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後攻は変態達の物ボケを披露しようと、にゃんくまが懐から迷彩柄のヘルメットを取り出し、床へと置いた。
「む! こんな所にヘルメットが」
 変熊はヘルメットを持ち上げると、石鹸を泡だてるしぐさをし、にゃんくまの背中を捕まえる。
 暴れる振りをするにゃんくまを手で押さえながら、変熊はにゃんくまの胸を逆撫でる。
「お客さん、こういう店ははじめて?」
 そう変熊は聞くが、にゃんくまには聞こえて居ないようだ。
「まぁ、そう緊張しなくていいですよ」
変熊は、泡だてた石鹸の泡を取り上げ、にゃんくまの身体に付ける振りをする。
と、どこからかスケボーが変熊に向かって来たと思うと、変熊はスケボーにうつ伏せになり前後に行ったり来たりをする。
わさわさと、全身でにゃんくまを撫でながら、変熊は涙声で……
「あたしは借金がかさんじゃってねぇ……」
 そうしみじみと言うなりスケボーから立ち上がり、にゃんくまと共にポーズを取る。
「ペットシャンプー!」
(借金がかさむとそんな所に売り飛ばされるでありますか。ははは、怖いでありますな)
 吹雪はいまいち変熊のネタが判っていないが、なんとなく笑ってしまった。
「しまった。笑ってしまったであります」
 そう言った直後、固い拍手をしながらコリマが三人に向かってくる。傍らには何故か乳母車と普通のバッドを持った金元ななな(かねもと・ななな)が立っている。
(三人とも見事だったぞ。私もつい笑いそうになってしまった。特に葛城君。何時私を観察していたのか判らないが、結構似ていたと私は感心したのだよ)
「ということで、笑った人は尻バットのお仕置きなんだよね」
 ぎらりと目を光らせながら、なななは吹雪の尻に向けて一回叩くのだった。
(自分はコリマ校長の前でネタを披露できたのが嬉しいであります)
 吹雪は笑顔でコリマに言うと、乳母車に乗せられて退場したのだった。

退場していく吹雪となななをコリマと変熊、にゃんくまの三人が見送ると、コリマが突然変熊に向けてプラカードを見せつけた。
プラカードには何処かのジャングルと落とし穴、それと海パン姿の男性が逆さまに落とし穴にはまっている写真が貼られている。
海パンには名前が書かれていて、小暮 秀幸(こぐれ・ひでゆき)(名字はすべてひらがな)と確認できる。
突然見せられたプラカードに、レズやホモのネタに弱い変熊は吹きだして笑い声を出した。
「しま……った……だとっ!」
てっきり何か合図があるのかと思った変熊は、突然のコリマのネタ披露に愕然とした表情で床へと崩れ落ちた。 
直後、ゲームに使われていそうな荘厳なファンファーレが鳴り響き、スポットライトがコリマに向けて当たる。
(突然こんな所に呼ばれて最初はびっくりしたが、良い息抜きになったよ。だが、私もまだまだ忙しい身。私のネタもこれだけなので他にネタがあると見た変熊君達に譲ろうと思うのだがいいかね?ムッシュW)
 そう言うと、コリマはここに来てから始めて笑ったのだ。
コリマが笑ってから数分後、がらがらと音を立てながら乳母車を押してきたなななはコリマを優しく乳母車へとエスコートしたのだった。

仕切り直しと言わんばかりに、変熊達にスポットライトが当たりファンファーレが鳴り響いた。
 こうして、バトルロ笑イヤル予選・サバイバル文化資料館はひっそりと終わったのである。