴率に関してしか話さなくなってきた阿部P。
標的戦、最後に残ったのは翼。それに対し名乗りを上げたのはセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)、佐那、玄秀とティアンであった。
色々肉片やら血液やらを綺麗にしたリングに上がった翼に対し、先に上がったのはセレンフィリティであった。
「ナラカのテレビに出るなんてめったにある話じゃないしね、色々はっちゃけさせてもらうわよ」
笑みを浮かべながらも身構えるセレンフィリティ。
「こっちも簡単にやられるわけにはいかないんで」
それに対し真剣な面持ちで身構える翼。
両者見合った状態で、先に動いたのはセレンフィリティであった。【光術】を放ち翼の視力を奪おうと試みたのである。
「さーて先手は頂いたわよ!」
そのまま距離を詰め、ボディブローを放つ。が、
「流石に他の人もやってるんでその手は食いませんよ!」
セレンフィリティのボディブローを防ぐと、翼は飛びあがり両足を肩にかける。このままフランケンシュタイナーで投げるつもりか。
「こっちもそう簡単にはいかないわよっと!」
セレンフィリティが肩にかけられた両足を跳ねのける。その勢いを利用し、翼は宙を回転して着地する。
「今度こそ頂きィッ!」
着地した瞬間を狙い、セレンフィリティが両足タックルで押し倒す。タイミング的に回避が出来なかった翼は押し倒され、マウントを取られる。
「さーって、いくわよぉー……無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁッ!!!」
顔面を狙い、セレンフィリティがパウンドを放つ。それを翼は両手で防ぐが、ガードすら突き破ると言わんばかりのセレンフィリティのパウンドのラッシュに防ぎきれず顔面を殴打される。切れたのか、口元や鼻から血が流れ出す。
それでもガードし続ける翼の腕が赤黒く腫れ出した頃、その腕をセレンフィリティが掴むと、腕十字に移行する。肘の関節が軋み、翼の口から苦悶の声が漏れる。
「……っくぅ!」
激痛を堪えつつ、セレンフィリティを押し潰し拘束を解こうと体を起こす翼。だがそれを狙っていたかのようにセレンフィリティは隠し持っていた凶器で頭を殴った。
その一撃でほぼ意識を失っていた翼であったが、
「おっと、まだ終わりじゃないわよ。最後はコイツで決めるわよ!」
セレンフィリティは無理矢理引き起こすと、首を脇に抱えブレーンバスターで持ち上げる。
「さぁ、トドメぇッ!」
翼の天地を逆転させ、真っ逆さまに頭から落とす。垂直落下式を食らった翼は起き上がる事が出来ず、その横でセレンフィリティが余裕の勝ち名乗りを挙げていた。
先手こそ逃したものの、容赦のないマウントからの暴力は視聴者にもウケが良かったようである。
「色々はっちゃけられたのは良かったけどねー。でも、もうちょっと相手を剥いだりしたかったなーその辺りが心残りね」
戦いを終え、拳を血に染めたセレンフィリティが笑みを浮かべ発言した姿なども合わさり、視聴率は再度100%まで上昇したのであった。
結果的に標的の攻撃を一切受けず、一方的な暴力で勝利したセレンフィリティには200P、更に視聴率上昇につなげた為更に100P、計300Pが追加されたのであった。
※現在視聴率100%
セレンフィリティ・シャーレット 200P→500P
視聴率が再度100%となり、この勢いのまま行けば……と思ったが、残念ながらそううまくいかないのは何処も同じようである。
翼のダメージが回復し再開したところで次にリングへと上がったのは佐那。本来は清正、氏郷に担がれた揺り椅子に乗って移動するのだが、もう2人とも復活出来ない為自らの足で移動している。
「Mary had a little lamb♪ Everywhere that Mary went♪」と口ずさみながら、手にパイプ椅子のような物を持ちリングへと上がってくる。
何やらただならぬ雰囲気に気圧されると、佐那に正面から突然抱きつかれる様な形になる。が、そのまま体重をかけられ後ろにのけ反らされると、佐那は掌を顎に添え投げキスのような仕草を見せる。
そして佐那は勢いよく後ろに倒れ込み、翼の顔面を強打させる。スインギングリバースSTO、シェルショックやシスターアビゲイルと呼ばれる技である。
顔面をしこたま打ち付け、痛みに顔を押さえる翼に、今度は佐那はロープを使い助走をつけると高々と飛びあがり、膝を叩きこむブラックアウトを狙おうとする。
だが翼はそれを避けると、飛びついてのDDTで佐那の頭をリングに叩きつけた。
起き上がった佐那は、翼をコーナーに押し付けてから腕を取り振り回しながら再度シスターアビゲイルを狙うも、今度はその勢いを逆に利用し飛び付きの十字固めで佐那の後頭部を叩きつけた。
それに対し、佐那は起き上がると翼の頭をヘッドロックで抱える。するとその場で2回回転し、その勢いで足を捉えレッグロックに移行するタイガースピンを仕掛けた。足を絞り上げ、機動力低下を狙ったのだろうか。
絞め上げ、ダメージを与えると再度佐那はブラックアウトを狙う。助走を着け、高々と飛び上がる佐那。しかし膝の着地点に翼はいない。
起き上がった佐那の背後に翼は回り込むと、そのまま飛び付きリバースのフランケンシュタイナーで頭をリングに叩きつける。これが効いたのか、打ち所が悪かったのか、佐那は大の字になり起き上がることなくエレナに引き摺られてリングを降り、病院送りとなったのである。
最後に挑むことになったのは玄秀とティアンであった。ティアンはともかく、前哨戦で活躍を見せた玄秀には期待が寄せられたが、残念な事にこちらも空回りで終わる結果になってしまった。
玄秀は最初、翼に対し【十二天護法剣】を使い結界を展開し動きを止めようと試みた。だが結界が展開する前に距離を詰められ、ソバットを鳩尾に叩きこまれてしまう。
「やっぱりそう簡単にはいかせてくれませんか……ならば!」
玄秀はそのまま【十二天護法剣】で叩き伏せようとする。真剣でなく、木剣ではあるが当たればダメージは軽くはない。
だがデスマッチで凶器ありの試合に慣れているせいか、翼はその太刀筋を見極め躱すと飛びつき、勢いで旋回しつつ玄秀の頭を後ろから押さえつけるとリングに顔面から叩きつけた。
その後、顔面を抑えつつ玄秀は【闇洞術『玄武』】を狙ったり、【影に潜むもの】を嗾けたりするもすかってしまう。
「……仕方ない。ティア!」
玄秀がティアンを呼びつける。狙いは【スパイラルブラスト】だ。大技で一気に決着を着けようというのだろう。
だがティアンが駆けつける前に、翼は狙っていた。飛びつき、玄秀の頭を抱えるとそのまま体重をかけDDTでリングに叩きつける。
「よくもシュウを! こっちもやらせてもらうわよ! いい加減憂さ晴らしさせなさい!」
駆け付けたティアンも意気揚々と挑むが、残念ながら結果は御察しの通りである。
前哨戦同様、華麗な技を放つものの見事空かされ、殆ど返されてしまう。唯一通った物が【プロボーク】による挑発。追い打ちをかけようとする動きを止める事には成功した。
「これで一気に決めさせてもらうわよ!」
ティアンが動きを止めた所で【ソードプレイ】を仕掛ける。が、これも事を急いだせいか、あっさりと躱されてしまう。逆にティアンが体勢を崩したところで、翼はロープを使い飛びついてのフランケンシュタイナーを仕掛け、頭を強打させる。
結果、この一撃が致命傷となり、ティアンは大の字になり動かなくなった。前哨戦と違い服が大破状態にならなかったのは救いか……と思ったがリングから下ろされる際に服が引っ掛かり破れるというハプニングがあったりなかったりしたそうである。
この結果、視聴率は大幅に下がる事となってしまった。敗北続きもあるが、玄秀の前哨戦での活躍が嘘のような結果になってしまったのもあるようである。
視聴率は20%低下して80%。一撃も入れる事が出来なかった玄秀は更に100Pマイナスとなった。
ティアンに関しては攻撃自体通っていないが挑発は成功した、等色々物議をかもしたが、そもそもが復活する為のポイントが足りないという事に気付きこのままリタイアとなったのである。
※現在視聴率80%
富永佐那 100P→50P(死亡一回目)
高月玄秀 550P→400P(死亡一回目)
リタイア
ティアン・メイ
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