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昔を振り返り今日を過ごし未来を見よう

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リアクション

 3年後、2027年。百合園女学院卒業してからしばらく後。
 ある家の玄関前、朝。

「ふぅ、今日もお仕事、朝帰りなっちゃったなぁ。あぁ、お腹空いたなぁ……クリムちゃんとアンネちゃんの美味しい朝食を早く食べないと」
 神月 摩耶(こうづき・まや)は空腹で少しぐったりした様子で四人で住む家に入ろうとした所で
「あら、摩耶じゃない。貴女も今帰ったのね」
 後ろから聞き覚えのある声が降りかかった。
「……その声は、クリムちゃん!」
 いたのは摩耶の愛する伴侶のクリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)
「ふふふ、おはよう、摩耶。今回のお相手、もー凄い変態だったのよ。摩耶は?」
 クスクスと笑いながら仕事の話をするクリームヒルトの姿は蠱惑的で露出過多の衣装を纏っていた。
「凄かったよ。やけにお尻に拘る人や足の指に神経質になる人とか色々」
 答える摩耶の服装もクリームヒルトと同じく露出の多い物であった。実は二人共男女関係無く水商売のような仕事で生計を立てているのだ。
「……というか今夜もお互いイロイロ頑張ったよね。楽しくもあったけど♪」
 摩耶は弾んだ調子で互いを労ったが
「……早く家に入って朝食を食べよう。ボク、お腹空いていて」
 感じる空腹に摩耶の調子は途端に元気を失った。
「そうね、あたしもお腹空いたわ。その前に一緒にお風呂に入りましょう」
 クリームヒルトはそう言い、ドアに手をかけると同時に摩耶を抱き寄せながら
「……遅くなったけど朝の挨拶♪」
 挨拶のキスをしつつ家の中へ。

 家の中。

「クリムちゃん」
 抱き寄せられたままの摩耶はじっと唇を離したクリームヒルトを見つめ
「……ふふ」
 笑みを洩らす。
「なぁに、摩耶?」
 首筋に口付けをしながら聞くクリームヒルト。
「クリムちゃんから男の人の臭いがプンプンする」
 摩耶はくすぐったそうにしながら鼻をひくひくしつつ知った臭いに見知らぬ臭いが混じっている事を言うと
「それは摩耶も同じじゃない。凄く臭うわよ」
 クリームヒルトは摩耶の肌に触れていた唇を離して笑みの形に変えた。
「そうだね」
 今度は摩耶からクリームヒルトに濃厚なキスをした。
 そのまま
「やっぱりあたしの一番は摩耶だわぁ」
「クリムちゃん、大好きだよ」
 クリームヒルトと摩耶は互いが纏う自分達以外の余計な匂いを消そうとするかのように服の下に手を滑り込ませ細い指を肌を舐めるように這うように触れてはあらゆる所に口付けをする。すっかり空腹も朝食も忘れて。
 時々
「ちょっ、摩耶」
 クリームヒルトは体を震わせ
「あ……クリム……ちゃん……ああん」
 摩耶も甘ったるい声を上げる。
 二人は互いの体に触れ合い囀っていた。
 その最中、
 向こうから何やら一際甲高い嬌声が響いて来た。
「……摩耶」
「……クリムちゃん」
 クリームヒルトと摩耶は互いに顔を見合わせるなり、急いで声がした方向に向かった。

 摩耶とクリームヒルトが帰宅する少し前。
「摩耶様とクリム様がお戻りになられる前に朝食の準備を致しましょう」
 リリンキッシュ・ヴィルチュア(りりんきっしゅ・びるちゅあ)は最愛の伴侶であるアンネリース・オッフェンバッハ(あんねりーす・おっふぇんばっは)に声をかけた。
「そうですわね。本日もお二人とも朝帰りですから何か栄養のある物がいいですわね」
 アンネリースは大切な二人のためにと美味しいだけでなく栄養がある物を考える。何せ不規則なお仕事をする二人だから。
 その言葉を受け
「では……」
 リリンキッシュは少し考えてから朝に丁度良い野菜多めのさっぱりした朝食を思いついた。
「それに致しましょう」
 異存のないアンネリースは即賛成した。
 二人は仲良く並んで料理を始めた。

 料理中。
「お疲れになって帰って来ますわね」
「朝食の他に入浴の準備もしておいた方がよいかもしれませんわ」
 専業主婦なリリンキッシュとアンネリースは仲良く作業という割には密着し過ぎる感じで作業をしていた。
「……次は……」
 馴染んだ距離感なので気に留める事無く作業をするアンネリース。
「……(あぁ、アンネ様……いつ見ても美しいですわ……その唇に触れて、その指に、胸に……ああ、触れたい……触れて欲しい……)」
 密着する体から感じるアンネリースの体温、料理のために動く細い指、いつ見ても飽きる事のない寧ろ一層虜になる美しい横顔がリリンキッシュの奥底からアンネリースに触れたい触れられたいという欲情を滾らせる。
「……リリン様」
 自分に振り向いたアンネリースの顔を見た途端
「……アンネ様」
 欲情が頂点に達し
「……愛していますわ」
 本能の赴くままアンネリースをテーブルに押し倒し、
「……リリン様!?」
 少し驚くアンネリースに構わず唇を深く深く重ねるリリンキッシュ。
「……ん(……あぁ、リリン様……)」
 抗う事無く口付けを受けるアンネリース。いきなりの事に驚くも行為自体はいつもの事なので躊躇う事無く受け入れ、いやむしろ嬉々とする。
「……アンネ様……」
 リリンキッシュは慣れた手つきで上の服や下着を僅かに脱がし姿を現した豊満な胸に触れ唇を這わせ、しつこく弄びその度に
「あ、あぁ、リリン様ぁ……愛してますわ……」
 アンネリースは体を震わせ、色っぽい声を上げる。
 その声がさらにリリンキッシュを煽り劣情の炎を高くし
「……ああ、アンネ様……わたくしも……愛して……います……」
 アンネリースのスカートの中に顔を入れ、下着を脱がせるなり唇を触れ溢れるアンネリースの体温を呑み込む。
「リ、リリン様ぁ、そんなぁぁ、あ、ああぁぁぁーっ♪」
 散々貪られ限界に達したアンネリースは嬌声を上げ
「…………」
 服は乱れ、淫らな行為に上気した頬に放心し恍惚とした双眸でリリンキッシュを見つめていた。
「…………アンネ様」
 リリンキッシュは愛しくて愛しくて堪らない伴侶の名を洩らし、口付けをし
「……愛していますわ」
 唇を離した瞬間
「!!」
 部屋の扉が開く音がして驚き、振り向いた瞬間硬直してしまった。
 そこにいたのは
「わぁ、リリンちゃんもアンネちゃんも朝から激しいねぇ♪」
「あらあらっ♪ 二人共、朝から激しいわね」
 眼前の光景ににやにやと笑いかける摩耶とクリームヒルトだった。
 何せ食卓に押し倒されたアンネリースと彼女のスカートの中に顔を突っ込んでいるリリンキッシュ。二人の大切なご主人様のために朝食を作っていたはずが、なぜか別の意味での食事が始まっていた。
 視線と声に気付いたリリンキッシュはぱっと顔を出すなり
「……あ、あの……その……こ、これは……」
 お仕えするご主人様二人に見られ、羞恥心に顔を赤く染め硬直してしまう。
「……リリン様……」
 恍惚とした目でリリンキッシュを見つめ余韻に浸るアンネリースは
「……今度はわたくしの番ですわ」
 すぐに我に返り硬直するリリンキッシュにこれ幸いと襲いかかり
「ふふふ、お返しをさせて頂きますわ……ほぉら、お尻をこうしてぇ……♪」
 やられた分を何倍にして返す勢いでリリンキッシュの魅力的なお尻を狙う。当然豊満な胸を食べるのも忘れない。
「……ちょっ、あっ、あぅ、アンネ様……そこは……やめて……下さいませ……」
 突然の事に抵抗してもしきれずあえなくリリンキッシュはアンネリースの餌食となるもこの環境に大変満足しているいい顔であった。

「……」
 ご主人様二人しばらく従者の朝の運動を眺めていたが
 あまりの淫靡さと充満する香りに触発され
「んふふぅ、摩耶ぁっ♪ あたし達も混ざりましょうか? お風呂は後で皆で入ればいいから朝食前の軽い運動に」
「そうだね、もっとお腹空いた方が朝食も美味しくなるもんね」
 興奮したクリームヒルトと摩耶は身に纏う華やかな衣服を脱ぎ捨て
「あたしも混ぜるのよ!」
 クリームヒルトが一番に混ざり
「リリンちゃんもアンネちゃんも大好きだよぉ♪ 勿論、一番はクリムちゃんだよ、愛してる……♪」
 続いて摩耶も加わった。
 そしていつものように四人でくんずほぐれつに絡み合い愛し合う。
 朝食もお風呂もしばらくおあずけとなった。