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リアクション
=第5章= 援軍到着!示せ、仲間のパワー!!
モートンが暴走し、それをトーマスがひとりで止めようとしていたのは、ほんの数分前のことだ。
もうすでに、トーマスは、数えられないほどの仲間に支えられていた。
自発的に、または車内からの信号を見つけた者たちが駆けつけてくれたのだ。
「トーマス!助けに来たぞ!――うおおおおお!!!!」
「トーマス様、手伝いに来ました!!!」
唐突のことに「えっ」と一瞬驚いたトーマスだったが、その顔はすぐに満面の笑みに満たされる。
武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)と重攻機 リュウライザー(じゅうこうき・りゅうらいざー)が、がっしりと両腕をトーマスに回し、
後ろから彼女と一緒にモートンを抑え始めた。
【怪力の籠手】を装備し、なおかつ重装備で身を固めたふたりは、強力なストッパーになる。
リュウライザーは【固定具付き脚部装甲】で脚を固定しているため、足元からかなり地面をえぐる音が聞こえるが、
【機晶姫用フライトユニット】などで、浮力によりモートンに反発する力を加え始めたため、音はすぐ小さくなった。
頼りになる仲間はどんどん増えていく。
しかも牙竜はコミュニティ【アルマゲスト】の管理人にして、指導者だ・・・・・・仲間同士の連携は、確実に高まっている。
「暴走機晶姫ヲ確認――対処行動ヲ開始シマス」
エッツェル・アザトース(えっつぇる・あざとーす)のお達しにより、空京への移動を一時中断しやって来た
アーマード レッド(あーまーど・れっど)は、牙竜の横に入ると、ダッシュローラーを全開にして力を加える。
はた目から見ると、ロボット同士の強烈なバトルシーンにも見えてしまう。
更にここに、ゆったりと落ち着いた服装と物腰の男性が、小型飛空艇・アルバトロスと共に舞い降りてくる。
さながら、救世主のようだ。
「細かい事考えてる暇はねぇ!ランザー、レイオール、助太刀に入るぞ!!」
【アルマゲスト】のメンバー篠宮 悠(しのみや・ゆう)は、牙竜とすれ違いざまに情報交換し、状況を把握していた。
自分とパートナーができることは、と考えた結果、パートナーふたりをモートンを止める側にまわすという部分に帰結したのだ。
「――任せなぁぁ!!」
「――止めて見せるのだよ!!」
闘志を燃やしながら、ランザー・フォン・ゾート(らんざー・ふぉんぞーと)とレイオール・フォン・ゾート(れいおーる・ふぉんぞーと)が
モートンの前に立ちはだかる。
ランザーは、エヴァルト・マルトリッツが絡めていた氷結鎖に、重ねるように【氷術】を叩きこみ、徐々にモートン自身を凍らせていく。
線路とつながっているモートンは、暴走しながらその氷をバキバキと破壊していくが、めげない。
レイオールに至っては、同じ機晶姫と言う種族同士というところから、人一倍の意気込みで【加速ブースター】を回転させる。
――冬の鍋の中のように、トーマスとモートンの周りは賑やかになってゆく。
「みんな、力を合わせてモートン君を止めるのよ!」
小型飛空艇・ヘリファルテで、少女機晶姫ふたりの横に付けたリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)は、まず、
光の箒で隣を飛んでいるパートナー、空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)に視線をうつす。
狐樹廊があわてて飛び出して行ったものだからついて行って見れば、この大事態だ。
「ちょっと、直にサポートに入るのは無理そうだから……狐樹廊はヒールでみんなの回復!」
それからサッと、ヘリファルテの後ろに乗っているもうひとりのパートナー、中原 鞆絵(なかはら・ともえ)・・・・・・もとい、
中原 鞆絵に憑依した「奈落人」木曾 義仲(きそ・よしなか)に指示を出す。
「いつの間にか、トモちゃんの中には義仲君が入っちゃってるし・・・・・・」
「わしはモートン殿と力比べをしたいのだ!!」
「駄目だったら駄目!!トモちゃんの体で無理しないで!!ヒロイックアサルトで【氷術】の力を高めてあげて」
「むむ……かような要望、真に受諾し難く・・・・・・」
「はいはいッ、魔法攻撃力増幅が無理みたいなら、狐樹廊と一緒にヒールをかける!!」
夫婦漫才のような掛け合いを済ませ、リカイン本人も【パワーブレス】で仲間たちを援護し始めた。
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