リアクション
第三章 試合を終えて
「ピーー」
翔が騎馬戦の終了の笛を吹き鳴らした。
「試合終了」
翔の大きな声が今まで戦っていた選手達に聞こえる。
「選手は退場した選手も含めて全員整列!」
「礼!」
きびきびとした挨拶が蒼空学園とイルンスミール魔法学校の間で交わされた。皆、疲れきったそれでいて満足した顔だった。
「よし、それでは結果発表をする」
舞台には涼司とエリザベートが立っていた。翔は2人の手を掴む。
「勝者、蒼空学園!」
翔の手は、涼司の手を高く持ち上げていた。
「お疲れ様です」
柚が三月を待っていると、海が先に戻ってきた。
「あ、あのこれ良かったら使ってください!」
皆に配るようにと特製ドリンクとタオルを柚は持参しており、海へそっと手渡しした。
「ああ……」
軽く頭を下げると海は受け取って、ロッカールームへと戻っていった。
「ゆ・ず!」
三月が柚を見つけて駆け寄ってくる。
「ねえ、どうだった?」
「かっこよかったよ」
ドリンクを渡しながら、素直に柚は話す。
「本当?」
「そうだよ!」
「あの…お友達になってくれたら嬉しいです。アゾートちゃんって呼んでいい…かな?」
歩夢はサッサと帰ろうとするアゾートを呼び止めた。
「別に良いよ。じゃあ、ボクは帰るから」
「うん、じゃあね」
「良し、それじゃあ。約束通りスクール水着になって貰おうか!」
「し、しかしぃ。水着が無いのでは、着替える事は出来ませねぇ」
精一杯の抵抗をエリザベートは見せるが、涼司は勝ち誇った様に指を鳴らした。
「蓮花!」
「はい、準備はばっちりです!」
ウォーティアが滑り込むように、スクール水着を持って現れた。
「はぃい?」
準備の良さにエリザベートも開いた口が塞がらない。
「蓮花、着替えの方も手伝ってやれ」
「お任せ下さい」
ピッと敬礼すると、風のようにエリザベートを更衣室へと連行した。
「中々似合ってるじゃないか!」
ガハハと涼司は大声で笑う。
「くぅ、覚えてなさぃ」
恥ずかしそうにモジモジとエリザベートはしている。胸元に付けられた名札が可愛らしさを更に引き立てる。
「良し、記念撮影でお仕舞だ」
選手、観客が入り乱れて皆で空を見上げている。競技場高くに取り付けられたカメラが、全員の笑顔を捕まえる。
「ハイ、チーズ☆」
はじめまして、又はお久しぶり。村野 憂規と申します。ノーマルシナリオ『【新入生歓迎】新入生歓迎騎馬戦!」に参加して頂き、ありがとうございました。
お待たせをしてしまい、申し訳ございませんでした。
これが2回目のシナリオとなります。運営チーム殿からこのお話を戴き、学園ってどんなイメージを皆さんが持たれているのか。自分の学生の頃や想像しているイメージと違ったら如何しよう。
そんな事を思いながら、執筆をさせて頂きました。
この人ならまた参加しても良いな、と思って頂けたら幸いです。
皆様、これからも宜しく御願い致します。
御参加頂き、ありがとうございました。