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パンツ四天王は誰だ?

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パンツ四天王は誰だ?

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「そこのおねーさん、こっちこっちであります」
 戦いを求めて彷徨っていた姫宮 和希(ひめみや・かずき)を、シュピンネ・フジワラ(しゅぴんね・ふじわら)がこそこそっと手招きしました。
「なんだ。何か俺に用か? 俺は今、パンツ四天王を目指して、他のパンツ四天王を倒す戦いの最中なんだぜ」
「それはそれは、ちょうどいい番長がおりますであります。ささ、こちらへこちらへであります」
 何か意味ありげに、シュピンネ・フジワラが姫宮和希を案内します。
「見つけたぞ、こんな所にいたな、パンツ番長」
「む、なんだ、パンチラ番長か。なんか用か?」
 こちらを指さして睨みつける姫宮和希に、南鮪が答えました。
「パンツ四天王の名をかけて勝負だ」
「ちょっと待て、パンツ四天王の称号を持っているのは俺の方だ、それって不公平じゃねえか」
「そんなの知るか」
 戦いに理由は必要ですが、番長同士の戦いに公平も不公平もありません。勝てばえらいのです。
「それはいけないのだよ。奪う者は、与えなければならない。汝、パンツを取られたらブラも差し出すべし。私はそう説いて回っているのだよ」
 優しく一方的に諭すように、ジーザス・クライストが言いました。
「いったい、何教だよ、それは」
「もちろん、パンツ教に決まっていますですぅ〜」
 ジーザス・クライストの隣に立つ巫女服姿のイルゼ・フジワラ(いるぜ・ふじわら)が即答しました。
「私は、今朝天啓を賜ったのですぅ。空京に、パンツの神と救世主が御降臨なされると。そして、こちらのパンティー番長様と、パンツ神様に出会いましたのですぅ。さあ、あなた様も、パンツ教に入りましょう。今ならば、もれなくパンツ四天王の称号がついて参りますですぅ」
「ちょっと待て、そんなに簡単にパンツ四天王の称号が手に入るのか!?」
 少し拍子抜けして姫宮和希が聞き返しました。
「ええ簡単ですぅ。ただし、そのためには、このパンツ四天王にしか見えないパンツを穿く必要があります」
 そう言うと、イルゼ・フジワラが、両手で何かを掲げました。でも、何も見えません。
「ちょっと待て、何も見えないが」
「それは、まだあなたがパンツ四天王ではないからです」
「てい!」
 言い切るイルゼ・フジワラの両手の間の空間を、姫宮和希が手刀で切り裂きました。やはりなんの手応えもありません。
「やっぱり何もないじゃないか」
「心の目で見るのだよ。さすれば、触れることもできようし、すばらしいパンツが見えてくるはずなのである」
 きっぱりと、ジーザス・クライストが言いました。
「その通りですぅ。私もすでに、このパンツを穿いているのですぅ」
 そう言うと、イルゼ・フジワラが、袴の裾を持ちあげて姫宮和希にパンツ四天王にしか見えないパンツを見せました。
「ちょっと待てぇい!! すっぽんぽんだったぞ、今! これでも、俺は女だからまだいいが、男相手にそれはまずいぞ。やめろー!!」
「うるさい奴だな、いいか、こうして目を瞑れば、彼女の穿いているすばらしいパンツが見えて……」
「目を瞑ってたら見えるはずないだろ。まあ、直接見ないだけ紳士的だとは言えるけど、いや、おかしい、絶対お前らおかしいよ」
 真顔で言う南鮪に、姫宮和希が混乱しながら言いました。
「ふっ、まだ修行が足りねえな。いいか、パンツ四天王はなあ、この世の全てのパンツが見えてるんだぜ。その域に達しないお前が、四天王を語るなんざ、三年早いぜ(パラ実では三年以上は無限大になります)」
 南鮪がもっともらしく語りますが、説得力は皆無でした。
「さあ、分かったら今穿いているパンツを脱げ。それは俺がありがたく被ってやろう。そして、このパンツ番長にしか見えないパンツを穿け。そこで初めて、お前は俺と戦う資格を持てるのだ」
「そうか、そうだったのか……なんて言うか!!」
 一瞬だけスカートの中のパンツに手をかけるふりをしてから、姫宮和希が叫びました。
「問答無用、戦え!」
 そう言うなり、奇声を発して姫宮和希が、跳び蹴りを南鮪に浴びせかけました。みごとに、顔面にめきょっという音をたてて姫宮和希の足が埋まります。
「ふっ、口ほどにもない……」
「そうだな」
 振り返った姫宮和希は、なんだか下半身がスースーするのに気づいて真っ赤になりました。いつの間にか、パンツが取られていて、あろうことか南鮪がそれを被っています。
「戦いに負けても、パンツには勝つ。それがパンツ四天王だ……」
 だらだらと鼻血をこぼしながら南鮪が言いました。自らのダメージよりも、パンツに執着する。さすがはパンツ四天王の一角、パンティー番長です。
「さあ、あなたもこのパンツ四天王御用達の見えないパンティーを……」
「穿くか!!」
 必死にスカートを押さえながら、姫宮和希がイルゼ・フジワラに怒鳴り返しました。
「求めよ、されば与えられん。ちなみに、パンツなら、この先の売店でも売っているぞ」
「そ、そうか。覚えてろよ!」
 ジーザス・クライストのつぶやきにぱっと顔を明るくすると、姫宮和希はあわててそちらへむかってかけだしていきました。