リアクション
■第三章 エリザベートのお年玉発掘大作戦
イルミンスール魔法学校の校長室。
緋桜遙遠達と、アルカリリィ・クリムゾンスピカ、姫神司達、葛葉明、神楽坂翡翠達が並んでボロ布を持っていた。
「ご苦労様ですぅ〜」
エリザベート・ワルプルギスは土産のトリュフチョコレートを、幸せそうに頬張りながら言った。
彼女の背後には、土産が山のように積まれていた。紅白餅やクレープ、有名店のプリン、クッキーの詰め合わせなどもある。
「エリザベートちゃん!」
葛葉明がエリザベート・ワルプルギスに抱きついた。
「ふわっ、なんですかぁ〜?」
「ふふー、会えて嬉しいわ」
彼女はにこにこ笑って、離れる。校長はチョコレートをもう一つつまみ上げ、手を組んだ。
「あなた達、ボロ布寄越すですよぅ〜」
ねぎらいの言葉もそこそこに、校長は手を差し出した。
ボロ布を持ってきた面々は、従って差し出す。緋桜遙遠は首を傾げた。
「これは一体何ですか?」
「これをこうするですぅ〜」
楽しそうに言って、集まったボロ布をエリザベート・ワルプルギスが一枚一枚床の上に並べた。
「えいっ」
掛け声とともに最後の一枚を置くと、布が眩い光に包まれた。
エリザベート・ワルプルギスは満足げに微笑んだ。
「これでおばば様のお年玉を探しに行けるですぅ〜」
「どういうことじゃ?」
アルカリリィ・クリムゾンスピカが顔をしかめた。エリザベート・ワルプルギスは、にんまりと笑う。
「これは、わたしのお年玉の場所が書かれた地図ですぅ。地図を完成させるために、あなた達にお宝探しをさせたのですよぅ〜。わたしがお年玉を得るには、地図を完成させないとならなかったのですよぅ〜」
「なるほど……でもそれなら、こんなに大規模にする必要はありませんよね?」
神楽坂翡翠が目をしばたたかせる。
「宝は、大ババ様がわたしの家にあったものを詰め込んだですぅ〜。ダミーですよぅ〜」
「そういうことか」
姫神司が納得したように頷いた。
「できたですぅ〜」
会話を交わす間に光は収まり、一枚の宝の地図が完成した。
「わたしは行くですぅ〜。宝が見つかったら、見せてやるですよぅ〜」
一同に手を振ると、エリザベート・ワルプルギスは完成した宝の地図を握りしめ、校長室を出て行った。
「う〜ん、これは、幸運と言うのでしょうか? まあ、楽しかったので、よしとしましょう」
神楽坂翡翠が呟く。ボロ布を届けたメンバーは釈然としないまま、校長室を後にする。
後日……。
エリザベート・ワルプルギスは、無事に宝を手に入れた。
しかしその中身は、彼女自身とボロ布を手に入れたメンバーしか知らないのだった……。
終
このシナリオにご参加いただき、ありがとうございました!!
遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……。
「争奪・協力」というよりは「のんびり・協力」な宝探しとなりました。
お楽しみいただけたなら幸いです。
なお、エリザベートが得たお年玉は、ボロ布を届けた方のみにお伝えしておきます。
知りたい方は、その方々にお聞きください。
隠すほどのものではありませんが、面白いと思ったので取り入れてみました。
ボロ布は、ボロ布に関する記述をアクションに取り入れてくださった方と、人を多く集めた方の宝箱に入れさせていただきました。
ちなみに紙ペットは、イルミンスール魔法学校ですべて引き取り、飼うことになっています。
後々、それに関連したシナリオも書ければと思っております。
それでは、本当にご参加ありがとうございました!