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序章
瑞穂藩士による天子拉致計画は失敗に終わったが、都では、扶桑が枯れ始めたという噂がたちはじめていた。
マホロバ中に豪雨や山火事、地震などが頻繁に起こるようになり、天子の言葉通りであれば、扶桑は『復活』と『繁栄』の為に、マホロバと共に死にゆく準備期間に入ったというのであった。
マホロバと扶桑は、数千年ごとに『死』『復活』『繁栄』をいうサイクルを
繰り返していた。
と、同時に、『扶桑』の力が弱まると、『天鬼神』の力の中の『天子』の力が弱まり、マホロバを外敵から守ることができなくなった。
外敵から守ってきたはずの『鬼』がマホロバを破壊するというのだ。
「噴花が起これば新しい生命がマホロバにばらまかれる。しかし、そのために今を生きるマホロバの人々が大勢死ぬことになる。扶桑の噴花を成させて、果たして良いと言えるのだろうか……?」
マホロバ将軍鬼城貞継(きじょう さだつぐ)は現在の治世を預かる者として、今の人々の命を犠牲にして未来の命を得るか、悩んでいた。
そして、もうひとつ。
重大な問題を抱えていた。
「誰に将軍を譲るか……」
彼は筆を執り、書状を書き始める。
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