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はじめてのおつかい(ペット編)

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はじめてのおつかい(ペット編)

リアクション

 
 
残り24ターン
 
 
「はい、レース時間はここにある巨大な三分砂時計を二五回ひっくり返すことでフレキシブルに計測されます。さあ、スタート以来最初のひっくり返しが、今、アーデルハイト・ワルプルギス主催の手で行われました。はたして、順位はどう変化しているのでしょうか。中継の大谷さーん」
 シャレード・ムーンが、中継車を呼び出した。
 
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「はーい、こちらトップグループです。現在、ルタールさんの独走状態ですが、ナイアルラトホテップさんがしっかりと寄生して漁夫の利を狙っています。それを追いかけるのはレイストリオ。他のペットたちは、レイストリオがいやーんで少し遅れたようです」
 
    ★    ★    ★
 
「こちら、なぜか最後尾担当のレテリア・エクスシアイだよ。やっと、紙ドラゴンさんと武者人形さんと猪さんが、みんな雪国ベアさんをぼこるのをやめてレースに復帰したところだよ」
 
 
残り23ターン
 
 
「現在、トップは変わらず本郷涼介さんのルタールさん。どうやら、なんとかナイアルラトホテップさんをふりほどいたようです。そのナイアルラトホテップさんは、今度は二位に上がってきたゆるスターのゆーちゃんに寄生しました。しかし、これはサイズがさらにちっちゃい。中に入りきれずに、一部がずるずると引きずられています。これはきもいです」
 
    ★    ★    ★
 
「こちら、最下位だよ。猪さんたちが最下位だね。きっと、雪国ベアさんをどついて疲れちゃったんだよ」
 最後尾担当のレテリア・エクスシアイが報告する。
「何をしているのよ、この××が。×××るわよ」
 ルルール・ルルルルルに怒鳴られて、右介と左介が頑張るが。いきなり戦闘で力を使い果たしてしまったので、スラの助さんにも遅れるというていたらくであった。
 
 
残り22ターン
 
 
「さて、トップグループはすでに第三十五区画にまで達しております。かなりのハイスピードです。相変わらず、ルタールさんが独走。それを感じとったナイアルラトホテップさんが、ゆーちゃんを見捨てて再びルタールさんに寄生しようと大きくジャンプ。反動で、ゆーちゃん遅れた。その間に、赤嶺霜月さんの槲さんが上がってきます。そして、ジャンプしたナイアルラトホテップさんがトップのルタールさんにとりついた。いや、違います。ネコパンチです。ネコパンチが出ました。吹っ飛ばされたナイアルラトホテップさん、月詠司さんが沿道に用意した罠の餌の中に突っ込んだ!」
 
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「いらっしゃいましー。さあ、どうぞ好きなだけ食べて時間を浪費してください」
 月詠司がニコニコと、飛び込んできたナイアルラトホテップに言う。
 混乱したナイアルラトホテップは、他のペットと間違えて、おいてあったコンビーフの中に潜り込んでいった。
 
    ★    ★    ★
 
「まだビリじゃないの。走らないと、猪鍋よ!」
 最下位は、相変わらずルルール・ルルルルルに追いたてられている右介と左介のようだ。
 
 
残り21ターン
 
 
「さて、相変わらずトップを独走するのはルタールさん。このまま優勝まで独走か」
「よっしゃあ。クレア、ちゃんと併走してサポートするんだぞ」
 シャレード・ムーンの中継に、本郷涼介は力入りまくりである。
「二位には、傀儡の藤乃さんと神代明日香さんのコトちゃんが上がってきました。藤乃さんは凄まじい追いあげです。黙々と凄いスピードで進んでいきます。あっ、ナイアルラトホテップさん、やっと自分が潜り込んでいるのがコンビーフだと気づいたようです。おりしも通りかかったジャジラッド・ボゴルさんのパートナーであるキャプテン・ワトソンさんのペットであるオルカさんに寄生しました。レース復帰です。同じパートナーのゲシュタール・ドワルスキーさんのペットであるシュナイダー12世さんは、どうやら自称小麦粉のドーピングが切れたようで、かなり後ろのグループに下がってしまったようです」
 
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「こちら、中継車です。エッツェル・アザトースさんのニャルラトホテプさんが、沿道の餌に突進していったようです。脇目もふらずに、ちーかまにかぶりついています」
 画面が切り替わり、大谷文美が月詠司の罠の方へカメラを向けさせた。
「ぶぎゃあぁぁぁ」
「ああ、これはひどい。チーズに見えていたのはカラシだそうです。のたうってます、ニャルラトホテプさん」
 
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「……それで、今度デートでもいかがですか?」
「そんなことより、あなたの猫さんが大変ですぅ。え〜い」(V)
 空気を読まずナンパしてきたエッツェル・アザトースの首を、神代明日香がサイコキネシスで大型モニタの方へとねじ曲げた。
「うげっ……。ああ、ニャルラトホテプ!! あれほど拾い食いはしてはいけないと言っておいたのに。好奇心が裏目に……」
 エッツェル・アザトースは呻いたが、すでに後の祭りであった。
 
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「走れー、鍋だぞ、鍋!!」
「ぷぎぃぃぃぃー」
 どこから取り出したのか、ギャザリングヘクス用の鍋をお玉で叩きながら、ルルール・ルルルルルがビリの右介と左介を追いたてていた。
「以上、最終組の様子だよ」
 レテリア・エクスシアイが中継をいったん締めた。
 
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