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第9章 特典:番組を終えて

「はい、皆さんお疲れ様でしたー」
 番組が終わり、参加者一同を控室に集めて阿部Pが笑みを見せる。
「いやー一時期はどうなるかと思いましたが、最終的に90%と中々の数字で終わる事が出来て一安心ですよ。これで私も上から焼き土下座を要求されずに済みます」
 中々ナラカテレビもブラックな企業であるようだ。
「所で、我々の報酬は何でありますか?」
 丈二が阿部Pに問いかける。中から「その辺り確かに聞いてなかった」との声が上がりだす。
「報酬ですか? 幾何かのギャラと経験が入りますよ」
 おお、メタいメタい。「それだけかよ」という空気が参加者から漂う。
「まあまあ、いい経験にもなったと思いますし許してくださいよ。番組終わって無償で皆さん治療したんですから」
 宥める様に阿部Pが言う。確かに終わった後、参加者全員治療を受け番組開始前と同じになっている。死亡した者もしっかりと復活している。
「それではまた皆さん、機会があったら声かけますんでその際は宜しくお願いしますねー。あ、お帰りはあちらになりますよー」
 そう言って阿部Pが帰り道となる扉を指さす。参加者達が疲れた表情で扉を開けると、

『え゛』

そこは、床が無い穴であった。
 叫び声を上げる暇もなく参加者たちは落下した――と思った直後、

『……はぁ』

見覚えのある場所が目に入る。それは自分達がスカウトされた場所だった。
 その事に少し戸惑ったが、やがて皆『帰るか』と誰からともなく解散の流れになる。
 一体ナラカテレビとは何だったのか、という疑問も残るが、深く考えないようにする。皆よく訓練されていた契約者だから。

「さて、皆帰したしこれでやっと終わりですか……いやー良かったー90%で終わってー」
 全員が穴に落ちたのを見届け、阿部Pは安堵の息を吐く。
「ふぅむ、しかし地上の者達を使うというのも悪くないですね。次も何かあったらお願いしてもいいかもしれませんね……」
 阿部Pは一人、誰もいない控室で呟く。
「……それにしても、少し気がかりですね」
 ふと、何かを思い出したように阿部Pは呟いた。
「天野空さんにエルさん……あの2人、これから近い未来になーんか面倒な事に巻き込まれそうな感じがするんですよねぇ……後天野翼さんと和泉空さんもこちらは近いうちに…‥いやあくまでも勘なんですがね」
 そう呟くと、阿部Pは一人笑みを浮かべる。
「……止めましょう。確かに面倒事が何か気になりますが、私には関係のない事です。さーて、次の【キリングタイム】はいつになる事やら」

 阿部Pの独り言はあくまで勘である。空とエルに何か面倒事が起きる、という勘は当たるかどうか、実際に起こってみないと解らない。
 だが、翼と泉空の方はどうやら当たったようである。

――地上に戻った二人が、新聞で『プロレスリングHC、解散!?』という記事を見るのは、このもう少し後である。

担当マスターより

▼担当マスター

高久 高久

▼マスターコメント

 御参加頂いた皆様お疲れ様でした。今回担当した高久高久でございます。
 新年早々お待たせしまして申し訳ありませんでした。
 さて今回はちょっと特殊なシナリオでしたが、皆様如何だったでしょうか?
 少しでも笑って頂けたのであれば幸いです。

 今回ガイドもミスが多く、反省点の多い結果となってしまいました。
 以後このような事が無いよう努めていこうと思います。
 リアクションも判定ミス……はないと思います。思いますが見つけたらそっと見ない優しさを見せてください。

 詳しい内容に関してはマスターページにて後程記載させていただきます。
 それではまた御一緒する事がございましたらよろしくお願いいたします。

 今回NPCの戦術は以下の通りです。

 天野翼【打】【投】【極】【投】【投】
 和泉空【極】【極】【投】【投】【極】
 エル【投】【打】【極】【打】【投】
 根暗モーフ【打】【打】【投】【投】【極】
 ザ=コ【打】【打】【投】【投】【打】
 天野空【打】【極】【投】【打】【打】