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リアクション
解かれていく謎
図書館で情報を交換している北都、モーベットと御神楽 舞花(みかぐら・まいか)の三人。
「僕たちはねぇ、『血縁の水晶』って本を見つけたよぉ。血の契約でアンデッドを作り出す事ができる水晶みたいだねぇ」
「私は御先祖様の手を煩わすのは気が引けましたが、陽太様に情報収集を依頼しました。そこで集めた情報の中に水晶玉の事が出てきますが、これのことですね」
舞花は御神楽 陽太(みかぐら・ようた)が集めてくれた情報をあげていく。
・水晶は元々ネクロマンサー・エピスィミアの持ち物だった。
・アソオスが訪れた村はエピスィミアの生まれ故郷である。
・アンデッドが訪れる場所場所で若い男女を捕まえてアンデッドにしている模様。
「以上の事から一夜の事件というのは、エピスィミアの水晶『血縁の水晶』をアソオスが手に入れた事で引き起こされた事件のようです」
「いつの時も道具に魅入られる者はいるのだな」
「水晶を使ってアンデッドにしている事は分かったけどさぁ、アンデッドをお兄ちゃん、お姉ちゃんと言っている理由はまだ解らないよねぇ」
「陽太様の情報の中にはありませんでしたね」
「理由は分からないがアソオスのことは多少情報を掴んだぞ」
老夫婦から聞いた情報とアソオスを引き取った兄妹についての情報を持って来た和輝たちがやってきた。
「どんな情報ですか? こちらは水晶の事は掴みましたよ」
やってきた和輝たちに『血縁の水晶』の書物と陽太の集めた情報を見せる舞花。
和輝も老夫婦からもらった写真を見せ、聞いてきた話を伝える。
「この兄弟がアソオスを守る為に引き取ったのですか? ずいぶん若いですね」
「守るには守るが、保護の為に引き取った訳じゃなさそうなんだ」
「え?」
「アソオスはもともとマインドコントロールに近い精神汚染ができる力を持っていたようなんだ」
「操られたその兄弟が、アソオスの両親を殺した?」
頷く和輝。
「あの、操られただけでその兄妹はアンデッドではなかったのですか?」
「アンデッドではなかったみたいだぞ」
「まだその時は『血縁の水晶』を持っていなかったみたいだねぇ」
「あとはアソオスがアンデッドを兄とか姉といった敬称の訳が解れば良いのだが……」
各々考え込んでいると、アニスがぽつりと思い出したように言う。
「ねぇねぇ。あたしのおにぃちゃんになって、おねぇちゃんになってって自分が守ってほしいからそう言ってるの?」
「そうじゃないか? 虐待していた両親を殺していることから」
「己の身を守ってほしいが故に人間を操るのか」
「ですがそれだけの理由で兄、姉と呼ぶのは少々……」
「……ここで考えていてはクローフィ街で足止めしている人に負担がかかる。アニスとリオンはここに残って調べ物を続けてくれ」
話しを切り上げ和輝が立ち上がる。
「貴様はどうするのだ」
「俺は海にこの事を伝えてくる」
「りょーかぁい!」
図書館から出ていく和輝。
「みんなすっごく頭使ってるよね? アニスたくさんお菓子持って来たんだよ!」
キュゥべえのぬいぐるみに持たせていたお菓子をテーブルにバラバラと落としていく。
ため息をつくダンタリオンとモーベット、出てきたお菓子をもらう北都と舞花。
「いただきまーす!」
「あなたたち! ここは図書館内よ。食べるなら外で食べなさい!」
「すみませーん」
いったん外へ出ていく北都たち。
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