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リアクション
「――ぐっ!!」
「グレゴさん!!」
突然、大男と闘っていたグレゴワールは苦しそうな声をあげる。
兵士へ天のいかづちを与え闘っていたシャノンは、膝をつくグレゴワールに一番に気がつく。
そして、大男はまさにグレゴワールへと大剣が振り下ろされようとしていた。
「たあああああっ!」
凜々しい女性の声と共に、グレゴワールを守るようにグロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)が駆けつけ、抜刀術で大剣をはじき返す。
大男は再びグロリアーナへ向けて、大剣が襲いかかる。
「妾は、信という物が嫌いでな……」
「なんだ突然」
大男の大剣を受けながら、グロリアーナは突然語り始めた。
「それが妾の父を狂わせ、果ては母を殺した……では、問おう。其方達が信ずる者とは何だ」
「我は我の力なり、我の力こそが万物を超えるものなり」
「それが答えか……」
「さあ、おしゃべりは終わりだ。俺の剣はお前を真っ二つにする」
大男の大剣がさらにずっしりと重くなったように感じられた、グロリアーナは歯を食いしばりながら何とか受け止める。
しかし、既に重い剣戟にグロリアーナの腕はすでに悲鳴を上げていた。
「しびれ粉や毒虫が舞っているというのに、わざわざやられに来るとは愚かですね」
「それはどうかな!」
笑いながら言うファンドラの言葉に女性の声が返ってきた。
突然、シャノンの隣で光学迷彩を解きローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)が姿を現す。」
教会中を風術が吹き荒れ、しびれ粉はたちまち、教会の外へと吹き飛んでいった。
「ほら、今のうちに毒虫を頼むわ!」
「あ、はい!」
ローザマリアに合図を受け、シャノンは火術で残った毒虫の群れを焼き尽くした。
そのタイミングで、グロリアーナはんとかヒプノシスを発動させると、大男はよろめいた。
「ぐっ、これは……眠気か」
「好機!! 覚悟!」
「ぐううっ」
グロリアーナは声をあげて、斬りかかる。
一閃は見事に男の肩を切り裂き、血が噴き出した。
「ご無事ですかルイ司祭!」
一番に騎沙良 詩穂(きさら・しほ)は横たわる司祭の元へ向かう。
素早く詩穂は「お下がりくださいませ旦那様」を発動させ、ルイ司祭を兵士たちから守る姿勢をとった。
「……指輪は……どうなった」
ルイ司祭は振り絞るようにして声を出す。
詩穂はあたりを見回してみたが、指輪についてはどうなっているのかまったく分からない。
「……押され気味ですか」
ファンドラは教会の入り口からローズフランを始め、契約者達を見てつぶやいた。
しかし、ファンドラは動じるどころか笑みを浮かべた。
「グロッグ司祭、今のうちに指輪をとりなさい」
「なっ、あんたこの状況でまだそんなことが出来――」
「ええ、だから貴方達が退屈しないようにお相手を用意いたしましたよ」
ローザマリアが反論を言いかけたときだった、ファンドラが指をぱちんと鳴らす。
すると、爆音と共にローザマリアの1メートルほど隣の床が爆風ではじけ飛んだ。
ローザマリア達は爆風の直撃を受けそうになるところを、詩穂のオートバリアが守った。
「……ここからが専念場みたいだね」
爆風による煙が消えていくと、六連ミサイルポッドを二挺抱えたイブ・シンフォニール(いぶ・しんふぉにーる)を始めとし、ライフル銃を構える兵士達が待っていた。
そこにファンドラと大男の姿は消えてしまっていた。
しかし、詩穂達にファンドラ達を探す余裕を与えないようにイブが再び、ミサイルポッドを構えた。
「グロック17だかコーンフレークだか知らないけど……頭のおかしい人はシメる! セレアナ行くわよ!」
「ええ」
詩穂達の背後から、ルイ司祭の護衛をしていたビキニ姿の女性、セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)が二挺拳銃【シュヴァルツ】【ヴァイス】を掲げながら前に出る。
それに続くようにレオタード姿のセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)がソーラーフレアを構えセレンフィリティの真横に立つ。
ちなみに2人のその姿は、ルイ司祭から「あの……なぜそんな格好をしているのですか?」と言われたくらい、場所に合わない格好だった。
「……ターゲットヲ捕捉……」
「ぐあああああっ」
「甘いわよ!」
イブは再びルイ司祭らに向けミサイルポッドを構えた時だった、銃声と共に近くに居た兵士達から悲鳴が上がる。
セレアナは次々と兵士達の放つ段幕をイオンナの加護と女王の加護を得て、直感で次々と避ける。
そして、兵士達が弾を撃ち尽くしたところでセレアナは兵士達を次々と撃ち倒していく。
「イレギュラー発生、スグニ対応ルーチンヲ開始シマス」
イブはミサイルポッドをセレアナへと向ける、だが、そのターゲットに入り込んだのはセレアナではなくセレンフィリティだった。
「あなたの相手はあたしよっ!!」
「ターゲット変更……ビキニ」
イブは小さくつぶやくと、ミサイルポッドをセレンフィリティへ向ける。
セレンフィリティは「ひっかかったわね」と言うと、メンタルアサルトで左へ、右へと理解不能な走りをし始める。
イブはそのたびにミサイルポッドを動かし、放つが、それらは全て何も無い所へと命中する。
「行動ヨソクノ精度ガ著シク低下……エラー」
「隙あり!」
セレンフィリティはゴッドスピードでイブの懐へ入り込むと、二丁拳銃を放った。
「グ……生命キノウニ異常……続行フノウ」
イブはそのまま、音もなくその場へと倒れこんでしまった。
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