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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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エピローグ4

 戦闘終了後 ツァンダ上空付近

 戦闘終了後、予め待機していた大熊 丈二(おおぐま・じょうじ)は愛馬であるシルバーに跨り、撤退していく黒い“フリューゲル”の追跡にかかっていた。
 既に丈二は指令部からの許可を取り付け、蒼空学園のイコン製造工場の正確な位置や敵イコンがイコン製造工場へ襲撃した際の、侵入ルート、時刻、速度等の移動データ。
 更には敵イコンの巡航速度、最高速度等の移動力に関する推定データを入手しており、それを銃型HCにダウンロードしてある。
 通信から位置を探知されるのを警戒してダウンロード後は通信を封鎖し、受信のみに移行することで彩羽によるハッキング等にも備えていた。
 まさに準備は万全だ。
 進行して来た方角には、直に基地は無い可能性が高いが、移動の為の母艦なりが存在していた可能性を考えている丈二。そんな彼に相棒であるヒルダ・ノーライフ(ひるだ・のーらいふ)からのメッセージが届く、もっとも受信のみに移行している為、丈二からの返事はできないが。
「でも丈二、敵が低高度を飛ばずに雲の上を飛んできて、急降下してきていたらどうする? そうしたら、目撃情報も得られないし、雲の中に隠れられてたら母艦も探しようが無いわよ?」
 ちなみに、今回の追跡では『敵イコンが撤退する際に、後をつけるのが確実じゃない?』という彼女の意見も参考にされている。
 敵機の撤退に合わせて行動を開始した丈二とシルバーだったが、最初こそ敵影を捉えられていたものの、すぐにその姿は遠ざかっていく。ペガサスであるシルバーの飛行速度も相当なものだが、敵機の速度はそれ以上だ。
 どうやら既に九学側が持っていたデータ――前回交戦した濃緑の“フリューゲル”のデータに記録されていた速度を、漆黒の“フリューゲル”の速度は遥かに上回っているらしい。
 しばらくは微かにであるが敵影を捉え、追従出来ていたものの、すぐにその姿は見えなくなる。やがて完全に敵影を見失った丈二は、周囲を警戒しつつ、ある程度飛び続けた。
 ある程度飛び続けた末、開けた場所に出た丈二とシルバー。その場所にいた人々から目撃情報を得られないかと期待し、聞き込みを行ったが、結局有力な目撃情報は得られなかった。
 追跡を行ったものの、結局、未だ敵の拠点は謎のままであった。