イルミンスール魔法学校へ

シャンバラ教導団

校長室

百合園女学院へ

インタビュー・ウィズ・コントラクター

リアクション公開中!

インタビュー・ウィズ・コントラクター

リアクション

7)ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)

ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)は、
威風堂々と、いかにも現役の軍人然とした態度で、
かつ、礼儀正しく一礼した。

観覧席では、
パートナーの上杉 菊(うえすぎ・きく)
エシク・ジョーザ・ボルチェ(えしくじょーざ・ぼるちぇ)が見守っている。

「今日はどうぞよろしく」
「こちらこそ。
では、さっそく質問させてもらうわね」
トッドさんはわくわくした表情で言った。
「ローザマリアさんは、
ご幼少の時から訓練をお受けになっていた、アメリカ海軍の特殊部隊ご出身なのよね。
パラミタにも何か目的がおありでいらしてるのかしら。
シャンバラ海軍のトップを狙ってらっしゃったりするのかしら?」
生放送にもかかわらずの相変わらずの質問だが、
ローザマリアは微笑を浮かべて答えた。
「確かに、国軍が発足し海軍の創立は為ったわ。
大願成就。一つの到達点であることも確かよ。
でも、同時にそこは通過点でもあるの。
軍にとって大切な事は、私達をコントロールするシャンバラ政府の存在。
海軍は、有事の際の即応集団である反面、
軍内部で最もリベラル且つ紳士淑女であらねばならないという
相反する性格の組織でなければならない
故に、文官による統制機関――海軍省の設立を国軍上層部を通じ
シャンバラ政府へ上申し叶えて貰う事が次の目標かしら」
「なるほど。とっても壮大なことを考えてらっしゃるのね」
トッドさんの様子を見て、ローザマリアは続ける。
「難しい話になっちゃったわね。
じゃあもうちょっとソフトなアンサーも用意してあるからそっちも答えるわ。
やはり海軍と言えば大きな艦(ふね)でしょ!」
青い瞳を輝かせて、ローザマリアは言った。
「ということで、
鋼鉄製の巨大な艦艇を内海にズラリと並べて観艦式を開くのが目標かしら。
全長300mクラスのイコン母艦とか、
そういう艦が悠然と海を征く光景は、それだけで惹き付けられてしまう事うけ合いよ」
にっこり笑うローザマリアは、
夢多き年相応の少女のようであった。
「パラミタならではのお話ね。
いつか、実現したら、わたくしも見てみたいわ。

それでは、同じく出演者の
御茶ノ水 千代(おちゃのみず・ちよ)さんからの質問です。

ローザマリア・クライツァールさんに質問です。
ローザさんといえば、「水兵さん」というイメージが強いですよね。
と言う訳で「海」にまつわるエピソードで
一番思い入れの深い出来事って何ですか?」

友人からの質問に、ローザマリアは笑みを深くする。
「海とは微妙に外れちゃうかも知れないけど
コンロンに出兵する際の事が想い出深いわね。
金団長がおもむろに教導団で海軍を創立すると発表した事。
そして、それを胸にコンロンの内海に艦で乗り入れた瞬間、かしらね。
艦艇に乗った事は珍しい事でも何でもなかったけど、
あの時は今まで経験した事の無い高揚感で一杯だったわ」

「なるほど、ローザさんらしいエピソードですね。
きっと勇壮な姿だったんでしょうね」
トッドさんは微笑を浮かべ、続けた。
「では、次に、
弁天屋 菊さんから、
転校経験者全員宛の質問です。

転校して苦労した事は?
転校して良かった事は?」

「苦労した事は、
教導団の階級やポストといった肩書を転校中は使う訳には行かなかった事かしら。
ま、これは当然と言えば当然なのだけれども」
ふふ、とローザマリアは笑った。
「一応、転校にあたっては
予備役申請を出して書類上は無任所・予備役となった上での転校となっている筈よ
あとは引っ越し。最低限の物を持ってと言いつつもパートナーが大所帯だと何かと大変で」
思い出して苦笑する。
「逆に善かった事は転校先の明倫館が
アメリカ系の学校だったという事。
雰囲気は独特だったけど同じ星条旗を煽ぐアメリカ国民と
愉しい学校生活を送る事が出来て本当に楽しかったわ。
中々里帰りが出来ない身の上だから明倫館転校は私にとっては里帰りも同然なの」
「なるほど、
現在は教導団に戻られているローザさんですけど、
転校されたことで充実した経験をされたのね」
トッドさんがうなずいた。
「では、最後の質問です。
渋井 誠治さんからです。

好きな食べ物は何ですか?
割とありがちな質問だけど、番組の中で時間があれば答えてくれると嬉しいな。
出身地が違うと食文化も違うだろうし、皆がどんなものが好きなのかちょっと気になったんだ。
パラミタだと地球の料理はなかなか食べられないかもしれないけど、
ここでアピールしておけば空京で流行っていつでも食べれるようになるかもよ?
なーんてね」

「グーラッシュ。小さい頃、よくダディが作ってくれたの。想い出の、味よ」
「ああ、ローザさんはハンガリー系なのよね。
シチューみたいな食べ物ね」
「そうよ。
あとは皆の期待を裏切らない答えで、ハンバーガーね。
一緒に挟む具材にトマトとレタスは外せないわ。
飲み物だとコーヒー、勿論アメリカン、よ。
うちは英国人の英霊が多いから紅茶党も多くて、
お湯を沸かすとよく優先権を巡って
コイントスとかジャンケンで優先権を決めているわ」
「まあ。なかなか大変だけど、楽しそうね。
それに、とてもアメリカ人のローザさんらしい答えね」
「ええ、とっても楽しいわ。
コーヒーとハンバーガーは、アメリカ人のソウルフードだもの。
これは譲れないわよね」
少し声のトーンを変えて、ローザマリアが続けた。
「あと――最近は芋ケンピも食べる様になったわ。
理由は――」
そして、顔を少し赤らめる。
「理由は何かしら?」
トッドさんが食いつく。
「彼が、好きな食べ物だから。
彼との出会いのきっかけなの、芋ケンピ」
「あらあら、ごちそうさまでした!」
こうして、最後は惚気で締めくくるローザマリアであった。