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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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エピローグ3

 戦闘終了後 土佐 格納庫

「禽竜を無事に連れ帰ってくれて助かりましたー」
 土佐の格納庫。
 戦いを終えて帰ってきた鋼鉄の戦士たちを迎えながら生駒は、既に機体から降りている鉄心とティーに向けて話しかけた。
 先の戦闘中、スクリーチャー・ゲイルを撃退した後、空中で動きを停止した禽竜。
 あわや墜落というところで間一髪、鉄心たちのマルコキアスが急行し、背後から羽交い締めにして落下を防いだ後、そのまま土佐まで連れ帰って来たのだ。
「こう言っては何だが、禽竜は不安の残る機体だ。それに裁さんは一般の生徒であり命の恩人でもあれば、フォローしないわけには行かないだろう」
 当然のことだと言うように答える鉄心。彼に続き、ややあってティーが口を開く。
「それでは、私たちはこれで。医療用飛空艇に搬送された裁さんが心配ですから……」
 そう言って医療用飛空艇へと向かって行った二人を見送って少ししてから、生駒は格納庫に立って愛機である魂剛を見上げている唯斗を見つけ、声をかけた。
「唯斗さん、ちょうど良かったー」
 生駒からの声で、唯斗は魂剛から目線を移して振り返る。
「生駒か。どうした?」
 振り返った唯斗に向けて頷くと、生駒は魂剛を見上げながら語り始める。
「先程、帰投してきた魂剛を整備させてもらいましたー。その時、わかったことなんですがー」
 再び唯斗に目線を向け、生駒は説明を続けた。
「先程の戦闘で、魂剛の各関節が結構摩耗してて、全体的にもかなりの負荷がかかってたみたいですー。たった一回の戦いですけど、機体はかなり疲弊したみたいですねー」
 いつも通りの口調でそう告げていく生駒。
 それに対し、その説明を聞いていた唯斗は忸怩たる思いを感じていた。
「ッ……俺の腕が未熟なせいで……!」
 思わず歯を食いしばりながらそう呟いた唯斗に、生駒はやはりいつも通りの口調で声をかけた。
「違いますよー。その逆ですー」
 歯噛みしていたところにそう言われ、思わず唯斗はきょとんとしてしまう。驚きと困惑できょとんとしている唯斗に向けて生駒は口を開いた。
「唯斗さんの腕が良過ぎるんですー。これは整備データを見たワタシの私見ですけどー……前回と今回、短期間に二回続けて強敵と戦うという極限状態での実戦を経験したことで、唯斗さんは短時間で大幅に武人としての進化を遂げたんだと思いますー。だから、今は唯斗さんの武術、それも剣術に機体が反応しきれてないだけでー。機体を改良すれば唯斗さんの技量にも十分ついてこれるようになりますから大丈夫ですよー。むしろ、唯斗さんも魂剛ももっともっと強くなれますー」
 その説明を聞き、唯斗はほっと胸を撫で下ろすと同時に、自分の両手に目を落とす。
「俺が武人としての進化を――か」
 物思いにふけりながら、しみじみとそう呟く唯斗に向けて、生駒はなおも声をかけた。だが、その声は先程と違って、どこか躊躇いがちだ。
「あと、これはまったく強制ではないし、もちろん唯斗さんの気持ち次第で構わないんですけど―、あるいは――」
 そこで一旦、言葉を切ってから生駒は本題を切り出した。
「――新たな機体に乗り換えるのも一つの手ですー。それも、イコン操縦の達人であることはもとより、剣術の達人でもあるパイロットが乗ることを想定して設計された機体に。ただし、そんな機体が存在すればの話ですがー」