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横山ミツエの演義(最終回)

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横山ミツエの演義(最終回)

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 戦場だった場所に立って動くものは何一つなかった。
 人と機械が転がっているだけだ。人は、生きているのか死んでいるのかもわからない。
 ほとんど感覚のなくなった体は、自分のものなのかどうかも疑わしい。
 きつく巻いたはずの鉢巻は、どこかへ行ってしまったようだ。確かめようにも指一本動かす力も残っていないが。
 ここに転がって生きている者がいたら、みんな自分と同じ有様だろうとナガンはぼんやり思った。
 ──預けた帽子、取りに行けないや。
 戦塵にかすむ空がだんだん遠くなっていった。



 高台よりも高いところ、メニエス、ミストラル、ロザリアスの三人は空飛ぶ箒に乗って眼下を眺めていた。
 あれからメニエスは、
「これがばら撒かれたらもう生きていけない。いかがわしい人に追い回されて、弄ばれてボロ雑巾のように捨てられるんだわ」
 と、自分でも無理があると思うことを言いながら泣きまねをしてみれば、なんとケイは同情してメニエスを拘束していた手を緩めたのだ。
 まさかの幸運にメニエスはケイやカナタ、イリーナを振り切ってミストラルやロザリアスと逃げ出すことに成功した。
「負けちゃったねー」
 残念そうなロザリアスにメニエスは余裕の笑顔で答える。
「そうでもないわ。個人的な戦いにはまんまとやられてしまったけれど、ミツエは国を失ったもの。仲間達もバラバラ……何人が生きているかしらね」
 鏖殺寺院としての目的は果たしたのだ。
 ただ、足りないものがある。
「ガイアが倒されたせいで、生徒会への協力賃はどうなるのかしら。少しくらいご褒美があってもいいんじゃない?」
 ガイアに見返りとしてそれなりの地位をねだってみたりもしたが、それには鏖殺寺院を抜けるのが前提条件だと言われた。パラ実生徒会と鏖殺寺院は決して仲が良いわけではないのだ。今回は乙王朝という標的のために手を組んだにすぎない。
 これ以上眺めていても何もない、と三人は戦場を後にした。

卍卍卍


 数日後、パラ実生徒会より全土に向けて賞金首のビラがばら撒かれた。

 横山ミツエ 三億G
 劉備    一億G
 曹操    一億G
 孫権    一億G

 その他、相当数の名前と賞金額が続いていた。
 今回の生徒会への反逆を許す気はないという意志の表れであった。


 その頃、巷では『おっぱい三国志2』なるものが出回っていた。
 製作者は懲りない彼である──椿 薫(つばき・かおる)
 内容は、ミツエのおっぱいが勝つか董卓のおっぱいが勝つかというものである。
 しょうもない内容だが何故かブームになっていた。
 負けたほうにゲームのマスターロムを送り資金繰りに使ってもらおうと思っていたのだが、どちらも大破したのでそれはまだ薫の手元にあった。



 第二部へ続く

担当マスターより

▼担当マスター

冷泉みのり

▼マスターコメント

 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。

 そして遅くなりましたが、『横山ミツエの演義 最終話』をお届けいたします。
 第一話から参加くださった方々も途中参加の方々も一話限りの参加の方々も、大変お世話になりました。ありがとうございました。

 また、今回賞金首となった方にはその旨の称号をお送りしました。ご確認ください。
 もし第二部にもご参加いただけるようでしたら、行動の際にはパラ実生徒会にはご注意を。
 こちらの称号は『横山ミツエの演義』専用となります。ご了承ください。

 第二部は『横山ミツエの演義乙(ゼット)全4回』となります。
 第一話のシナリオガイド公開は1月31日(日)を予定しております。
 また皆様にお会いできることを心よりお待ち申し上げます。
※都合により公開日が変更になりました。誠に申し訳ございませんが今しばらくお待ちください。