リアクション
◇ ◇ ◇ 同時刻。 海の依頼で調査に乗り出した佐野 和輝(さの・かずき)、アニス・パラス(あにす・ぱらす)、禁書 『ダンタリオンの書』(きしょ・だんたりおんのしょ)の三人は、行方不明や死亡した子供の一覧を調べていた。 アニスがちょこちょこと動き回り、サイコキネシスで一覧表がまとめられているファイルを浮かせて持ってきたりしている。 「リオーン。あっちにまだファイルがあるから持ってきてー」 「ん? アニス、本が自ら動く事は無いのだよ。ああ、そこの資料を取ってくれ」 「アニス、こっちのファイルはもう調べ済みのやつだ。ついでに戻しておいてくれ」 「もーしょうがないなぁ〜」 式神の術を使ってキュゥべえのぬいぐるみを式神にすると、ダンタリオンに行って欲しいと言った方へキュウべえのぬいぐるみを向かわす。 和輝に言われたファイルの束は、先ほどと同じようにアニスのサイコキネシスで浮かばして元ある場所へ戻していく。 ………… ………… 「あ、これ」 「なになに、リオンもしかして見つけたの?」 和輝とアニスはダンタリオンが開いているファイルを覗く。 ファイルに記されている項目を読んでいく和輝。 「アソオス・アグノス。テネシティ出身の7歳……書かれているのは3年前だから今は10歳か。家族構成は、父スパオ・アグノスと母クレヴォ・アグノスの三人暮らしか」 「和輝、こっちを見て」 ダンタリオンが見せるファイルにはテネシティの死亡者一覧が乗っている。その中にはアソオスの両親の名前がある。 「父親は心臓付近を何度も火かき棒で刺されて死んだみたいだな」 「うへぇ〜」 「ちなみに母親の方は顔を潰された上でのどを掻っ切られたようだぞ」 「うわぁ〜」 「どちらも相当の怨みが募って殺したかのような殺し方だな」 「ということは、家族はいないみたいだねぇ」 「否、まだ親戚の線が残っている」 「なら、母親の方の親戚の方へ行かないか? 母親の両親は健在のようだぞ」 ダンタリオンの案で母親、クレヴォ・アグノスの両親が住んでいる家に向かう事になった。 |
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