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たっゆんカプリチオ

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たっゆんカプリチオ
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    ★    ★    ★
 
「これ、ただの飴じゃなかったんだ」
 当のレテリア・エクスシアイ(れてりあ・えくすしあい)は、大きくなった胸をたゆたゆさせて言いました。
「なぜ、レテだけたっゆんになるのよ」
 鷹野 栗(たかの・まろん)は、一人だけたっゆんになったレテリア・エクスシアイを見て、非難の声をあげました。だって、シュガーコートだと思って買ってきたたっゆんサプリメントがくそ苦かったのに、自分だけ苦い思いをしただけで効果が出ないなんて不公平です。
「そこのお二人、早くその危険物をお渡しください」
 シュリュズベリィ著・セラエノ断章(しゅりゅずべりぃちょ・せらえのだんしょう)を肩に担いだルイ・フリード(るい・ふりーど)が、まだ余っているたっゆんサプリメントをビシッと指さして言いました。
「それは、男の子にしか効果がないだめな薬なんだよ。だから、早く処分しようね」
 シュリュズベリィ著・セラエノ断章が言いました。
「へえ、そうなんだ」
 鷹野栗の瞳がキランと光を放ちます。何やら、レテリア・エクスシアイと目配せをしています。
「男の子がたっゆんたっゆんになるなんて、いけないんだよ。それに薬に頼ろうなんて、自然じゃないもの。べ、別に、たっゆんたっゆんが嫌いとかそういうことじゃないんだからね」
 何やら疑わしげな鷹野栗の視線が胸に痛くて、シュリュズベリィ著・セラエノ断章がよけいなことまでしどろもどろで口走りました。
「ワタシは、バストの大きさなど気にしませんですよ。それは、世間の大多数の娘さんは、たっゆんたっゆんの胸にあこがれを……」
 シュリュズベリィ著・セラエノ断章の言葉を受けて、ルイ・フリードが長講釈を垂れ始めました。
「隙ありです!」
 すかさず、鷹野栗が、新たに取り出したたっゆんサプリメントを、演説を続けるルイ・フリードの口にねじり込もうとしました。
「何をしますか! 悪い子にはお仕置きです」(V)
 すかさず、ルイ・フリードが手刀で鷹野栗の手から、恐ろしいたっゆんサプリメントを叩き落としました。
「レテ、そちらに回り込んでね」
「了解」
 新しいたっゆんサプリメントを手に持って、鷹野栗とレテリア・エクスシアイが、ルイ・フリードを取り囲みました。
「あなた方、それは敵対行動と見なしますが、よろしいでしょうか」
 ルイ・フリードも身構えます。
「こんな面白い物、試さない手はないでしょう」
 ニヤリと悪魔の笑みを浮かべながら、鷹野栗が言いました。
「おじさんも仲間になろうね」
「ワタシは、まだ若いのです。よろしい、そんな不逞の輩は成敗してさしあげましょう。戦闘開始、いきますよ」(V)
 じりじりと間合いを詰めてくるレテリア・エクスシアイの方を、ルイ・フリードが振り返りました。
「ルイ、前だよ」
 シュリュズベリィ著・セラエノ断章に言われて、ルイ・フリードが再び鷹野栗の手からたっゆんサプリメントを叩き落としました。
「まだまだ数はあるわよ。乙女の夢を踏みにじったこんな薬なんか、みんなおっさんに食われてしまえばいいのよ」
 鷹野栗が、新しいたっゆんサプリメントを手に持って叫びました。もはや、動機からして意味不明になっています。
「なんの。ワタシは、あくまでもたっゆんの被害を防いでみせます!」
 ドタバタと戦いを繰り広げる鷹野栗とルイ・フリードたちの所から、叩き落とされたたっゆんサプリメントがころころと周囲に飛び散らかっていきます。
「なんですぅ、これ?」
 足許にころころと転がってきたたっゆんサプリメントを拾いあげて、咲夜 由宇(さくや・ゆう)が小首をかしげました。
「飴玉みたいだけれど、三秒で拾ったからまだ大丈夫だよね」
 ぬいぐるみをだいたルンルン・サクナル(るんるん・さくなる)が、拾ったたっゆんサプリメントをジーッと眺めながら言いました。
「それは、食べると胸が大きくなる薬です」
「本当ですぅ?」
 レテリア・エクスシアイの言葉に、咲夜由宇が目を輝かせました。
「ちょうどいいですぅ。今月はもう食費もありませんから、少しぐらいばっちくったって平気ですぅ」
「ああ、やめるのです」
 大口を開ける咲夜由宇をルイ・フリードは必死に止めようとしましたがだめでした。
「いただきまーす。にっがーい……!!」
 一緒にぱくんとたっゆんサプリメントを一口にしたルンルン・サクナルが思いっきり顔を顰めました。次の瞬間、ボンとだいていたぬいぐるみが凄い勢いで吹っ飛びました。
「な、何事ですぅ」
 驚いてルンルン・サクナルの胸を見た咲夜由宇は、唖然として固まりました。
「大きい……」
 すぐに、自分の胸を凝視します。
 変化無し。
「で、でも、天然の私の方が……」
 あわててルンルン・サクナルの所に並ぶと、咲夜由宇は胸をくらべてみました。
「由宇さん、目が怖いよぉ。ああ、ぶたないで……」
「ぶ、ぶってなんかないもん!」
 言いながら、咲夜由宇の手はルンルン・サクナルを叩き続けています。
「ああっ♪」
 なぜか、ルンルン・サクナルは恍惚とした表情を浮かべていました。
「なんということです。やはりこの薬は危険です」
 ルイ・フリードは、床に落ちたたっゆんサプリメントを次々に踏みつぶしていきました。