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リアクション
「魔王達は無事突入できたみたいだな」
戦艦ラグナロクのブリッジで、魔王城に突入した部隊の様子をダリルはみていた。
「よかった、じゃあ次は私達だね」
ルカルカがそう言うと、ダリルは艦を急速上昇させた。
艦隊戦はこちらが有利となり、敵イコンも味方のおかげでその数を大きく減らしている。
そうなれば、後は早くこの戦いを終わらせるためにも自分も突入するのが理想だ。
「ダリル、GVに伝えて。 これよりラグナロクは突入する、団長は任せた、って」
「了解」
淡々と答えたダリルはGVへ通信を繋ぐ。
ラグナロクは魔王城のはるか上空へと移動し、その姿を見降ろしている。
「いけるぞ」
「うん、じゃあ突撃っ!」
ルカルカが突撃の合図を出すと、ラグナロクはその艦首を魔王城へ向け、落下するように突撃する。
「対空砲火! 来るぞ!」
ダリルが叫ぶと魔王城の城部分に備え付けられた対空装備が火を噴き、ラグナロクへ襲い掛かる。
「耐えて! 銃座は各個に相手の対空装備を!」
「やっているが……!」
急速に前進していたり、侵入した味方を巻き込むわけにもいかないといった原因により、砲撃は逸れていく。
「チッ……」
舌打ちをするダリルだが、次の瞬間に対空砲火が爆散する。
『全く無茶をする、援護は任せてもらおう』
「団長!」
『ホント、私達が言えたことじゃないけどね』
『行き成り何をするかと思えば……こっちはGVに任せてくれ』
「中尉、リネン……」
団長を始めとする仲間から次々と通信が入ってくる。
「ありがと、後は任せて」
ルカルカが強く言い返す。
「備えろ、突入するぞ!」
珍しくダリルが叫び、ラグナロクの速度が急激に弱まったかと思うと、次の瞬間文字通り魔王城へと突き刺さる。
「いたた、このまま自爆したら一発で片付くんじゃない? 精神空間だから死にはしないし」
「それはしない」
頭をさすりながらルカルカはふと思った事を口にするが、ダリルは即座に否定する。
「なんで?」
「ウイルスの正体、今回の事件の黒幕を確認したい」
確かに、ただ倒すだけでは根本的な解決にはならない。
ウイルスを解析し、犯人を割り出す必要性があるだろう。
「じゃ、玉座の間に行こうか。 幸いすぐ近くみたいだしね」
ダリルは頷き、2人はラグナロクから飛び降りた。
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