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ミッドナイトシャンバラ2

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ミッドナイトシャンバラ2

リアクション

 
    ★    ★    ★
 
『紅茶とケーキの美味しいお店、宿り木に果実。世界樹内、イルミンスール魔法学校にて営業中。今月より、アイスクリーム食べ放題に替わって、パンプキンフェアー開催中。ぜひお立ち寄りください。素敵なウェイトレスさんが待っています』
 
    ★    ★    ★
 
『ミッドナイト……シャンバラ……』
 
「はい、CMあけました。さあ、忘れましょう。何もなかった。何もなかったんです!
 さあ、次のコーナーいきますよ」
 
 

友人への手紙

 
 
「友人への手紙……」
 思いっきりエコーのかかったコーナータイトルが流れた。そして、ビアノのBGMがかかる。
「 親愛なる友人K.T(樹月 刀真)とY.K(影野 陽太)へ
 大切な人を守れなかったこと。かける言葉が見つかりません
 どれだけの悲しみの涙を流したことだろう。それでも立ち上がり、今頃は環菜校長の復活のために奔走してると思う。
 死者蘇生には賛否両論があるが、俺にも大切に想う人がいる。
 同じ立場なら、彼女を失うような事になったら、きっと同じように行動していると思う
 だから、 【アルマゲスト】を代表して、エールを送ることにするよ
 がんばれ!そして、懐かしくも騒がしい日々が共に過ごせることを願ってる…
 ペンネーム、獅子座を想う者
 BGMが変わる。
蒼空学園のK・TとY・Kへ
 さっさと大切な人連れ戻して来い
 いつまでもしけた面見てるとこっちまでしけちまう
 さっさと連れ戻して前みたいに馬鹿な事で笑い合おうぜ
 ペンネーム、三下軍師
 ――友人への手紙のコーナーでした」
 
『ミ〜ッドナ〜イトシャ〜ンバラ〜♪』
 
    ★    ★    ★
 
 一人、星空の下で武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)は天空にかかる獅子座を見あげていた。
「この手紙、届いただろうか? 願わくば、二人の想いと行動が、いい結果とならんことを……」
 そうつぶやくと、武神牙竜は水の入った杯を空にむけて掲げた。
 
 同じエールを送ったもう一人は、そのころ夢の中にいた。
 まどろみの中、暗闇をナラカエキスプレスが切り裂くように進んで行く姿が見える。それは、銀河を渡る鉄道か、冥府を横切る鉄道か。そして、魂の席はそこにあるのだろうか……。
 
 
お悩み相談コーナー

 
 
「お悩み相談コ〜ナ〜♪
 最初のお悩みは、ペンネーム、見習い魔法使いさんです。
 こんばんはシャレードさん。初投稿の『見習い魔法使い』です。番組は8月頃から聞き始めました。ルーキーです!今日は採用されるかドキドキしながらラジオを聴いてると思います
 はい大丈夫ですよ。無事採用されてます。
 今回はシャレードさんに相談したいことがあります!
 シャンバラが東西に建国されてから、各学校の情勢も複雑になってきています。最近は学校に通う生徒たちの中からも、色々な思いや考えから他の学校に転校するという方が結構出ているようです……。かく言う私も、帝国のメイガスを勉強するために、イルミンスール魔法学校から百合園女学院に留学しています。学校が終わってからヴァイシャリーの訓練施設に通う毎日です。
 ……でも、それもそろそろ終わりそうです。メイガスの勉強も目標の半ばを越し、じきにまたイルミンスール魔法学校に戻れそうです。
 凄いですねえ。メイガスなんて、なかなかなれるものじゃないんですよ。
 悩んでいるのはそのときです。イルミンスールを『雑草』呼ばわりする帝国の魔法使いたちから教えを受け、魔法を学んできた私をイルミンスールのみんなは再び快く受け入れてくれるでしょうか?……それが心配です。私はどんな風に帰ってくればいいでしょうか?
 それは心配いらないと思いますよ。
 知識は学ぶものとも言われていますが、古来マイスターの下では、知識は盗むものなのです。
 親方も師匠も、秘技は教えてなどくれません。真の魔法使いの弟子は、自らの力で魔法を手に入れるのです。それが分からない魔法使いは魔法使いではありません。それは自分自身が、一番よく分かっていると思いますよ。私だって、アナウンサー学校なんて通わなかったですもの。
 師匠だの、流派だの、寄らば大樹の陰的であまり好きじゃないんですよね。でも、シャンバラに大樹は存在します。なら答えは一つですね。
 多分、交わされる言葉はたった二つだけです。
 ただいま。
 そして、お帰りなさい……。
 ――。
 さて、次のお悩みです。
 ペンネーム、橋姫さんのお悩みです。
始めまして、早速ですが私の相談に乗って頂けないでしょうか?
 私には三人のパートナーがいて、その中のシャンバラ人の男性の方と英霊の女性の方についてなのですが。実はこの二人、今年の四月頃からお付き合いを始めたですが私達を気遣ってか単に初心なのか、関係があまり進展していないようなのです。その癖二人とももっと深い関係に進展したいという雰囲気をかもし出しており、見てるこっちがやきもきするような状態が続いています。というか正直パルいです。
 パルい? えっ、妬ましいっていう意味なの? 今、ガラスのむこうの人に教えてもらいましたが、最近の言葉は……。
 そこで二人の仲が急接近するようなサプライズを起こせないかと考えたのですが中々いい案が浮かびません。そこでお願いなのですが二人の仲が進展するようないい案を一緒に考えて頂けないでしょうか?よろしくお願いします。
 そうですねえ。本当ならリスナーのみなさんに解決法の投稿を募集するところなんですが、それだと遅すぎますよねえ。
 でも、リア充は放っておくしかないんですけど……。
 やっぱり、進展といったらイベントですよ。何かのイベントに、二人セットで放り込むしかないですね。後は、二人にお任せということで。任せっきりだと何が起きるか分かりませんけれど、きっと何かが起きますよ。そう信じるしかないですよねえ。近間だと、ハロウィーンとかかなあ」
 
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「うんうん……。やっぱり本人たちになんとかしてもらうしかないですよねえ」
 ラジオを聞きながら、水橋 エリス(みずばし・えりす)はこまめにメモをとっていった。
「とりあえずデートですね。それにはイベントに放り込むと……。イベントがなければ作ってしまうと。嫌がったら縛ってでも転がすと。とりあえず、恋の罠……じゃなかった、ラブラブイベントを探しましょうか」