リアクション
居合の構えを取っている赤嶺 霜月(あかみね・そうげつ)と、抜き身の刀を持つ霜月が向かい合う。 ◇ ◇ ◇ まるでナラカの世界にいるような雰囲気が作られた空間に立つ甲賀 三郎(こうが・さぶろう)。 闇から現れるようにして現れたもう一人の自分は、己が忌み嫌う超兵器イコン・PSを着ていた。 「なんでもう一人の我がかような超兵器を着ているのだ……」 苦々しく吐き、睨みつける三郎。 PSを着た三郎は他に腕にはウエアラブル機器が、手にはスマートフォンが、かけている眼鏡は腕のウェアラブル機器と連携された超演算機能が付いている、なんともハイテクな道具を身に着けていた。 インテリ・ヤクザ改め、ハイテク・ヤクザ甲賀さんここに見参と言った風である。 「今時、イコンを超兵器と呼ぶ奴はいない。お前だって道具は使うだろ、クナイ、手裏剣、魔法にギフト、道具に恐怖を抱くな!! 振り回されると思うのならば使いこなせる腕を持て……ねじ伏せる胆力を示せ!」 言葉と共にハイテク甲賀が威嚇してくる。 「言われなくとも、見せてやろうぞ!」 アサシンブレード【無光剣】で攻める三郎。 けして大ぶりの攻撃ではないのに、軽くかわして見せるハイテク甲賀。 よく見ると、スマートフォンを持っていた手でウェアラブル機器を操作・演算を行い、三郎の攻撃を計算している。 計算から導き出された位置を避ければ攻撃は当たらない。 『道具を使いこなせ。我のようにハイテクな機器すら使いこなせ。今のままだと、我にかすりもしないぞ』 「そんなもん、我はいらぬ!」 アナログ対ハイテク。 動きが読まれるているのならば、光学迷彩で姿を隠せばいけるかと仕掛けてみるが、それもあの眼鏡の前には叶わなかった。 やはりアナログはハイテクに敵わないのかと見ている者がいたら感じたであろう。 しかし、ここにいるのは第四師団臨時教員の情報局諜報部所属の少尉である。 同じ自分であっても今までに培った経験は己には敵わない。 ハイテクな機器たちはその誤差で徐々にズレが大きくなっていき、最終的には大きな敗因を生み出した。 「位置がバレていても、これならどうだ!」 すでに破られてる光学迷彩をそのままに『我は射す光の閃刃』はいくつもの光の刃となってハイテク甲賀に差し迫る。 『な、エラーだと!? この演算で読み切れない事があるのか!?』 光の刃はウェアラブル機器を、超演算器を破壊する。 PSすら斬り裂きハイテク甲賀は地に倒れた。 「どうだ。我はこのようなハイテク機器が無くても勝つ事が出来るのだぞ」 『そのようだな。見事であった』 ハイテク甲賀は闇に溶けるようにして消えていく。 そしてこの闇も薄くなっていき、元の部屋に姿を戻した。 |
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