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コンビニライフ

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 一方その頃、海、健闘、柚達は、知恵子の配送トラックと合流し、これを襲った賊のイコンと戦闘を繰り広げていた。
 健闘のクェイルのアサルトライフルが火を吹く。
「俺に敵うなんて、まだ百千億年早いぜ!」
「健ちゃん? 間違ってトラックまで撃たないでよ?」
 香奈恵の呟きに緋葉が言う。
「あたしがダークビジョンで見てるから平気よ。まぁ、燃え過ぎな勇刃は見えてないかもしれないけど」
 柚のグレイもアサルトライフルを撃ち続けていた。
「柚! 当てちゃ駄目だよ? 中の人は生きて捕らえるんだからね?」
「わわ、わかってます!!」
 そう応える柚の傍で小爆発を起こすシュメッターリング。健闘が一体の腰を狙い倒したのである。
「やるじゃん! 流石、警備員ね!」
 すっかりトラックのアサルトライフルを撃ち尽くした知恵子がヒュウと口笛を吹く。
「知恵子様。敵の方、妙ではありませんか?」
「ハンゲルグ?」
「こちらを沈めようと思えば、先に回りこんで停車させるはずです……しかし、それを行わなかった」
「あんた考えすぎだよ。向こうの脳味噌が少し足りなかっただけに決まってるじゃん?」
「そうでしょうか……」
 その時、柚が残りの一体を仕留める。
 煙をあげて崩れ落ちるシュメッターリング。


「おい、盗賊たち。何でこんな事をしたんだ?」
 イコンから引きずり出して拘束した二組の男達を前に、海が尋問する。
 海の傍にはスクラマサクスを構えた健闘とホーリーメイスを構えた柚が立ち、彼らを逃さぬよう用心していた。ちなみに健闘と柚のパートナー達は、海の指示でイザという時の為、各々のイコンでスタンバイしている。
「盗賊が物を掻っ払うのは、至極当然な事さ?」
 みじんの反省すら無い彼らの態度に健闘が一歩詰め寄り、「貴様ら……」と怒りの声を出す。
「コンビニを安定運営させるため、俺達や店員達は真面目に働いているんだぜ!」
 柚も珍しく怒りの顔を見せる。
「そうです! 習いませんでしたか? 人の物を取っちゃ駄目だって!」
「嬢ちゃん? 生憎、俺達は鏖殺寺院育ちでね」
「鏖殺寺院だと……落ちぶれたものだな」
「ああ……お前らのせいでな」
「何をッ!?」
「よせ! 勇刃!」
と、海が制する。
「フン、結局俺達みたいな世界のあぶれ者には、もうこんな生き方しか残ってないのさ」
「そんな事ない……諦めたら駄目です!」
 柚がギュッと拳を握る。
「だから、扇動した何者かに従っているわけですか?」
 トラックから降りてきたハンゲルグが呟く。
「扇動……?」
 海がそう呟き、驚愕の表情で盗賊たちに向き直る。
「そう。俺達は陽動部隊さ。お前ら警備員を店から引き離すためのな」