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動物たちの守護者

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動物たちの守護者

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◆エピローグ「周りを見よ」◆

「すみませんすみませんすみません」
「イキモさん、落ち着いて」
 壊れたステレオのごとく、同じセリフを繰り返して頭を下げ続けるイキモに、誰もが困惑の表情を浮かべていた。
 イキモはずっと動物たちのことばかり気にして、契約者や大会に集まった誰かが傷つくことを、まるで考えていなかった。そのことに気付いたから――いや何よりも、彼は怖いのだろう。
 信頼していた執事に裏切られ、周囲の人間に向ける目が恐怖に染まっていた。
 鉄心が、そんなイキモに一歩近づき、話しかけた。

「イキモさん。あなたはもう少し、周りを見るべきだ」

 えっと顔を上げたイキモに、鉄心は目を別方向へと向けた。目線の先には――。

「旦那さま……」

 心配だと全身で表しているイキモの家人たちがいた。
「お前たち、どうしてここに」
「この人たちは、大会の間、ずっとあなたのことを心配していました。あなたのことを大事に思っているのは、動物たちだけじゃないんです」
 イキモがハッと目を見開く。そう。動物を大切にするあまり、人の姿が見えなくなっていたのだと、ようやく気付いたのだ。
「そうですよ! 私たちだって」
 鉄心に続いて、加夜が口を開く。イキモが元気な姿の加夜に安堵し、また謝ろうとしたのを遮って、加夜は言った。
「私はイキモさんの活動を応援してます。私にできることがあるなら手伝います。だから、こんなことで負けないでください。

 あなたには、心強い存在がこんなにたくさんいらっしゃるのですから」


 涙を流し、「ありがとうございます」と頭を下げた彼は、今までの頼りない表情をどこかへ置き忘れてきたかのように、強い意志を目に宿らせていた。


【動物たちの守護者】完!



◆おまけ?

 時間と場所が少し変えて、ここは組織のアジト。

「うおっすげー。まさかこんなに貯め込んでたとはな」
 袋の中を覗いたエヴァルトが歓声を上げた。中には札束や高そうなアクセサリーなどが詰め込まれていた。
「こんだけあれば……」
 思わず生唾を飲み込み、買いたい物について考え込む。顔はすでに緩み切り、あの時に見せた気迫はなんだったの? と、言いたいほどだ。

「物品を回収しろ! 証拠を見逃すな!」

 そんな彼に残念なお知らせを届けたのは、扉を壊して突入してきただった。

「へ?」
「む、金品を集めてくれたのか。感謝する。あとは私たちに任せ、休むと良い。おい、そこの貴様。これを運んでいけ」
「ハッ!」

 茫然としている合間にどこかへと運ばれていくお金たち。思わずエヴァルトの手が伸びたが、何もつかめなかった。
 がくっと膝をつく。
「そんな……一攫千金……俺の金」

 世の中、そうそう甘くないのである。


【動物たちの守護者】(本当に)完!

担当マスターより

▼担当マスター

舞傘 真紅染

▼マスターコメント

 割かし、今回はシリアス(?)に頑張ってみた舞傘 真紅染です。ほら、オチとかつけたいのを我慢し……我慢し……たんですよ、一応。

 とにもかくにも、大会参加者いなかったらどうしよう? とかドキドキしてたので参加していただいて、とてもうれしかったです。ありがとうございます。
 ちなみに他の競技ですが、主人が迷路のゴール地点に待機してゴールまでどれだけ早くたどり着けるか、が絆迷路レース。知恵比べでは、今までやったこともない芸をどれだけ早く、正確に覚えられるかを競いました。
 あと、優勝と言う形ではなく、いろんな賞が贈られるタイプになります(頑張ったで賞、かわいいで賞みたいな)。ペットちゃんに直接は送れませんので、代わりにペット関連の称号をご主人に贈らせていただきます。

 いろいろな方面にかけられたアクションを読ませていただき、こういう考え方もあるのか〜、とか。イキモさん、結構モテモテ?(笑)とか。気づかされたり、笑ったり、と私の方が楽しませていただきました。本当にありがとうございます。

 今回、みなさんのおかげで無事に組織を壊滅させることができました。イキモさんも一つ成長し、これからも活動を頑張ってくれることでしょう。
 またどこかでイキモさんを見かけたら「がんばってるか?」とでも声かけてやってくださいな(もしよろしければ。

 では、今回はご参加いただきありがとうございました。