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【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】

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【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】

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■□■5■□■「ゆる族にもっとスポットライトを!」

(「雪だるま王国」に神子が所属したら、
 きっと良い客寄せパンダ……もとい、
 素敵なカリスマ性を発揮して人々を惹きつけてくれる事でしょう。
 それに俺の十八番「安請け合い」を発揮して、
 雪だるま王国のメンバーに大見栄をきってきてしまった手前、
 手ぶらで帰るわけにはまいりません。
 雪だるま王国の更なる繁栄のため、必ずや神子の座を手土産にしてくれましょう!)
【雪だるま王国騎士団長】クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)は、
ヴぁいしゃりー達にすり寄っていた。
「ささ、お代官様……もとい、地祇の皆さま、山吹色の菓子でございます。
 ここは一つモノは試しに俺の知り合いに力を注いでみませんか?
 ほらっ、ぶっつけ本番だと失敗したらコワイじゃないですか?
 ほらほらっ、だからこそ今ここで本番さながらの練習とかいかがです?」
「おーほっほっほっほ、山吹色のお菓子を用意するとは、よい心がけね!」
「フフフフフ、ヴぁいしゃりーは単純だなあ。悪い気はしないけどね」
「クロセル、いったい今度は何を企んでいるざんす!?」
ヴぁいしゃりーとたしがんは懐柔されそうだが、ざんすかは疑いのまなざしを送る。
「いやですねえ、ざんすかさん、俺達、長い付き合いじゃないですか」
「長い付き合いだから、【もしかしたら黒セル?】なユーのことはわかってるざんす!」
狼の獣人シャーミアン・ロウ(しゃーみあん・ろう)は、モンスターペアレントっぽく、
ざんすか達に詰め寄る。
「こんなに可愛いマナ様が神子でないはずがありませんッ!
 いえ、寧ろマナ様でない神子に如何ほどの価値があっるのでしょうか!?
 世界はマナ様の笑顔で華やぎ、寝顔で安らぐのです。
 マナ様の御気分が優れないだけで、世界は容易く色褪せてしまう。
 このように、マナ様の一挙手一投足が世界の在り方を左右しているのです。
 これを神子と言わずして、一体誰が神子たり得るのでしょうか!?」
当人であるドラゴニュートのマナ・ウィンスレット(まな・うぃんすれっと)は言う。
「う、うーん……私が神子?
 シャーミアンが強く推してくれるから神子に立候補するが、
 特別な力など欠片もない私が神子である可能性は低いだろう?」
「ごにょごにょごにょ」
シャーミアンはマナに耳打ちする。
「なにっ?
 神子になると、シャンバラ各地から尊敬と共に貢物が贈られてくる?
 となると、オヤツも、オヤツも食べ放題なのか!?
 神子の力に目覚めれば、オヤツを心行くまで食べても太らないのだな!?
 うむっ、なんだか私も神子だったような気がしてきたぞッ!」
雪だるまの姿の魔道書童話 スノーマン(どうわ・すのーまん)も主張する。
「拙者、雪だるま王国が女王に近年、執筆された身でござるが、
 元々はアイテム「古代の書物」を編纂して作られた存在でござる。
 拙者の記憶が正しければ「古代の書物」時代は、
 魔道書の神子であったはずでござるよー。
 いやいや、嘘ではござらん。
 雪だるま王国王子という立場もさることながら、
 この高い鼻、凛々しい眉、抜けるように白い肌、自信に充ち溢れた表情。
 これだけモテ要素を兼ね備えた拙者が神子でないわけがないでござる。
 さあ、地祇の皆さん、遠慮なく拙者に力を注ぎこむと良いでござるよ」
如月 玲奈(きさらぎ・れいな)も、その横で自分の欲望を注ぎ込んでいた。
「神子スキルが使いたい!
 あと、この貧乳が何とかなりますように!
 ついでに巨乳は滅べばいい」
パートナーの狼のゆる族ジャック・フォース(じゃっく・ふぉーす)は吼える。
「マイナー種族から神子が誕生すれば輝けるはず。
 そしてマイナー種族から脱却してやる!」
「うんうん、個人的に優遇種族だと思っているのは剣の花嫁、機晶姫あたりだよ。
 主に専用装備が豊富だったり十二星華とかで目立っていたり」
「ゆる族にもっとスポットライトを!
 十二人の剣の花嫁に飛び掛って、
 背中のチャックを小人の小鞄の小人に開けさせて、
 星になってやるぜ!
 十二星華的な意味で!」
玲奈とジャックが騒いでいる隣で、
ジャジラッド・ボゴル(じゃじらっど・ぼごる)と、
パートナーのドラゴニュートゲシュタール・ドワルスキー(げしゅたーる・どわるすきー)は、
純粋な黒い願いを送る。
(地祇達はみんなチビだから、
 3メートルの巨漢のオレが一緒に合体すれば、
 大きくなり見た目だけは立派に見えるかもしれない。
 チビだからモテないとか考えている地祇達もいるだろう。大きくなればモテ期到来だ。
 おそらく他のやつらの願いは、
 シャンバラに平和とかの想いだろうと予想するが、平和ほど退屈なモノはない。
 本来、地祇達はシャンバラの自然界の精霊だと思うので、
 パラミタ大陸の資源を虎視眈々と狙っている地球側とは相反する立場じゃないだろうか。
 「地球側の侵略からパラミタの自然を守るには強大な力が必要」だという想いを送って
 危機感を抱かせてやる。
 強力な力は傾きやすいのでその揺らぎ、
 迷いを生じさせれれば悪に傾く神子の誕生や合体後のしゃんばらの性格に変化があるかもしれないからな)
(オレは自称はぐれ鏖殺寺院としてダークサイド側の神子として覚醒してやる。
 今後、地球VSパラミタ大陸の流れにしてやろう)
そんな思いが渦巻く中、
レン・オズワルド(れん・おずわるど)は、危険から儀式を守り、
誰が神子になるか見極めようとしていた。
(俺のパートナーもシャンバラを復活させる為に現れた奴だ。
 あいつの庇護者としては、
 あいつに神子としての資質があろうとなかろうと、
 シナリオの最後まで守ってやるつもりだ。
 もちろん神子に誰がなるかもしっかりと見極めてやる。
 この世界、俺達はこの土地で生きていく道を選んだ。
 その未来を切り開く為にも、俺はこの事件の最後まで立ち会おう)
レンのパートナーのシャンバラ人ノア・セイブレム(のあ・せいぶれむ)は、
そんなレンを見つめる。
(レンさんは知りません。
 レンさんにも神子の資格があることを。
 私がレンさんと出会った時、彼は死にかけていました。
 このままでは再び目を覚ますことはない。
 そんな彼に私は回復魔法を使いました。
 それも大量に。
 その結果、彼の身には必要以上の魔力が流れ込みました。
 私の神子の資質と共に。
 今回の神子の資格。
 それを「パラミタの民」とするのならば、
 パラミタに部屋を借り、冒険屋として生計を立てているレンはもう立派なパラミタの民。
 その身に宿る神子設定を呼び覚まし、今こそ人類初の神子なる時です!!
 頼りにしています! みんなのお兄さん!!)
国頭 武尊(くにがみ・たける)は、
儀式の護衛として、
邪な欲望を叫びながら合体に参加しようとする奴がいたらゴム弾やその身を蝕む妄執で攻撃しようとしていた。
パートナーの剣の花嫁シーリル・ハーマン(しーりる・はーまん)は、
武尊に言われるまま、怪しい行動をする。
「武尊さんが言うには光輝と暗黒二つの属性に強い抵抗力を持つ、
 厨ニ的な要素を兼ね備えた剣の花嫁こそが、
 神子に相応しいとの事なので、
 よくわかりませんがやってみます」
シーリルは、転経杖を回転させ魔力を増大させたり、
紅の魔眼で封じている魔力を覚醒させながら、
絶対暗黒領域とアボミネーションを発動させ、
その身を暗黒面に沈めつつ、
シャンバラに住まう全ての者達が幸せに暮らせるように
願いを込め幸せの歌を歌った。
「届け私の思い、シャンバラの果てまで」
シーリルの周りで、つぁんだ軍地祇達がバタバタ倒れていった。
「契約者じゃないやつは耐え切れない混沌ざんす!」
ざんすかが叫ぶ。
武尊は、透乃、陽子、レキにゴム弾を撃ち込む。
「性的にヤバい発言をするんじゃねえよ!
 蒼フロは全年齢対象のゲームだろ!」
さらに、葵やイングリット、クロセル、シャーミアン、スノーマン、玲奈も攻撃する。
「私欲のためとかは邪悪だろ!」
そして、ジャジラッドとゲシュタールは本気で攻撃する。
「口に出して言ってないけどものすごく邪悪な感じがした!」
「マ、マナ様……ぐふっ」
マナは、シャーミアンが守って無事だった。
「シャーミアン!?
 お菓子食べたいのの何が邪悪なのだー!」
「そうだにゃー!」
マナに、イングリットも同意する。
「うるさい、オレですら自重してんのに、君等に好き勝手させるかよ!!」
と武尊はブチ切れる。
「そもそも、
 おまえが邪な気持ちを抱かせるような発言をしたせいで儀式に集中できないであろう!!」
しゃんばらだいこうやは、ヴァーナーに八つ当たりする。
「邪な気持ちってなんですか?」
ヴァーナーはたずね、ケイは目をそらす。
「うるさい! とにかく責任取るのである!」
「きゃー!?」
「やめてくれよ、その、悪いのは俺……うわあああああ」
しゃんばらだいこうやは、ヴァーナーとかばうケイを杖でげしげしした。