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地に眠るは忘れし艦 ~大界征くは幻の艦(第2回/全3回)

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地に眠るは忘れし艦 ~大界征くは幻の艦(第2回/全3回)

リアクション

 
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「この状態はまずいな。こんなときこそ、イコンの覚醒を使うべきだ」
 そう確信すると、桐ヶ谷煉が許可をとるために、コリマ・ユカギール(こりま・ゆかぎーる)にコンタクトをとろうとした。だが、さすがにニルヴァーナからではテレパシーも通じようがない。通信手段としては、再廻の大地のゲートに連絡して、ゴアドー島のゲートを介して天御柱学院まで連絡するしかない。
 だが、ゲートの方でも事件が起こっていた。
「突然、パラミタと連絡が取れなくなったんだな。ゲート自体も、使えなくなったって言ってるんだな」
 ブラックバードを通じて桐ヶ谷煉の連絡を受け取ったブルタ・バルチャが答えた。先ほどから、突然ゴアドー島のゲートとの超空間通信が不通になったというのだ。再廻の大地のゲートでも、むこうで何が起こったのかと大騒ぎになっている。状況から考えて、敵の攻撃があったのではないかと想定されたからだ。
 すぐに、別の方法として、ニルヴァーナ創世学園から最初の回廊を通して月基地へと連絡が行った。だが、月基地からパラミタへの連絡が取れない。先のスキッドブラッドによる攻撃で、アトラスの傷跡にある宇宙港の通信アンテナが破壊されたままであるからだ。
 そのころ、ゴアドー島でも同様の事態となって、大騒ぎとなっていた。
「ニルヴァーナと連絡が取れなくなった!?」
『そうなんです。とりあえず今大騒ぎで。理由は調査中……』
 ソア・ウェンボリスから連絡を受けたリネン・エルフトが、アイランド・イーリの中で叫んだ。
 それどころか、ゴアドー島のゲートは、突如回廊内にあるはずの回転部分が顕わになった。もちろん、官制室でコントロールしたわけではない。そして、すぐにまた、元のように回転部分が空間に穴を開けて見えなくなる。
「すぐに、この状況を各地へ伝達だよ。イーリは、戦闘態勢で待機!」
 ヘイリー・ウェイクが、即座に指示を飛ばした。
 ゴアドー島のゲート官制室の分析では、ゴアドー島のゲートがヴィムクティ回廊ではなく、別の回廊に繋がっているのではないかということであった。そのため、再廻の大地のゲートとは完全に分断された形になっている。官制室のコンソールには、『ヴィモークシャ』という文字が浮かびあがっていた。
 
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「ゲートへの攻撃は中止しろ。効率が悪すぎる。それに、破壊した場合、他のゲートに与える影響が未知数だ。ゲートに進入しようとするヴィマーナに攻撃を集中しろ。一隻でもゲートに入るヴィマーナを減らすのだ!」
 グレン・ドミトリーが、全艦隊に命令した。
 
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「始まってしまったようだな」
 HMS・テメレーアのブリッジで、グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダーがつぶやいた。
「少し出遅れましたな」
 残念そうにホレーショ・ネルソンが言う。
 艦橋から見える前方には、遠くに浮かぶ巨大なゲートと防壁が見え始めている。その近くで、砲撃による物らしい爆炎があがっていた。
「伊勢、土佐、シュヴァルツガイスト、アルザス、アストロラーベ号、作戦空域に到着しつつあります」
 ローザマリア・クライツァールが、レーダーを確認しながら報告した。
「到着後、フォーメーションを組み直す。全艦一級戦闘配置。テメレーア最大船速!」
 
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「ゴアドー島で動きがありました」
 ナグルファルの司令室では、要塞指令が部下から報告を受けていた。
「始まったな。ヴィマーナの出迎えを発進させろ。空京を落とすぞ!」
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 
 艦隊戦キャンペーン、第2回をお届けします。
 しかし、なんでまたこんなボリュームに。そこそこの厚さの文庫本の内容量になってます。
 まあ、しかも、情報量が半端ない。資料あわせが一番大変でした。他のマスターや基本の設定をちゃんと使うのは、結構大変です。まあ、その上でかなりこちらで作った設定がありますが。ゲート関係は、すべてこちらで起こしていますので、他マスターのシナリオでは多少差異が出るかもしれないと思ってください。汎用ヴィマーナ艦の設定も同様です。
 なお、ヴィマーナ艦が使えなくなったためにニルヴァーナ脱出ができなくなったのではありませんので誤解なきように。宇宙港の全滅と、ニルヴァーナ滅亡はほぼ関係ありません。単にそういう計画してるグループがあったけれど失敗しちゃった、てへっ、ぐらいの感じです。
 それにしても、今回も寄り道は多いですね。肝心の遺跡に辿り着くのが大変だったこと。あまりより道過ぎるのは感心しませんが、しっかりとそれなりの影響は出ていますので、無関係なシーンはぼないです。
 ただ、いろいろと出してあったヒントを甘く見ていたのか、特に艦の大きさや、利用できる組織の制限、各都市間の距離に引っ掛かって不利になった人が多々出ています。
 次回は、ヴィモークシャ回廊でのデスファイトがメインとなります。極限の限定空間での逃げ場のない艦隊戦です。特に、疑似シャドウレイヤー空間となり、艦船か純粋な第二世代以降でなければほぼ飛行不可になりますので今のうちに対策を練ってください。イコンホースやブースターや第二世代相当も不可ですので、ジェファルコン、ブルースロート、プラヴァーとそのバリエーションと進化機のみしか飛行不可能になります。後のイコンは、艦艇上で艦船や敵イコンと戦います。
 回廊外では、行動制限はありません。正確には、母艦周辺のみが影響エリアです。
 また、即時変形するか、パーツを捨てない限り巨大艦はゲートの突入はできませんので対策を考えておいてください。ちまちま取り外している時間はありません。あるいは、ゲート外戦闘に徹するかです。
 パラミタ残留組は、事態をまったく知りませんので、プレイヤー情報で動くと墓穴を掘りますから注意して作戦を考えてください。こちらの動きは、かなり重要となるかもしれません。
 また、時間軸は10月ですので、ニルヴァーナ開拓で11月に完成した施設やスキルは、本来は使用できません。第三世代機も、配布はまだですね。そのへんは、矛盾しますが、アイテムやイコンはある程度は制限しないでスルーする予定です。
 ちなみに、ヴィマーナ側は「艦隊特攻で半数は沈めるつもりだ」ぐらいやりかねませんので、頑張って生き残ってください。結構本気です。今のうちに、壊すところを決めといていろいろ仕込んでおくといいかもしれません。いろいろ分割できるとか。
 本気艦隊戦は「ブルーストリーム」以来だなあ。こっちは、スーパー戦艦が多いんで、ど派手にいきたいところですが。
 さらに、設定では、今までのシナリオがすべて複雑に関係しているという情報がちらほらと。すべては、終了後やもう一つのキャンペーンで全容が分かるかと。そのへんはまた別のお楽しみと言うことで……。
 次回は、扉絵の都合で、予定と違ってちょっと間隔があくかもしれません。
 では、また次回、最終回でお会いしましょう。
 
 口調修正、語句の統一、リンク修正をしました。