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再来、呪いの○○○人形!

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再来、呪いの○○○人形!

リアクション

「人形どもよ! 俺様が来たからには好きにはさせねーぞ! イタズラ勝負、受けてたつぜぇ!!」
「多分違うと思うから落ち着いて!」
「……二人とも、何だかんだで息のあったコンビでなによりだわ」
 イタズラ勝負に乗りもうとするゲブー、それを止める夢悠、その二人のやりとりに少しだけ笑ってしまう雅羅。
 息の合ったトリオ、とでも言うべきだろうか。そのトリオの一人、ゲブーが人形に押し迫る。
「お前らぁ! 俺様より先に雅羅の机にアイアイ傘落書きをしようとしてるそうだなぁ? だがさせねぇ! それはこの俺様の役目だからな!」
「げ、ゲブーさんの言ってることはともかく、君たちも大人しく捕まるんだー。そうしないと追いかけるよー」
「そうね。捕まえられたくなかったら逃げないとね。私たちは追いかけるけど」
 その言葉、逃げれば追いかける、に反応した人形たちの目がキラキラと輝く。
 追いかけっこが好きな年頃なのだから、キラキラしても仕方のないことだろう。
「さあ、人形野郎共! 俺といたずら(おっぱい揉み)勝負だ! おっと、その前にてめぇらにはモヒカンをプレゼントするぜぇ。これでお前らと俺は今日から、友だ!」
「後半はいいこと言ってるけど前半だめだからね!」
「そもそも人形じゃできそうにないけど」
「なら、俺から先手だぁ!」
 そういったゲブーが何の躊躇もなく雅羅の胸へとダイブ。
 何度か胸をもまれてしまっている経験から、咄嗟にガードの態勢を取る雅羅だったがそれは無駄に終わる。
「はいストーップ! ここから先は通行止めです! ゲブーさんは僕と一緒に人形を捕まえてますよ!」
 雅羅の前に割って入った夢悠がゲブーを止める。
「ほほう、モヒカンもつけてないのにやるじゃねぇか!! なら雅羅じゃなく、先に正子からだ!」
 そう言って人形たちを追っている正子へターゲットを変更したゲブー。しかし、それすらも阻まれる。
「だから、いけません。これ以上はめっ、ですよ?」
 正子の前にはまたしても加夜が立ちはだかる。
「なるほどぉ! 今日はガードがかたいおっぱいばかりだな! だが、それでこそオッパイマスターの腕がなるってもんだぜえええ!」
 もはや所構わずおっぱいめがけてターゲットロックをしたゲブー。しかしそのゲブーもまた、蒼空学園三代目校長の目にロックオン対象になってしまった。
「いささか風紀を乱す言語が多すぎる。よって他校の校長から、愛のムチだ」
「ほう、俺様を止められるか!? 真っ向から行くぜぇ!」
 正子に向って真っ直ぐすぎる右ストレートを打つゲブーに、真っ向から右ストレートで応える正子。
 二人の拳聖が放つ鋭利かつ膨大な威力を秘めた拳と拳とのぶつかり合いに、人形たちも唾を飲み込む。いや、ないのだけれど。
「俺のパワーを止めるとは。さすがいいおっぱいだぜ、正子!」
「おぬしもなかなかいい腕だ。が、踏み込みが足りん……ふんっ!」
 正子の右腕が更に隆起し、そのまま振りぬかれる。結果、ゲブーは空に向って飛んでいった。
「さすがだ正子! 次は、次こそは絶対にもんでやるからな! 雅羅も待ってろよー……
 こうしてゲブーは空のお星様に強制的に新年の挨拶をしにいったのだった。
「だ、大丈夫!?痛くなかった?」
 二人の攻防?からくり出された衝撃により、何体かの人形が吹き飛ばされてしまった。
 それを見た夢悠が人形たちに駆け寄りほこりを被った人形を抱え上げ、ほこりをとる。
 目を回していた人形が気がつくと、逃げる間もなく捕まってしまったことで今にも泣き出しそうな顔をしていた。いや、涙はでないが。
 だが男夢悠、これで捕まえる気などありはしない。
「なんであろうと捕まっちゃったからね、もうはなさな……あーっ! 手が滑ったー!」
 立ち上がったと思った矢先に転んだようにみせかけて、人形をリリースする夢悠。
 今にも泣き出しそうだった人形に明るい雰囲気が舞い戻る。
「つ、次は絶対捕まえるからね! そら、いくよー!」
 夢悠が人形を追いかける。もちろん、追いつかない程度に加減をしながら。その隣を雅羅が並走する。
「私も逃がさないわよ! ぜったい、捕まえてあげる!」
 雅羅が自分の行動に併せてくれることを理解した夢悠がスピードをあげる。
「オレの方が先に捕まえるからね!」
「いいえ、私のほうが先よ!」
 二人は徐々にスピードを上げていき、遂には人形たちを追い越した。そのスピードに負けじと、今度は逆に人形たちが二人を追いかけ始める。
「あらあら、お二人とも面白そうですね。正子さん、私たちもいきましょう?」
「そうだな。そうするとしよう」
「自分たちも負けないであります!」
「あ、ちょっとこら! マジで走らない! ここは廊下よ!」
「校長権限により、今だけは廊下の全力疾走を許可する。行くぞっ」
 吹雪と正子が全力疾走で雅羅と夢悠を追いかける。
「校長権限であれば問題ないですね。さあ、コルセアさんも行きましょう」
「……せっかくの機会ですし、ツッコンでばかりじゃなく、たまにははじけてみますか」
 前を行く四人に習って、加夜とコルセアも廊下を疾走する。穏やかな笑顔を携えながら。
 今はまだお星様だが、そのうちゲブーも全力疾走してきて追いつくだろう。