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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

リアクション

 第3章 本気のバトル

■□■1■□■ 雪原の戦闘

雪原にて。

槍を持った桜田門 凱(さくらだもん・がい)は、
パートナーがいなくなったのに気付いて舌打ちする。
「チッ、ヤードの奴、こんな広い場所で逃げやがって。
あとで半殺しにしてやる」
ヤード・スコットランド(やーど・すこっとらんど)は、
小悪党然とした凱の性格に耐えられず、
ポータラカに亡命したいと考えて、
バトルロイヤルのフィールドから脱出しようとしていたのだった。

★☆★

そのころ、天空寺 鬼羅(てんくうじ・きら)は、ショートソードを掲げて戦う気満々だった。
「あっはっはっは! 鬼羅星!」
謎の挨拶を、どこにいるのかわからないポータラカ人に向かってする。
「なんだかよくわからねーが戦って最強になればいいんだな?
くっくっく! よーしやってやるぜ!」
戦闘狂なので、この状況を思いっきり楽しんでる鬼羅だったが。
「やってください、悪路王」
「しかたない、承知した」
天空寺 サキ(てんくうじ・さき)は、
妖甲 悪路王(ようこう・あくろおう)に氷術を使わせる。
「あが!!」
鬼羅は、その場で氷漬けになり、放置された。
「サキが最強になるのです。ふふふふ。
敵を倒すのは鬼羅ちゃんではなく、サキなのです!」
「はぁ……我はなぜサキの手伝いなぞしておるのだろうか」
まさかパートナーに不意打ちされるとは思わなかった鬼羅だったが、
サキと悪路王は敵を倒すため、一緒に行動する。

★☆★

「ハアハア、はやく針葉樹林の中に逃げ込んでしまえバ……」
そこに、ヤードが走ってくる。
「今です、悪路王、石を設置するのです!」
「承知した」
サキが、トラッパー、博識と、心理学を使い、
悪路王がサイコキネシスで敵の足元に拾ってきた石を設置するという作戦であった。
適当に石を置くより成功率が高い程度だが、
相手が転ぶかどうかは運次第だったのだが。
「ウワアッ!?」
早く凱の魔の手から逃れたいと思っていたヤードは、石につまずいて転んだ。

「ふふふふふ、サキ達が相手なのです!」
「や、やめてクダサイ! ワタシは戦うつもりはないヨ!」
「え、そうなんですか?」
サキとヤードが会話していると。
「おらあああああ!
槍で貫いてやるぜええええ!」
隠れ身で隠れていた凱が後ろから襲い掛かってきた。
「むむっ、卑怯な」
悪路王が、氷術で応戦する。
「こういう作戦だったんですか!?」
「ち、違いマス!」
サキにヤードが慌てて首を振る。
ヤードには戦意がなかったため、サキと悪路王は協力して凱を倒す。
「念のため、氷漬けにしておきましょう」
「うむ。悪く思わないでくれ」
「ひ、ひどいヨー!」
サキと悪路王はヤードも氷漬けにした。

その瞬間。

バーストダッシュで接近してきた
魏 恵琳(うぇい・へりむ)が、グレートニャッツでサキと悪路王を強襲する。
「少人数戦闘とは言っても軍人が一般人に負けてはいられないわ!」
「きゃあああ!?」
「無念……」
サキと悪路王は脱落した。
戦っている最中の者がいたら、
疲弊するのを待って、バーストダッシュで有利な方を強襲して倒してから
弱い方を倒すというのが、恵琳の戦術だった。
今回は、勝負がついてからだったが、相手を疲れさせるという作戦は成功していた。
(金団長……。
この戦いに勝利して、立派な軍人になってみせます!)
金 鋭峰(じん・るいふぉん)に憧れを抱いている恵琳は思う。
この戦いでは、急所攻撃や目くらましなど、
卑怯と言われる戦術も厭わず、生き残ることを目指すというのが、恵琳の作戦であった。
その時、恵琳がグレートニャッツにかけていた禁猟区が反応する。
「敵!?」
恵琳が振り向いた時には、九条 風天(くじょう・ふうてん)が首に手刀を食らわそうとしていた。
「素手では無理ですね。
なら……」
風天は、モーニングスターを振るう。
「くっ!?」
恵琳はグレートニャッツでモーニングスターを弾き返す。
しかし。
「殿のため、特別な光条兵器を手に入れたいのです!」
坂崎 今宵(さかざき・こよい)が、後ろから襲い掛かり、
恵琳にモーニングスターを振るった。
「うっ……」
地面に倒れる恵琳を見て、風天はつぶやく。
「悪く思わないでくださいね。
今宵の頼みですので、ボクも優勝を目指しているのです。
……モーニングスターなら、頭部に当たらなければ、死ぬことはないでしょう」
「おそらく、骨が折れてしばらく動くことができなくなります!
これで、一歩、優勝に近づけましたね!」
「うっ……」
喜ぶ今宵に、風天は良心の痛みを感じる。
「殿のお役にたちたいのです!
なにより、もっと出番が欲しいです!
家でゴロゴロしてるダメ英霊みたいになるなんて
私とても耐えられません!」
などとすごい迫力で言われて、参戦した風天だが、
もともと優しく真面目な性格なので、良心が切腹しまくってる音がさっきから聞こえている。
(今回ばかりはいつも家事とか面倒な事を頑張ってくれている
今宵の為です、耐えねば……ううっ)
「……この武器が誰かの手に渡ると危険ですね。
破壊しましょう」
「承知いたしました、殿!」
気を取り直した風天は、今宵と協力して、
モーニングスターでグレートニャッツを破壊するのであった。