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リアクション
3
「お、あった。パソコだ」
要塞内部、観測所。
そこに、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)の2人がいた。
「む? ダリル、データをとるために、中枢コンピューターに行くんじゃないの? これが中枢?」
「違う。コレは観測所のパソコンだから、重要なデータは入ってないだろうけど、施設の簡単なマップくらいはでてくるだろ。中枢は奥深くにあるだろうしな。用心していかないと――っと、何だ……コレ」
「ほえ?」
「……誰かが先にハックした痕跡がある。ってか今もとんでもない早さでハッキングしてるぞ。こんなことができるのは……」
ダリルは思う。
(これは多分、天貴 彩羽(あまむち・あやは)の仕業だ。奴は鏖殺寺院でもあるし信用できないと思っていたが……ちゃんと仕事しているのか? 今回は放っておいても大丈夫そうだ……だが)
「犯罪者に先をとられるのは気にくわねぇな。よし、この辺りの警報装置は解除できたし、マップも取得できた。ルカ、すぐに中枢に向かうぞ」
「おぉ? なんかダリルが珍しくやる気だよ? よしよし、ルカも頑張っちゃうぞ!」
■
「ふぅ……通信傍受システムのプログラムはこれで書き換えられたね。拠点の奴らに報告しとかないと」
要塞内部、中枢コンピュータールーム。
そこでは、天貴と夜愚 素十素(よぐ・そとうす)の2人がシステムのハッキングに勤しんでいた。
ここには、コンピュータールームの警備兵が2人いたのだが、今は夜愚の【ヒプノシス】により昏倒している。
「さぁーて、あとはここの情報を探るとしますか! せっかく苦労して中枢まで来たんだから重要な情報くらい置いておきなさいよ〜。国軍に恩を売るチャンスなんだから。……ちょっと、夜愚も手伝いなさいよ」
「む〜彩羽ちゃんは人使いが荒いも〜ん。早くお仕事終わらせて帰って寝るんだもんね〜」
言いながらも、夜愚は【インプロコンピューター】で情報解析を始める。
「ん、彩羽ちゃん。夜愚ちゃんたちの他にハッキングしてる人がいるよ? 中枢は独立してるから他からのアクセスは無理なハズなのに。もしかして、近くの通気口内のケーブルから繋いでるのかな? 多分仲間だと思うけど、このままじゃ情報を先に盗られちゃうよ」
「ぬ、小癪な……。夜愚、そいつにバグプログラムでも送ってやって。その間に情報を先取りしてやるわ」
■
中枢コンピューター付近通気口。
「この……、面倒なもん送って来やがって……。ルカ、手伝ってくれ。ウィルスプログラム組んで奴にクラックするから」
夜愚によるバグ攻撃をもろに喰らい、フリーズしかけのノートパソコンを再起動しながら、ダリルは言う。
「えぇ? ルカ、パソコなんて持ってないよ?」
「HCあるだろ。それで頑張れ」
「いや無理っしょ。ってか目的がクラックになってるし。……お? ダリル、なんかノパソの画面が……」
ん? と、ダリルが画面を見る。そこには、無数の数字が次々に表示されていく。中枢のハッキングしたデータが表示されているのだ。
「これは……、解析してみるか」
ダリルはキーボードに指を叩き込み、解析を始める。
「……どう? できた?」
「あぁ、もうちょっと……よし、できた!」
2人は、画面を覗き込む。
「うわ、何コレ。例の古代兵器のデータ? おぉ、やったじゃん、ダリル! これ絶対重要なデータだよ!」
「あぁ、天貴より先に発見できたし、今回の成果は上々だな。ルカ、早速指揮官に情報を伝えてくれ。俺はもう少しハッキングを続ける」
「了解!」
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