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サンタクロース、しませんか?

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第13章 12月26日


 真夜中のイルミンスール魔法学校では、
「ぅう〜〜〜さむい〜〜〜」
 玲奈が、如月 葵(きさらぎ・あおい)の背で、寒さに震えていた。
「自業自得です」
 レーヴェ・アストレイ(れーう゛ぇ・あすとれい)が、強い調子で言う。寒い廊下で、氷を作って待っていれば冷えるのは当たり前だ。
「玲奈、大丈夫か?」
 葵が、玲奈に声をかける。
「大丈夫じゃない〜寒い〜。なんで誰も〜校長にプレゼント〜配りに来ないのよ〜〜〜」
 サンタ狩りでプレゼントゲット!という玲奈の計画は、実行するチャンスを得ないまま幕を閉じる結果となった。


 一方、ヴァイシャリー警察署では、
「だーかーら、あたし達は『公認サンタ』だっつってんだろ!」
 魅世瑠は机をばんっと叩いて立ち上がる。
「いや、だから本当に『公認サンタ』なんだよ、信じてくれよ!」
 フローレンスが警官に詰め寄る。
「ですから、『公認』サンタクロースだって言ってるじゃありませんの! 人を見かけで判断しないで頂きたいですわ!」
 アルダトは、両手を腰にあて警官達を睨みつけた。
「えーんえーん、ラズたち、『こうにんさんた』ダよ、ホントだよ!」
 プレゼントを配り損ねたラズは、いつまでたっても泣きやまない。

 魅世瑠達も警官たちも、平行線のまま、朝を迎えようとしていた。
「ん? 朝?」
 魅世瑠は警官に時間を聞く。
「今は、朝の4時だよ。26日のな」
 警官の言葉に、魅世瑠達は打ちのめされる。
「なんてこった、とっくに『公認』じゃなくなっちまった……」
 そこへ、若い警官がやってくる。
「今、百合園女学院から連絡がありまして、行方不明だった子が、無事に戻ってきたそうです」

 がっくりと肩を落とす魅世瑠達は、赤いサンタ服のまま、警察から解放された。


「空しい……」
 変熊はつぶやいた。
 結局、不埒な大人の成敗に明け暮れ、少年少女とのスキンシップもないまま、朝を迎えてしまったのだ。
 今日の朝日はいやに目に染みた。
 そんな変熊に向かって、駆け寄る影がひとつ。
「むっ、貴様は!?」
 見れば、仔トナカイが1頭、持っていたプレゼントを変熊の足もとに置いた。
「なんと! これを…俺様に!?」
 こくりと頷く仔トナカイに、変熊の瞳から涙がこぼれ落ちる。
「心の友よーっっっ!!!」
 もはや涙で曇った変熊の目には、プレゼントに書かれた粗品の文字も、「このたびは、手違いで名簿を渡してしまい、申し訳ございません」というメッセージカードも見えず、変熊の腕からのがれようとする仔トナカイの四肢から繰り出されるトナカイパンチの痛みですら、現実を見せることは困難だった。



END.   



担当マスターより

▼担当マスター

玉野 晴

▼マスターコメント

皆さま、明けましておめでとうございます。

1日サンタクロース、お疲れ様でした。
フレデリカからのバイト代&クリスマスプレゼントとして、全員に称号をお贈りしています。
シナリオにちなみ「1日サンタクロース」に何かをつけた称号となっています。
どなたかとお揃いと書いてない場合、同じ称号の方はいません。
ただし、カップルの方には「(相手の名前)のサンタクロース」を。
一部の方には別の称号をご用意させていただきました。
また、個別コメントも全員に書かせていただいております。

確認はしていますが、コメントが表示されていない、本文での名前が誤字、などありましたら、玉野からの修正申告で直せますので、リアクション公開後5営業日以内にシナリオ掲示板に書き込んでいただければ対応します。
それ以降は、申し訳ありませんが運営経由での修正となります。

また、称号のミスについては玉野では修正出来ませんので、すぐに運営に対応をお願いして下さい。

ガイドに出て来ないNPCに対してのアクションについて。
前回、運営に問い合わせた時は出さないようにと言われておりましたが、今回は、他マスター管理のNPC以外で、余裕があれば出してよいとの回答をいただきましたので、ほんのちょっぴり描写しています。

今回は、己の未熟さをより実感しました。
こんな玉野に付き合って下さった皆様に感謝いたします。

今年も皆様にとって、楽しく遊べる良き年となりますよう、お祈り申し上げます。


<更新履歴>
 1月20日、ご指摘いただいた文中の誤字等を修正いたしました。
 称号の誤字についても、運営に修正依頼をしておきますが、修正日時は不明です。
 個別コメントへの追記はしておりません。
 感想下さった方、ありがとうございます。いろいろと力不足で申し訳ない限りです。
 精進いたしますので、機会がありましたら、またご参加いただけると嬉しいです。