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たっゆんカプリチオ

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たっゆんカプリチオ
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リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「すいません、風呂はどっちかなあ?」
「ええと、多分こっちだと思うんだが……。まあ、実は、俺もさっきから男湯を探してるんだがな」
 リアトリス・ウィリアムズ(りあとりす・うぃりあむず)ベアトリス・ウィリアムズ(べあとりす・うぃりあむず)の二人の美少女に道を訊ねられて、ラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)は腕を組んだまま困った顔をしました。道が分かりません。いえ、だいたいの方向は分かりますが、しばらく間が空いてしまいましたので、正確な道が分からないのです。確か、上の方の階に男女別の風呂があったはずなのですが。
「はははははは、何かお困りでござるか」
 あっちだこっちだと三人がわいわい言っているところへ、赤い仮面をつけたたっゆんなナーシュ・フォレスターがやってきました。
「お風呂でござるか。ちょうど拙者もひとっ風呂浴びようと思っていたところでござる。では、ここはぜひイルミンの仮面のくのいちにお任せでござる。ニンニン。さあ、行くでござるよ」
 そう言うと、ナーシュ・フォレスターは先頭に立って歩き出しました。
「えーっと、こっちは違うんじゃねえのか?」
 だんだんと下に降りていくナーシュ・フォレスターに、少し不安になったラルク・クローディスが訊ねます。いやでも、暗い過去が脳裏に蘇るのでした。大浴場にはあまり行きたくないのですが……。
「まさか、いるわけないよな……」
 人知れず、ラルク・クローディスはつぶやきました。
「おっ、ラルクじゃねえか。こんな所で何やってんだよ」
「げ、なぜお前がここにいる……」
 途中で出会ったナガン ウェルロッド(ながん・うぇるろっど)ビスク ドール(びすく・どーる)に、ラルク・クローディスがもの凄く嫌な顔をしました。
「いやな、前に葦原島に行ったじゃねえか。そんとき、何もお宝ゲットしてなかったと思ったらよお、あの後明倫館から何やらお宝がイルミンに送られたって噂があってな」
「お宝なものかよ……」
 ナガン・ウェルロッドの言葉に、ラルク・クローディスがさらに渋い顔になりました。
「で、まあ、そんなこんなでここにきてだなあ、お宝いただいちまおうとしたんだが……。それで、ちょっと汗かいたんで風呂にでも入ろうと思ってな。なあ」
「なあ」
 ナガン・ウェルロッドに同意を求められて、ビスク・ドールが声を合わせました。
「ところでよお、さっきから何ずっと腕組みしてるんだあ。何かあ、いっちょう手合わせしてほしいのか? ああん、戦いたいんなら相手になるぜぇい」
「いや、そういうわけじゃねえ……」
「じゃ、どういうわけなんでぇい。えーい、何か隠してるな、見せやがれ! ひんむけ、ビスクドール」
「あそぼあそぼあ〜そ〜ぼ〜」
 ナガン・ウェルロッドとビスクドールが、ラルク・クローディスの腕を引っぺがしにかかりました。抵抗しようにも、腕を組んでいてはたいした抵抗もできません。
「面白そうでござるな」
 便乗したナーシュ・フォレスターたちも加わって、ついにラルク・クローディスの腕が解かれました。
「こ、これは、みごとなたっゆーん」
「わーい、お友達でござる」
「うっせえ、見るんじゃねえ」
 喜ぶナガン・ウェルロッドや、ナーシュ・フォレスターに、ナガン・ウェルロッドが怒鳴り返しました。
「いいじゃねえかよ、胸の一つや二つ」
 言いつつ、ナガン・ウェルロッドとビスクドールが自分たちのたっゆんを前面に押し出して、ラルク・クローディスに迫りました。
「ええい、そんな物を近づけるな!」
 男としてあるまじき発言ですが、もともと男を恋人に持つラルク・クローディスですので、その頭の中は常人には完全には理解しがたいもののようです。
「ほら、お前たちもやってやれ、面白いぜ」
 ナガン・ウェルロッドがたっゆんでラルク・クローディスを追い詰めながら、リアトリス・ウィリアムズたちに言いました。
「いえ、僕たちはちょっと……」
 さすがに、リアトリス・ウィリアムズたちがどん引きします。
「まあ、そのちっぱいじゃしかたねえか。おう、いいかげん早く風呂に行こうぜ」
 そう言うと、ナガン・ウェルロッドは歩き出しました。
 成り行きで、しかたなく全員で地下の大浴場に辿り着きます。
「やっぱり……。俺が入りたかったのは、ちっちゃい風呂だったんだあ!」
「うるせえ、さっさと入りやがれ」
 ナガン・ウェルロッドに尻を蹴り飛ばされて、ラルク・クローディスは男用の脱衣所に転がり込みました。
「あん、お前たちも、さっさと脱げよ」
 半ばナガン・ウェルロッドに脅されるようにして、いっしょに女性の脱衣所に入ったリアトリス・ウィリアムズとベアトリス・ウィリアムズでしたが、なぜかもじもじしています。
「早くしやがれ」
 凄まれて脱ぎ出すと、濃い化粧に被われたナガン・ウェルロッドの目が面白そうに細められました。
「なあんだ、男だったのかよ。だったら、いいもんがあるぜ、食え」
 そう言うと、ナガン・ウェルロッドは、二人の口にたっゆんサプリメントをねじ込みました。
「うわっ、苦い。ぺっぺっ」
「こ、これは……」
 自分の胸を見たベアトリス・ウィリアムズが、思わずリアトリス・ウィリアムズにだきついて、たっゆんになった胸を隠そうとしました。けれども、同じくたっゆんになったリアトリス・ウィリアムズの胸に押し返されます。
「先行くぜ。そこのタオル巻いてこいよ」
 そう言うと、褌一丁になったナガン・ウェルロッドが、首に掛けたタオルでたっゆんな胸をかろうじて隠しながら、ビスクドールと共に大浴場に入っていきました。
「なんだか大変なことに……」
「とにかく、お湯に入って隠そう、そうしよう」
 入浴用の大きなタオルを身体にきつく巻きつけると、リアトリス・ウィリアムズとベアトリス・ウィリアムズは浴室の方へと進んでいきました。広い浴室はこれまた迷路です。そして、二人はここが混浴だとまだ知りませんでした。
「先に行くでござるよ。さて、木の風呂はどこでござるかな」
 ナーシュ・フォレスターはくのいちの入浴シーンごっこをするために、男用の脱衣所から一人で古い日本の木のお風呂を探しに行ってしまいました。
 やっとナガン・ウェルロッドから解放されたラルク・クローディスは、これまたきつくタオルで胸を縛って隠しながら、誰にも会わないようにと道を選びながら進んでいきました。
「まったく、嫌な汗かいちまったぜ。早く流さねえとな」
 やっと人心地つくと、ラルク・クローディスはかけ湯をした後に広い湯船に入っていきました。
 ちょうど、人目が隠せそうな洞窟風呂があります。ラルク・クローディスはその中に入っていきました。
「やれやれ、えらい目に遭ったぜ。おっさんへとへとだあ……」(V)
「おや、誰か入ってきたのかい?」
 暗い洞窟風呂の奧には何人かの先客がいたようです。
「いや、すまん、先客がいたとは知らなかった。すぐに移動する」
 そう言ってラルク・クローディスが移動しようと立ちあがりますと、突然洞窟風呂の中に光術の明かりが点りました。
「あらあらあら、まあまあまあ」
 光の中に浮かびあがった、ラルク・クローディスの姿に、片手をあげて呪文を唱えたチャイ・セイロン(ちゃい・せいろん)が、下ろしたその手を頬にあてて言いました。
「またお前か……」
 ココ・カンパーニュ(ここ・かんぱーにゅ)が、グッと拳を握りしめて小刻みに身体をふるわせます。
 さすがにイルミンスールの大浴場にも慣れたのか、ゴチメイの女の子たちもちゃんとタオルで身体を巻いていますが、それでも、今のたっゆんなラルク・クローディスとしては最大の危機でした、
「こちらは……、ああ、あのときの。いつぞやはお世話になりました」
 アルディミアク・ミトゥナ(あるでぃみあく・みとぅな)が、ポンと手を叩いてから、ぺこりとお辞儀をしました。髪をまとめてアップにしているため、髪の色以外はココ・カンパーニュにそっくりです。
「それにしても、おっちゃん、なんで女みたいにタオルグルグル巻きにしてるんだい?」
 最初にラルク・クローディスに気づいたマサラ・アッサム(まさら・あっさむ)が、不審そうに言いました。
「そうですね。おかしいですね」
 何を隠しているのかと、ペコ・フラワリー(ぺこ・ふらわりー)も、疑いの目をラルク・クローディスにむけます。
「ぜーったい、何か隠してるよ」
 リン・ダージ(りん・だーじ)が、ラルク・クローディスのタオルに手をのばしました。
「なんでもねえって、ちっぱいは下がってろ」
 思わずタオルを握りしめながらラルク・クローディスが叫びました。
「ちっぱい言われたー」
「はいはい」
 リン・ダージが、チャイ・セイロンの豊かな胸に飛び込んでべそをかきました。
「ふーん、そういう態度ならこちらにも考えがあるよ。みんな、ひんむいちゃえ!」
 ココ・カンパーニュの号令で、ゴチメイたちが一斉にきゃあきゃあとラルク・クローディスに飛びかかっていきました。
「あのー、お姉ちゃん、それはちょっとまずいんじゃ……。あのー、もしもーし」
 一人立ちすくんだアルディミアク・ミトゥナが見守る前で、ついにラルク・クローディスのタオルが引っぱがされます。そのへん、ゴチメイたちは容赦がありません。
「ああああああ、その胸!!」
 ラルク・クローディスのたっゆんな胸を見たゴチメイたちが、全員叫び声をあげました。
「いやーん」
 ラルク・クローディスがポーズをとりながらたっゆんな胸を隠します。
「変態だー!!」
 ゴチメイたちが、全員、ラルク・クローディスを指さして叫びました。
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 話の落ちがついてません。
 というか、カオスすぎました。
 みんな、なぜそんなに揉みたがる。
 意図的に各シーンの結末はぼかしていますので、適時妄想してくださいませ。ラストシーンの後も、多分ちゅどーん連発してるんだろうなあ。
 かなりボコボコになった人もいますが、死人は出てないはずです。多分。
 
 意図的に文体を変えていますが、そのへんは使い分けということで。今後も、たまに、作品のカラーに合わせて変えるかもしれません。
 
 大ババ様の蒼空学園遠征から始まった三部作ですが、一応これで一区切りです。
 途中、小ババ様という収穫もあったので、予想外のシリーズになりました。小ババ様には、今後も活躍していただきましょう。こばっ。
 
 それから、ボイスですが、ちゃんと台詞まんまでタイトルつけておいてくれると反映しやすくてもの凄く助かります。結構検索反映に膨大な時間がかかるものでして。
 
 では、また別の物語で……。
 
P.S.誤字脱字修正、口調修正。