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大廃都に残りし遺跡~魂の終始章~

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大廃都に残りし遺跡~魂の終始章~
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「……わたしだって、簡単に決めたわけじゃないわ。悩んで悩んで、それで決めたの。育てられるかどうかじゃない。『育てる』の。わたしは子供が出来たら、その子を幸せにする。絶対に、するの。暖かい環境で……その子が生まれてきて良かったって、何の疑問も無く思えるように」
 私は産めと言われたから産むんじゃない。誰かの所為になんかしない。背中は押してもらったけど、決めたのは私だから。
「だから、私は子供を作る。確かに、私はまだ子供かもしれないけど……、でも、何故だろう。育てられる自信だけはあるの。何を言っても無駄よ。だから……一緒に育ててくれるでしょ? フリッツ」
「…………」
 あなたと一緒に、育てたいから。あなたと“今”を生きたいから。
 向かい合って。目を逸らさずに笑顔さえ浮かべて。
「……わかった。オマエがそこまで意思が固いなら、最後まで付き合ってやるよ! しゃーねぇなぁ!」
 フリードリヒはふいとそっぽを向いて、でもはっきりとそう言った。現在の彼女の身上を考えての発言だったが、それだけ『決めて』いるならこれ以上の無理な反対はしない。
「……そう、最後まで、“わたし”と子供をお願いね」
 そうして、彼女はウインクした。