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リアクション
イコン・ザ・フィナーレバトル! 8
一方、遠い離れた地上からイーダフェルト2号を、特攻天女の中から見るのは泉 椿(いずみ・つばき)、緋月・西園(ひづき・にしぞの)の二人だ。
彼女はイーダフェルト2号をキマクに移送するべくここで待機していた。
「海上だと特攻天女じゃいけねぇし、他の仲間に任せるしかないか」
「でも、やっぱりトラックじゃ難しいんじゃないかしら? 運ぶの」
イーダフェルト2号は現在、海上を飛行中、それに大きさもかなりのもの。
イーダフェルト2号を運ぶのは難しそうだ。
「それでもだ! とりあえずあたしは待つとするぜ、結果がどうなろうともな!」
そう言いながら椿はいい笑顔を浮かべながら、ずっとイーダフェルト2号の動向を窺っていた。
その椿の様子を遠くから窺っていたのはサタナエルの搭乗者である中願寺 綾瀬(ちゅうがんじ・あやせ)。
(……動く様子はないようですね。
それにトラックならば海上や空中を行くのは無理。なら大丈夫でしょう)
なにやら思案していた綾瀬だったが、やがて見切りをつけたように、イーダフェルト2号の方へと向かっていく。
「なあーなあー今回は遊ばないのかー?」
魔王 ベリアル(まおう・べりある)が退屈そうに綾瀬に話しかける。
とても気だるそうな操縦だが、着実にイーダフェルトへは向かっていた。
「ええ、すいませんが今回は傍観者に徹する予定ですの」
「ちぇー」
ベリアルが顔をむすっとさせている。
プリンの着ぐるみを着ていたときのいい笑顔とは比べられない程、つまらなそうだった。
対して、綾瀬の口元は少しだけ釣りあがり、目は隠していても微笑していることがわかる。
「では特等席で見届けましょうか。
この物語の結末が、どうなるのかを」
その後、綾瀬はただただ静かに、契約者たちの戦いを見つめ続けていた。
戦闘は以前継続中。ゴーストイコンやマンドレイクとの戦いは一筋縄ではいかない。
その戦場に舞い降りた、というか不釣合いにもぶっとぶのは辮髪式輸送トラック。
「なんだあ゛あ゛あ゛!?」
トラックを見つけたマンドレイクがトラックを潰そうと急降下する。
しかし、トラックは以前悠々と飛んでいる。どころか、中から何かが出てきた。
「このべんぱつ、ただの髪だと思うではない! このように回せば飛ぶことすら可能!」
「いいねマリちゃん、その強気な姿勢でマンちゃんをぺんばつで絡めとっちゃっうといいんじゃないかな? にしてもマンちゃんも大胆だよね、大きな声出して喚き散らして羞恥プレイ。流してるのは涙だけじゃなかったりするんじゃない?
羞恥捕縛プレイか、性別がどっちかによるかだけどそれぞれニッチな層にはどストライクすると思うけどどうする? ママンドレイク 〜発狂ナイト〜……って感じで第二の人生歩んじゃう?」
ぺんぱつを回して飛ぶマリー・ランカスター(まりー・らんかすたー)。
止まらないカナリー・スポルコフ(かなりー・すぽるこふ)。
「……おもしろい」
何故か冷静に評価するマンドレイク。だが、マンドレイクの悲しみが、号泣が薄れたのは確か。
「ゴーストイコンの動きが鈍っていることを確認」
「ならば今が攻め時であろう。
全艦、全イコンは前進、イーダフェルト2号を迎撃だ」
マンドレイクが冷静にツボっているのを見切ったイコン艦隊【H部隊】が本格的に始動した。
ちなみに、マリーは一度海に落ちた後、トラックに再搭乗しそのまま補給に向かった。