空京

校長室

戦乱の絆 第3回

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戦乱の絆 第3回
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宮殿内・準備

「玉座の間」では、アイリス・ブルーエアリアル(あいりす・ぶるーえありある)の下へ彼女に味方する者達が集まっていた。
 彼女を囲み、協力に難色を示すアイリスに対して説得する。
 
「どうして、そこまでして僕と戦いたいんだ?」
 アイリスは不思議そうな顔だ。
「僕は負けるはずが無いんだ。
 むしろ君達の方が心配だよ」
 アイリスは一礼して、「玉座」の下に立つ。
 右腕に、気絶したネフェルティティの姿。
 彼女と共に「玉座」に座ろうかどうか一時考えてから、首を振った。
「いいや、ここは他国の王座。
 僕がそんな不敬を働くべきじゃない」
 
「随分と礼儀正しいんだね? 君は」
 初めに答えたのは、ロイ・グラード(ろい・ぐらーど)だった。
 鎧化した常闇の 外套(とこやみの・がいとう)を装備し、アイリスに対しては丁重に首を垂れる。
「やはり、『龍騎士』だからか?」
「僕は僕だよ。趣味の悪いことはしたくないだけさ。
 ……とそんなことはいい。君とは面識もないはずだが?」
「ああ、だが、主義主張が気に入ったのだ。
 俺は君が主張するところの『戦争による犠牲を最小限に食い止めたい』という部分に共感したのでね」
 アイリスの興味が、ロイに傾く。
「どうするつもりだい?」
「話し合いで解決する。
 ネフェルティティを取り戻そうとする連中と」
「話し合いねぇ……」
 はぁ、と大きく息を吐いたアイリスだが、口ではこう告げた。
「いいよ。
 君の気が済むようにするがいいさ」
 
「その腕のお姫様を、守らせてもらってもいいかい?」
 スッと前に跪いたのは、駿河 北斗(するが・ほくと)ベルフェンティータ・フォン・ミストリカ(べるふぇんてぃーた・ふぉんみすとりか)
 アイリスの右腕を指さして。
「ネフェルティティと俺は浅からぬ縁でね」
「ダークヴァルキリー……確か『斬った』勇者だったっけ?」
 アイリスが即答する。
 北斗とダークヴァルキリーの件は先刻承知の様子だ。
「で? 今度は警護をしたいって?」
「本来、これはロイヤルガードの仕事なのかもしれません」
 ベルフェンティータは北斗の傍から口を挟む。
「けれど、彼らには別の役目があります。
 現在ここに居る者の中でなら、私達が最適な護衛であると自負していますが……」
「いや、いい心がけだと思うよ、君達」
 アイリスは柔らかく笑った。
 考えがあって「警護」を買って出た北斗は、ううん、と曖昧に頷いて、ネフェルティティを受け取る。
 罪悪感、てこういうものなのかな? と。
 
「俺は単純に君を守りたいだけだ。
 君のことが好きなんだ! アイリスさん」
 エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)はどさくさに紛れて告白した。
 傍らで、メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)が頭を抱えている。
「まったく君って人は……」
 アイリスはプッと噴き出した。
「相変わらずだね? エース。
 それでどうしたいんだい?」
「なに、簡単なことさ」
 エースはアイリスの手を握って、力説する。
「貴女の無事が、俺には何よりも重要なんだ!
 貴女を亡くしたくないから……だから、傍で守らせて欲しい」
 アイリスは守ることはともかく、仲間に入ることだけは了承した。
「OK! 君と、メシエだね。
 適当に見学でもしていてくれ」

 残りの者達は「百合園女学院」で、つまりアイリスの学友達だった。
 桐生 円(きりゅう・まどか)
 オリヴィア・レベンクロン(おりう゛ぃあ・れべんくろん)
 カトリーン・ファン・ダイク(かとりーん・ふぁんだいく)
 明智 珠(あけち・たま)
 牛皮消 アルコリア(いけま・あるこりあ)
 ラズン・カプリッチオ(らずん・かぷりっちお)
 の、以上6名。

「アイリスの性格は面倒臭いからね……」
 溜め息をついたのは円。
「だから、守るんだ。
 友達じゃないか! 地獄の底まで付き合うつもりだよ」
「あたしだって!
 それに、あの学校は好きだから。アイリス」
 アルコリアは両肩をすくめて見せる。
「だから、このまま黙ってなんかいられません!」
「私は、アイリスさんには何か考えがあって、こんな行動に出られていると思って……」
「僕に考えなんてないさ……」
 哀しげな顔。
 カトリーンはアイリスの返答に面食らう。
 だが、これも彼女の作戦かもしれない――。
「そんなことを言って、私達を遠ざけようとしても無駄なんだからっ!」
「遠ざける? 別にそんなつもりはないけれど……」
 アイリスは困ったように苦笑して、友人達に一礼した。
「ありがとう。
 疲れたら、僕の後ろにくるんだよ?」
 
 こうして、アイリスは合計12人の頼もしき勇者達を獲得したのであった。
 
 そして、戦いの時は迫る――。