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THE RPG ~導かれちまった者たち~

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THE RPG ~導かれちまった者たち~

リアクション

「さ〜て、次は伝説の剣の泉ネ。忙しい忙しい」
 もちろん、アリス・ドロワーズ(ありす・どろわーず)だってまだ働いています。仕掛けつくりに終わりはないのです。
「やあ、後は任せた。なんか、もういいや……」
 だる〜んとしているのは、アキラ・セイルーン(あきら・せいるーん)です。展開が色々あって疲れている模様。ゆっくりと休んでいってくださいね。
 では、場面は魔王様と勇者たちが遭遇する精霊の泉へと移しましょうか。

「いらっしゃいなのです。勇者様御一行なのですね?」
 ここは、伝説の剣の眠る精霊の泉へと続く道。途中で現れたのは、可愛らしい妖精のペト・ペト(ぺと・ぺと)です。
 急いでやってきた勇者の透乃と陽子をじろじろと見て聞いてきます。
「お二人様ですか〜?」
「うん、まだ他の勇者さんたちとは合流できてないからね、残念ながら」
「いいですよ。では、契約書にサインを」
「……何これ?」
「契約書にサインを」
 行動を起こさないと同じ事を言わないのはペト・ペトも同じです。
 死んでも文句は言いませんとか何気に物騒なことが書いてあるようですが、仕方ありません。
「……」
 透乃はえいやっ、と思い切ってサインを済ませ奥へと進むことにしましょう。
「気をつけて行ってらっしゃいなのですよ」
 受付精霊に見送られ、透乃たちは泉へと足を踏み入れます。
「まだ魔王は来ていないみたいでよかった。どうやら間に合ったみたいだねっ。今のうちに……」
「そうだな。本当に間に合ってよかった」
「……!」
 真後ろから声がして透乃が振り返ると、そこに立っていたのは、魔物を引き連れた背の高い男です。
「初めまして勇者よ。余は魔王クロノス。さっそくだが死んでもらう」
 なんと、やってきていたのは魔王クロノスと魔軍です。それもすごい数。
「魔王きましたー!」
 ペト・ペトはうって変わってすぐさま武装します。
「くくく……、皆殺しだ!」
 魔王クロノスは、冥土機晶姫ヘスティアにも命じ攻撃を仕掛けます。
「負けないんだからねっ!」
 虚を突かれましたが、透乃は勇者です。すぐさま気を取り直し武器を構えます。もちろん、陽子もです。
 そんな二人の少女+妖精に、魔物たちが一斉に襲い掛かってきます。
 たちまちにして激しい戦闘が繰り広げられます。
 透乃も陽子も初期段階で前の勇者たちのLVを引き継いでいるため、なかなかの戦闘力ですが、いかんせん相手は数が多すぎます。
「……フハハハハ。いつまで持つかな、勇者よ」
 まだ魔王クロノスが手を出していない状態で、じりじりと押されて行きます。
「はぁはぁ……、このままでは……」
「ここは私に任せて、あなたたちは奥へ行くといいですよ」
 不意に落ち着いた声が聞こえてきました。
 透乃たちをかばうように割って入ったのは、戦女神役のエリザベータ・ブリュメール(えりざべーた・ぶりゅめーる)です。
 勇者たちを試そうと待ち構えていたのですが、こんなところで魔王に倒されて死んでしまうようでは話になりません。ちょっと助太刀しましょう。
「で、でも……」
 見捨てて行くのをためらう透乃。
「今のあなたでは、魔王は倒せません。奥の泉で伝説の剣を取ってきなさい。戦うのはそれからです」
「え、ええ。……行きましょう、透乃ちゃん」
 陽子が透乃を引っ張って、急いで泉へと向かいます。
「ちょ、ちょっと……」
 二人は走りながらどんどん奥へ奥へ。しばらくすると、目の前に美しい泉の光景が広がります。
「うわぁ、きれい……」
 そんなことより(?)、泉に浮かぶ岩に、一本の剣が刺さっているのが見えます。
「……あれが?」
「お困りのようだな、お嬢ちゃんたち。あの剣が欲しいかい?」
 バグに取り込まれ、伝説の剣を守る聖霊として出現したのは、アキュート・クリッパー(あきゅーと・くりっぱー)です。
「こんな所まで来たってことは、アンタ達が世界を救う勇者だな? 伝説の剣は確かにココにあるんだが……」
「……」
「想像はつくよな。こーいうのは、試練が付き物だろ? アンタ達の力、見せてもらうぜ」
「まあ、私たちに勝てないようでは、魔王に勝てませんし、この剣を授けるわけにはいきませんね」
 傍の、もう一人の剣の守護聖霊クリビア・ソウル(くりびあ・そうる)が告げてきます。
「準備はいいですか? では、参りましょう!」
 それ以上、無駄な問答は一切避けて、アキュートたちは試練の敵として透乃立ちに襲い掛かって来ます。
「もちろんだよっ! あなたたちも死んでも恨みっこなしなんだからね!」
 透乃は強気で答えて、陽子とともに応戦します。
 魔王たちたちとは別に、ここでも激しい戦闘が始まります。
「どうした? ぼやぼやしていると死んじまうぜ?」
 アキュートの攻撃は鋭くまた守備も堅いため思うように決定打が打てません。
「おっと、これ以上、守護者さまに手を煩わせるわけには行きませんね」
 クビリアが割って入ってきます。
「ふふ、なかなか筋がいい、だがまだまだだな……」
「……っ!?」